1月30日にこういう一覧を作ろうと思ったのですが、よく考えたらその日はこの「冷たい熱帯魚」の一般公開翌日なんで映画評がたくさんネットにUPされているわけがなかった(笑)。
約2週たって、まともな一覧が出来たので再度公開します
(※ネタばれについては自己責任でお願いします)
といっても自分は、作成した「はてなキーワード」とホットエントリに頼ったので、結局はてな外への広がりが少なかったのが反省材料。
あと、話題の映画の感想を一覧化するというアイデアは
■映画『ソーシャル・ネットワーク』評いろいろ
http://d.hatena.ne.jp/yosinote/20110124
に範を取りました。
あらすじはこれが当初まとまっていたので、
http://doraku.asahi.com/entertainment/movie/new/110126_02.html
を紹介した上で一覧へどうぞ。
評者、ブログ名 | リンク | PICK UP |
---|---|---|
テリー天野 | http://www.menscyzo.com/2011/01/post_2232.html | 日本映画に欠かせない名バイプレイヤーのでんでん。(略)お人好しの小市民役を演じることの多かった彼が、本作では稀代の殺人犯をモデルとした、凶暴な殺人マシーンを大胆に演じています |
水道橋博士 | http://www.asakusakid.com/past-column/coldfish.html | でんでんの殺人モンスターぶりは『復讐するは我にあり』の榎津厳(緒方拳)を超えていますよ! |
冒険野郎マクガイヤー | http://d.hatena.ne.jp/macgyer/20110212/1297516186 | 凶悪な映画だったよ。なにが凶悪かっていうと、実際にあった犯罪を題材にしたとか、バラバラ死体が写りまくるとか、そういうことではない。この映画を鑑賞すると、価値感が少なからず変わる。 |
C.3.3. | http://d.hatena.ne.jp/ivangroznyi/20110212#p2 | 前作に引き続いて登場人物のテンションが高く、これまた感情の起伏が高い演技で物語が進んでいく。 |
岸岸岸 / 思考の倉庫 | http://d.hatena.ne.jp/hashiyasume/20110213/p1 | 冷たい熱帯魚でいちばん恐ろしかったのは、村田の言うことがしごくまっとうなことばかりだったというところだ… |
俺の邪悪なメモ | http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20110210/p1 | 日本語の「おかしい」という言葉には、“狂ってる・怖い”という意味と“笑える”という二つの意味があります。この映画が描く世界はまさにこの二つの意味で「おかしい」… |
○内○外日記 | http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20110206/p1 | サクっとしててスッキリする。こんなんでしょ、おお、それそれ、それよ、って具合の、そういう映画。 |
殺風景の記録 | http://d.hatena.ne.jp/sappukei12/20110205/1296935695 | でんでん演じる村田幸雄が半端無く凄い!おっかねぇ!でも、おもしれぇ!最近の映画の悪役に多い、アンチヒーロー性やカリスマ的な魅力といった、誰もが思わず「カッコいい!!」と魅了されてしまうような要素が全く持って皆無で、もう只々、下衆くて卑小なオッサンだった。ある意味、近年には稀な、真の悪役なのかも |
ブログがでーん | http://d.hatena.ne.jp/haru_same/20110213#p1 | 主人公がどんどん引き込まれていく中にも、引き返せる、逃げられるタイミングはあちこちにあって、それでも逃げられない(逃げない)のがまた、妙なリアリティ |
北小路隆志 | 朝日新聞1.30夕刊 | こちらへ |
自分の感想もちょっと。
喜劇役者(って、でんでんが「お笑いスター誕生」に出たのいつだよ!)や善良な役者が映画で稀代の悪人を演ずるときって、個人的にはそれだけでスペシャル感が伴う。「ミンボーの女」の伊東四朗、「ソナチネ」の南方英二(チャンバラトリオ)……。自分にとってでんでんは、映画だったかドラマだったか「クライマーズ・ハイ」で記事の扱いや編集方針をめぐってむき出しの対立がある社内で、暗に陽に主人公をサポートしつつも、上層部やアンチとのクッションになる気のいい整理記者の演技が印象に残る。
そういうスペシャル感があらかじめのバイアスにあるから、以下の感想はちょっと贔屓目になるかもしれないし、彼が殺人犯という予備知識があったからかもしれない。
だけど、自分は気のいい?熱帯魚店の主人から殺人犯に変わる場面、「がらりと豹変」ではなく、「地続き」さをむしろ感じたのですね。
中小企業の、それも現在は好調であるところの店主、しかもその店を利用して、広告に顔を出したり美人の女性店員を必要以上に?雇うような…東海林さだおのいうような「ガハハおじさん」「ドーダおやじ」的な資質を持っている人は多かれ少なかれ王様な気質であり、それが「暴君」であってもおかしかないな、と。そういう点ですんなり入ったのだが、逆に犯罪者となるところに、声のトーンや表情での「断層」を期待する人は物足りないかもしれない。
ただ自分は、その店主が殺した被害者の身内がヤクザもんで、店に押しかけて「兄貴はどこへ行った!」と追及する時、店主がもう一度「弱者」の仮面をつけて「私も本当にどこいったか分からないんですよぉ、困ってるんですよお」と泣き落とす場面で、もう一回なりふり構わずそこに自らを落とすことができる、そこがむしろ凄かったと思いました。
死体をおもちゃのように、無神経に扱うことで出る笑いは、ヒチコック「ハリーの災難」もそうですが、なんといっても落語「らくだ」に通じるところがありますよね。気の弱い主人公の最後の立場の逆転も含めて。そのへんが楽しくありましたが、実話が元になっているかと思うとまた複雑なもんがありますな。
同時に、連合赤軍やオウムなどにある「小集団の無意識の束縛・マインドコントロール」(※もっとも最近読んだ本によるとマインドコントロールというものがあるかは議論の余地が大きいそうだ)を描いた作品と見ても面白いかと思います。
先日から、池袋でも公開されたとのこと。
そうだマインドコントロール(仮説)で思い出したが…
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おお今の芸能界的には玉置浩二出演のほうが意味が大きいか。
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【ストーリー】 暇を持て余す大学生の和夫(萩原聖人)はその布教活動のインチキ臭さに興味をひかれ、とある新興宗教団体に加わる。 浮浪者あがりの男(下条正巳)を教祖に据えた怪しい教団―。 その内部では、宗教を金儲けの手段と考え、教団を裏で牛耳っている主管の司馬(ビートたけし)、経理担当の呉(岸部一徳)と、純粋に教祖を崇める真面目な青年部リーダー・駒村(玉置浩二)達が対立を深めていた。そんな折、司馬の怒りをかって教団を追われる事になった教祖に代わり、二代目の教祖として、和夫に白羽の矢が立てられるのだが・・・。
この映画はアフタヌーン連載中「よいこの黙示録」や新書「完全教祖マニュアル」と合わせてどうぞ。
(当ブログでの同作品の紹介です)
■「よいこの黙示録」に大期待する理由
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101024/p2
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