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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「著作権フリー落語」を考える。

(※註:そもそも正確には、下に書いたような理由で古典落語を、落語家が演じた時の録音に関する権利は「著作権」とは別物です。ただ、分かりやすさを考えて敢えて不正確な「著作権フリー落語」としました)

昨日は、ほぼ一本に集中し、天下の奇書『真・異種格闘大戦』(相原コージ)の長文書評をしました。基本的に我がブログの「長文書評」は、あんまり読者をすぐには呼ばないのだが、その代わりじわじわと長く読まれる傾向がある。自分としても非常に満足のいく文章になった(かなり、時間をかけたからね)

■誰もが夢見た、考えた!そして…彼だけが実現させた!相原コージ「真・異種格闘大戦」評
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120205/p1

で。
その中で、話の中に「虎とライオンの対決」が出てくる落語「動物園(ライオン)」をyoutubeで紹介したのだが…落語協会が作った「インターネット落語」から引用した。
これはこれでたいへん有り難い試みで、こうやってブログで紹介するのも協会の目的と合致し、文句は全然出ないだろう・・・
だが、もう一歩進んで「完全に著作権フリーの落語って、どっかにないかな?」とか思ったのですね。
そして「落語 著作権」で検索すると…こんな文章が。
語り手は立川志の輔
http://www.1101.com/shinosuke/2005-12-02.html

糸井 そうかぁ、JASRACが突如集金に来たりはしないわけですね。

志の輔 そうなんですよ。
まえに、びっくりしたことがありましてね。富山の放送局で、故人の落語のCDをかけて、
前後の枠を私がつけるという番組があるんです。CDをかけるんだから、「著作権はちゃんとしといてくださいよ」と言ったら、放送局の人がJASRACに電話したんですよ。
「もしもし、あのー、 落語をかけたいと思うんですけど、 著作権のほうはどういうふうにしたらいいんでしょう」とラジオ局の人が訊いたら、JASRACの人が、「いやー、ウチでは 落語というのは扱っていませんけれど‥‥ いいんじゃないんですかぁー」って言われて(笑)。

糸井 あはははははは、すごい(笑)!

志の輔 信じられないような話ですよ。売り出されていれば、もう、その時点で著作権はないんですよ。すごいですよねぇー。

糸井 新作(その人が創作したオリジナルの噺)なんか、どうなるんですかね?

志の輔 新作でもなんでも、ぜんぶ。

糸井 じゃあ、志の輔さんの新作を他の落語家がそのままやるということもありうるわけですか。

志の輔 いやいや、もちろん、そういうことはやっちゃいけないという不文律はあります。

これはたいへん有難い情報だが…さすがに志ん朝に、いや慎重になる。
そこでピコーン(豆電球がつく音)。
「おなじみ、没50年後の著作権消滅物件ならどうだろう??」
…ってんで、おっとり刀で「落語家 没年」で検索するってえと…、ありゃあがったありゃあがった、暇人がつくりやがった「落語家生没年一覧」。
http://homepage2.nifty.com/Curious-G/starthp/subpage98.html
これで、今年の御世は平成の二十と四年、西暦では2012年だから…1962年以前にくたばりやがった噺家の落語はこっちのもんだってんだ、べらぼうめ。

春風亭柳好(3)   1887−1956(69) 
柳家権太楼      1886−1955(59)
桂三木助(3)    1901−1961(60) 

うーん、そんなに多いわけじゃないね。実はいま一覧を見ると、「1964年」に亡くなった師匠はなぜか多い。もうちょっとの辛抱です(笑)


まあ、この時分の録音は仮に残ってたとしても、まだ技術が未発達で今の水準から考えると雑音が多く、そういう点で商品としては価値が劣る部分もあるだろう。また、録音にかかわった人々に何かの権利があるのか??
という問題もある。ただ、話題になるのをあまり見かけないので「没50年以上の落語家の落語録音は著作権フリーの、人類の共有財産ではないのか?」という問題提起、アジェンダ・セッティング(議題設定)をして、もっと詳しい人の論を待ちたい。

マチュア落語家も、インターネット上で『著作権フリー』をうたえばアクセスUP!!

マチュア落語家さんの話を、けっこう聞く機会がある。
そりゃ、名人上手の話が聴けるに越したことは無いが、昨日のエントリのように、あらすじやフレーズが分かれば十分だ、ということもある。
そしてアマチュアの落語家さんは、多くは催しも入場無料で「ぜひ多くの人に、ただでも自分の噺を聴いてもらえれば幸せだ」というスタンス。
このニーズをマッチさせて…
YOUTUBEにアマチュア落語の愛好家が落語をUPして…もしくはDVDでも作って…ここが重要だが「著作権フリー落語」と銘打てば、質はどうであっても需要は多いんじゃないかな。
これは、曲そのものには著作権がなく、演奏家さえOKすれば無料で使えるクラシック・古典ジャズにもいえるかもしれない。

クラシックはダウンロードできるサイトがあった。(実際に試してはいません)
http://japan.digitaldj-network.com/archives/51535121.html
ジャズは「一覧」を作っている人がいた。
http://uegaharatarou.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_2cf6.html

今のところ、自分が検索した限りでは
著作権フリー落語」にぱっとアクセスして、ぱっとダウンロードできるサイトは無い…と言っていいみたいだ。

なるほど、こんなこともあるのか

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0704/13/news080.html
「落語は、ネタを弟子にはタダで教える。もちろん著作権料なんか発生しない。師匠のネタを弟子がやりたいなら、生きているうちなら一言言ってからやるもんだが、死んだ後は自由」(圓窓氏)

 こういったおおらかな慣習を持つ落語だが、著作権法をガチガチに適用すると、落語家の死後もネタを著作物として保護し、弟子がやるにも許諾が必要――などと不思議なことになってしまう。

 「例えば私は永井路子さんの小説を落語のネタにした。原作料を支払いますと言ったが、永井さんは笑って『いらない』と言ってくれた。だが、ネタを弟子に教えた場合はどうなるのだろう。この先、永井さんが亡くなった後、相続人から私の落語にクレームが来ないとも限らない

 実際、10年前に死去した小説家の作品を落語にしてみたいというアイデアをテレビ番組の収録で話したところ、その小説家の相続人から「そんなこと聞いていない」とクレームがあり、圓窓氏は困り果てたという。

2007年の10年前…1997年…。作品を、落語にぜひしたいと思わせる内容・・・。
…☆新一、の相続人か???  いや勝手な想像です。
あすこの相続人さといえば、「イキガミ」騒動で有名だ。