<註:この記事は2010年の記事。毎年、当ブログは季節ネタとして書いていますが、比較するとこの記事が一番、一般的な情報を網羅しているのでここにもリンクを貼りました。2012年は2012年で紹介リンクを書いています(2012,12,23)>
本日は天皇誕生日。
何度か、関連して書いていますね
■本日は”ジミーの誕生日”…すなわち天皇誕生日であり、A級戦犯の命日。(猪瀬直樹本より)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091223#p2
■今日は昭和天皇の誕生日。すなわちGHQによるA級戦犯の起訴日。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100429#p2
このリンク先に跳んでもらえればいいのだけど、季節ネタだし繰り返しますか。
【註】この記事後、改題し文庫化されましたので2冊紹介します。内容は同じなので注意
東條英機 処刑の日―アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」 (文春文庫)
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◆◇『ジミーの誕生日─アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』◇◆
昭和23年12月23日、真夜中の巣鴨プリズン。
時計の針が午前零時を回るとともに、7人の男たちは13階段を昇り始めた。
東條英機、土肥原賢二、武藤章、松井石根、板垣征四郎、広田弘毅、木村兵太郎。
「大日本帝国万歳! 天皇陛下万歳!」
最期の声が、凍てつくコンクリートに響いた。
・・・だが、なぜ彼らはその日に処刑されなければならなかったのか?
その日は、皇太子明仁の15回目の誕生日だというのに・・・。猪瀬直樹からのメッセージ。
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「これは単なる偶然ではない。皇太子明仁の誕生日に東條英機が処刑されたという歴史的事実をひとつの暗号とみて戦後史を読み解くべきではないか」
この前紹介した時と大きく違うのは、ネット上での猪瀬氏の評判だろう(笑)。ここで猪瀬氏の本を紹介するのもなかなか我ながらチャレンジャーだが(笑)、ぜんぜん気にせず面白い本は紹介するのである。
これに先行する「ラストニュース」を紹介。
あとひとつ、昨年と違うことがある。
『猪瀬直樹は「ジミーの誕生日」の基本コンセプトはすでに何度か活字にしていたが、漫画で扱った「ラストニュース」は・・・』と書いた、この現物を入手した。紹介します。
(※このノンフィクションは一種の”謎解き”でもあるので、推理小説のようにこの本を楽しみたいという人は、ネタばれになる以下の文章は避けてください)
これはフィクションの特権で、ある人物が「意図的に皇太子(当時)の誕生日に東条ら戦犯を処刑する」というGHQ高官のせりふを聞いた、という設定で始まります。「ラストニュース」スタッフが、その裏づけをとりに調査するのですが・・・
「控訴の申請が却下されてすぐ処刑したら、たまたま期日的に23日になったのでは」「神聖なクリスマス・イブ前に、ちゃっちゃと厄介ごとを処理したかっただけなんじゃないか?」といった懐疑論が出されます。猪瀬氏もそのへんのことは最初から考慮している。
しかし、それへの反証として出てくるのは
「東京裁判は起訴状が被告に行った日(4月29日、昭和の日)も、求刑日(2月11日、建国記念日)も、当時の祝日と一致している。これがすべて偶然ということはないはずだ」
という点です。また、戦犯の遺骨を遺族に引き渡さず、遺灰をすべてひとまとめの箱詰めにし飛行機から海中に投棄する……という手間の掛かる処理法をわざわざ選んだことは事実として確認されています。つまり「この戦犯たちが、のちに日本人からどう評価されるか?殉教者とみなされないか?」という、未来における彼らの扱いや死の意味を考慮していたことは事実のようですね。
歴史の出来事をどこまで「偶然」とみなすのか、どこから「偶然とはいえない」と判断するのか、これは面白い一方、たしかに難しい問題なのです。正解は結局出てこないのかも知れない。
上杉謙信や足利義満、孝明天皇が「あの時点」で急病にかかり急死したのも疑えるし、検察審査会の平均年齢が連続して若いことだって偶然ではなく、陰謀の証拠という人もいる。
この話は、過去の漫画や「ニュースの考古学」という短いコラムで既に骨子は分かってるのですが(笑)「ジミーの誕生日」ではその後の取材成果を多く盛り込んでいる。
マッカーサーとGHQが「日付」を意識した別の例
http://kenpou2010.web.fc2.com/index.html
マッカーサーはホイットニーに、モデルプランが完成する期日を2月12日と定めた。それは、マッカーサーが敬愛し、彼の執務室にも肖像画が飾っているリンカーンの誕生日でもあった。
ある日付に、別の行事をぶつけるという戦略は
小泉政権時代、旧民主党と小沢自由党が合併する党大会に意図的に?道路公団の大物の解職をぶつける、ということをしたことがありましたね。あれだって偶然だたまたまだ、と言われればそうですか、というしかないものではある。
しかし、それを素直に受け止めるだけでは能がないのも事実。
そういう点も含めて、「ジミーの誕生日」も「ラストニュース」も面白い。
ただし後者を読んで、人生が行き止まりになっても責任は持たない(笑)
最後に一曲
いつも俺たちキズだらけ 汗にまみれて陽がくれる
だけどハートは ジミーのように とびきりいかした Lonely angel
(ジミーのように)
しらけていたって 時は過ぎるし だまっていても 朝はくるけど
キラメキ求め 走り出すのさ
夜風にさそわれ とばすぜHighway オールナイトのステージ
ジミーちがう。