昨日の、広辞苑にまつわる岩波書店のしんどさ、というのは時間の都合上、もう一度後回しにしますが、その代わりに
http://www.asahi.com/culture/update/1025/TKY200710250282.html
を紹介。これはきのうの夕刊で一面トップだったね。
6500作がDVD1枚に 青空文庫、図書館に無料配布
2007年10月26日07時29分
夏目漱石やコナン・ドイルなど国内外の作家ら407人の約6500作品が1枚のDVDに収められ、全国の図書館約8千館に無償で配られることになった。民間の電子図書館「青空文庫」がインターネットで提供しているデータを元に制作した。同文庫の魅力をDVDを通じてネットの外にも広め、文学作品などの著作物を社会が共有する意義を強くアピールするのが狙いという。
同文庫はノンフィクション作家の富田倫生(みちお)氏らが97年7月に始めた。
DVDには、漱石や芥川龍之介、太宰治などサイトで人気を誇る作品のほか紫式部、泉鏡花、坂口安吾、アンデルセンやユーゴー、魯迅なども収録予定で、(略)今月末から配布予定。
DVDは操作がネットより簡易なため、ネットになじみの薄い人も使いやすい。
DVDを借りた人は様々な使い方ができる。例えば、教師が授業で作品のテキストをコピーして大量に配る▽定年後の趣味で作品をキーワード検索や切り張りして分析・研究する▽好きな作品を集めたアンソロジー(選集)を自費出版する▽視覚障害者はテキストを音声に変換するソフトを使って聞く――などだ。
(略)
DVDや冊子の制作費には、同文庫が蓄えてきた広告収入を充てた。DVDの配布には、文化審議会で検討されている著作権の保護期間の延長の動きに、ストップをかける狙いもある。著作権法は、著作権の保護期間を「作品誕生から作者の死後50年まで」と規定しているが、米政府や著作権団体などは「死後70年まで」に延長するように求めている。
青空文庫は死後50年が過ぎるのを待って、作家の顔ぶれを増やしてきた。保護期間が20年間延長されれば、20年間は新たな作家を加えることが難しくなるという。
(略)
青空文庫、ついに起つか!!
岩波(に代表される古典出版社)は「信玄上洛」を知った織田信長の心境かもしれん。
まあ、DVD一枚じゃあそう簡単には直接のインパクトはないだろう。
ただ、図書館に来たら実際、私は借りて速攻でHDDに丸ごと保存してから返すなあ。
で、何の統計的な裏づけも論証もなしで言いますけど、「こうやって青空文庫が普及すると、岩波書店(ちくま書店とかでもいいけど)の経営にはダメージになる」。
違いますかね。
てな感じで、断片的にだらりと続いていくかもしれません。
それから、補足いなきゃいかんけど、記事にもあるようにこれって、青空文庫が著作権延長問題(50年→70年)で追い詰められて、局面の打開を計って今回こういう大胆な試みをしたって部分もあるよね。
あんがい、あっさり岩波に有利なようにそのフィールドでは進んでいくかもだ。