INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

渋谷で開催中「ゆうきまさみ展」から。漫画家仲間が寄せたお祝いコメントとイラスト

http://www.yuukimasami.com/yuukimasami30th_event.html

2010年12月7日〜2011年1月10日 (12月19日:サイン会開催[詳細])
第1期 12月7日(火)〜15日(水) 『究極超人あ〜る
第2期 12月16日(木)〜23日(木) 『機動警察パトレイバー
第3期 12月24日(金)〜1月2日(日) 『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』
第4期 1月3日(月)〜1月10日(月) 『鉄腕バーディーEVOLUTION

現在、そういう催しが開催中。なんか本日は作者サイン会(おそらく既に予約は満杯だと思うが)
あと、これはおれだけかもしれんが渋谷は駅前からクモの足のように道が伸びる複雑怪奇の地形なので、渋谷パルコの場所の確認は十分に。駅前ハチ公前の交番には地図板もある。


残念ながら展示室内部は撮影禁止でした。



たくさんの原画が展示されています。
呉智英の指摘でもあり、自分の実感でもありますが、漫画はそもそも印刷・複製を前提の文化であって、原画でもコミックスでも特に違いは無いといえば無い。だがそれでも、大きいサイズの原画を見ると「うーんこれ、線を一本一本、やっぱり描いてくんだよな。面倒だろうな。毎週描くのなんて超人的だよな、無理な人がいてもしょうがないな・・・」と、富樫某氏を含めて寛大な気持ちにさせられます(笑)。
そういう点で確かに原画は楽しいのですが、それ以上に実際に作品になる前(ヘッドギアの持ち込み企画時代?)の設定ラフとかの展示が面白かった。比較的創作過程が活字になっている「パトレイバー」ですが、実際に見てみると、ある人物やロボットが実際の作品になっていくまでの過程はやっぱりおもしろいし、貴重だ。

とっても面白い、他の漫画家からのお祝いメッセージ

「一生食えて初めて漫画家、それは0.01%」とはバクマン。のせりふだが、漫画を描いて30年生きてきたゆうきまさみは既にゆるぎない大家中の大家なのだなあ。どうも本人の飄々としたスタイルがそれを実感させないのだが、客観的な事実として、彼の作品は多くの後輩に影響を与え、海外にも名前が響いているのであります。

んで、そういう後輩漫画家や、先輩・同期の漫画家たちがお祝いのイラストとメッセージを寄せていて、これが展示されている。将来的には何かの印刷物になる気もするけど、今のところ「初出の創作物」としてはkのお祝いイラスト集が企画展の白眉といってもいいでしょう。

当然コレも撮影禁止なので、内容面でのそれを紹介したい。

多くの漫画家がゆうきまさみ氏に寄せたメッセージ

【諸注意】
・会場に将来行く人にとってはネタバレでもあるので自己判断で。
・一部人名など、メモに走り書きしたため異なっている場合もあります。また、私がその作家が何者か分からない人もかなりいます。紹介も、全作家ではありません。

