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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「識字障害」から文字と人と、脳を考える(12日、NHK)

http://www.nhk.or.jp/special/onair/081012.html

会話能力にも問題はなく、しかも眼に異常があるわけでもないのに、文章を読むのに著しい困難を抱える人たちがいる。文盲とは全く別の病、読字障害だ。この障害が見つかったのは、19世紀末の英国。数字の「7」は読めるのに「seven」を見せると読めない中学生が見つかった。当時は、まれなケースと思われていたが、英米では人口の10%、日本では5%もいることが判ってきた。最新の研究によって読字障害の人は一般の人と、脳での情報処理の仕方が異なることが明らかになってきた。
通常、情報を統合する領域で文字を自動処理しているが、読字障害の人は文字処理をスムーズにできないのである。人類が文字を使い始めてわずか5千年、この時間の短さ故、脳は十分に文字を処理できるよう適応しきれていないのである。
一方、読字障害の人には独創的な発想が出来る人や空間処理能力が高い人が多い。映画ジュラシックパークで恐竜博士のモデルになったモンタナ州立大学の考古学者ジャック・ホーナー博士も読字障害の一人。ホーナー博士は、恐竜の生態が鳥類に近い生き物であったことを証明し、恐竜研究に革命を起こした。しかしホーナー博士の読み書き能力は、小学3年生程度と言う。
人類進化が生んだ文字に適応できずに現れた病に迫る。

うーん、そういやそうだ。
文字を使うのは人間だけ。そして5000年では脳が文字にあわせて進化するわけが無い。
というか人間の脳のなにがしかの発達が文字を生んだのか、
文字が生まれて、それにあわせて脳が発達したのか。(生物的な進化じゃなくて、個々の人間がトレーニングすれば個々に筋肉が発達するように)

ここで「T.Pぼん」で「文字が生まれるまで」がテーマの一編があったことを思い出したっす。
また、夏目房之介氏は初期の漫画研究の中で、「絵」と「文字」の関係、そして漢字という象形文字、そしてそしてその漫画との関係ーーーなどを論じていた(一部は養老孟司が引き継いだ)。
識字障害のなにがしかと関係あるんだろうか。
というか、識字障害の人が、いわゆる日本漫画に接するとどういう感じなんだろうね。
日本マンガの隆盛を漢字かな混じり文との関連で論じた人もいたが、日本漫画が海外で受けていくとまた修正を余儀なくされたりもしている。

http://d.hatena.ne.jp/hrhtm1970/20061109

・・・日下氏が、もとは「絵」であった「漢字」の「活字」化したものを、マンガが、その情報伝達機能において凌駕していると述べるのに対して、三浦氏が漢字かな交じり文をマンガの「源泉」とみなしているように、この両者だけ見れば、わずかに三浦氏の方が「マシ」な議論をしているようにも見えるものの、三浦氏のこの議論自体、養老孟司氏が何度も、そして実はさらにさかのぼって『現代マンガの全体像』(1986年)で呉智英氏が、述べていることの劣化したコピーに過ぎません。

 そして、いずれにしても、このように安易に、東洋・日本の文字文化とストーリーマンガの隆盛を関連付ける議論に対する適切な批判は、すでに夏目房之介氏によって、何度も繰り返されているのですが・・・・・(後略)