作家名 イラストの内容 添えたメッセージの要約
高橋留美子 作者流のあ〜ると泉野明 「まぬけ空間(ママ)や野明のアーモンドアイにはインパクトがありました」
あだち充 あ〜ると作者のキャラ?の犬 「あのころは若かった、お互いに。」
とり・みき 本格的なエッセイ漫画 「80年代前半のゆうき先生のビデオ動画たくさんあります。できればこの企画展で公開したい」(※ゆうき氏はOKしたが、とり氏の多忙のため実現しなかったようす【追記】会期後半に実現)
新谷かおる ※後述 ※後述
島本和彦 アオイホノオ」番外編 とり氏と同じく80年代初期の回想。ゆうきの雑誌掲載作を見て「パロディなのに上品な絵だ!だが上品過ぎて、いまひとつ笑えんな!」と例によって上から目線で負け惜しみ(笑)
吉田戦車 バーディと・・ バーディと、ウルトラっぽいオリジナルキャラが集合。同じ2心1体の先輩としてバーディを姉さんと慕うというネタ。
藤田和日郎 あ〜る、バーディ、パトレイバー&藤田キャラ 「昔も今も、これからもずっとあこがれています」「最近お話できずさびしー。また会いたい」
高田明美 あ〜る君と同作の女性キャラ集合 「元祖草食系?のあ〜る君。でもモテモテですね」「でもR君の本命はずっとさんごだったはず」「二人とも、もてても嫉妬されない稀有なキャラ」
TV版の元演出家 アニメ風の野明 内容はメモせず、すいません。ただ「今はゲーム会社に転職」という記述があり、なるほど時代の流れかと感じた
青木光恵 バーディと野明とまろん 「当時小学生でしたが、なんて内輪っぽい漫画だ!でも面白い!と感じた」
松本?(松本ってだれか不明、ごめん) メモは「テマリ」とだけ書いてある。何だろう・・・メモミスです。
田丸浩史 女性の絵だったが、何か分からない 「30周年おめでとうございます。ちなみに私の20周年のときは誰も祝ってくれませんでした」
灰原薬(「SP」の人) 後藤・南雲両隊長 「この2人はかっこいい大人のイメージそのものでした」
日本橋ヨヲコ 「あ〜る」光画部vs生徒会サバゲー部室攻防戦時の一コマ 気合の入ったイラストのみで、文字は無し
あらゐけいいち 駅のホームに集合した光画部 「小学生であ〜るを読んで、そこから漫画にどっぷりつかりました」「今回準備のために全巻を実家から取り寄せた」「自分の創作の源」(※イラストもかなり描き込んでました)
畑?(畑って誰かはメモせず、ごめん) 作者のキャラ?不明。特車二課の制服 グリフォンの出てきた時の興奮は忘れられない」
幸村誠 「30」の人文字を作る光画部 「思いのほか似せて描けて自分でびっくり。子供のころ、こんなすげーの毎週描けるなんてスゲー!と思った。今も思ってる」
椎名高志 二枚目バージョンのあ〜る、バーディ、まろん 「われわれ世代にとって先生はずっと前を歩くかっこいいお兄さんでした。今もです」
若木?苦木?(メモ読めず、すいません。誰かも不明) バーディとあ〜る 「出鱈目、奔放、物識り、責任を果たす…そういう大人を描いてくれた」
石川雅之 バーディとパトレイバーの首 「人形、やっつけました」(バーディが首をもいだという設定?)
荒川弘 パトレイバーイングラム 「ゆうきさんの漫画はキャラクターがきちんと役割を持っている。アクションもかっこいい。バーディの阿多良荘の戦いはすごい」(※もっと何かをメモしているが読み取れず)

上のお祝いコメントに関する余談です

荒川弘イングラムイラストを見たある見学者「えっ、荒川さんってメカ描けるんだ・・・」とけっこう失礼なことを(笑)
 
島本和彦twitterより

@simakazu (漫画家)島本和彦
いやな笑いだね(笑)!! RT @DiceKatKobe: @simakazu ゆうきまさみ先生の開業30周年記念企画展で先生のおめでとうイラストを拝見しました!炎尾燃のイヤな笑いに爆笑してきました!

http://twitter.com/#!/simakazu/status/16227950437335040

 
■この他、未紹介のお祝いコメントがかなりあります。アニメーター、デザイナーなんかは個人的になじみが無いので大幅に略してしまいました。
【追記】ああ、一覧がネット上にありました・・・上と比較してください
http://natalie.mu/comic/news/41617
 
幸村誠が「毎週描けるなんてスゲー!」というと、ヴィンランド・サガの週刊連載挫折の経緯を思い出し泣ける(笑)つーかほんと、物理的に週刊連載って人間の能力を超えている気がしてくる。
 
■素人が見て「労力的に描き込んだなー」と感じたのはとり氏、島本氏、あらゐ氏、日本橋氏、椎名氏など。
 
■さて、締めに新谷かおるイラストを別枠で紹介。
イラストとコメントが一体化(せりふになっている)したもので

・あ〜る「まのちゃん、元気かね?」
 
・子供をつれた女性
「元気だよ
 あんたはかわんないね
 あたしなんかもう子供がいるよ」

・・・うわーーー、往年の「あ〜る」ファンにとっては、「ああ、あのネタがこうやって今も続いているのか!」と懐かしく、そして時は動いていることを超実感。この「あんたはかわんないね」という言葉はあ〜るへのものか、それともゆうき氏へのものか・・・。

※12年後の追記 この方が役者になっておられたと知る。(2022年)


新谷 摩乃(しんたに まの、1974年12月26日[1] - )は、日本のナレーター・俳優。東京都出身。フリー。父は漫画家の新谷かおる[2]、母は漫画家の佐伯かよの
ja.wikipedia.org

ともあれ楽しい催しでした。
本日のサイン会は午後2時から。「ゆうきまさみ年代記」の購入者限定。

【追記】関連・サイン会ルポ
http://d.hatena.ne.jp/eg_2/20101219#1292757785
http://d.hatena.ne.jp/julym/20101219
http://d.hatena.ne.jp/kourun/20101219

催しはこの後、最初に書いたように展示品の入れ替えなどもあります。