今読んだので、古い話題なことは相済まない。
・・・ところで「正義の味方」という言葉を作ったのは川内康範先生だということはご存じでしょうか。主題歌『月光仮面は誰でしょう』の中に、「月光仮面のおじさんは 正義の味方よ善い人よ」という一節がありますが、まさにこれが日本最初の使用例なのです。俺が「なぜ正義ではなく、味方なのでしょうか」と尋ねましたところ、
「(月光仮面の発想は)月光菩薩という仏に由来しているんだけど、月光菩薩というのは脇仏(わきぼとけ)でね、決して主役じゃないんだ。つまり、裏方なんだな。だから“正義の味方”なんだよ。この世に真の正義があるとすれば、それは神か仏だよな。だから月光仮面は神でも仏でもない、まさに人間なんだよ」
という明快な答えが返ってきました。
例えば完全に定着した「心を折る」(井田真木子の取材で神鳥忍が答えた)という用例のように、なかなか造語は難しい。日本語に完全になじんだら、ものすごいことだ。
ひょっとしたらごく一部に定着するかもしれなかった「バララッパ」は、その対象のほうが消えたし(笑)。
ま、それはそれとして、自分の正義の中に一片の自己懐疑があるヒーローというのは好もしいものだ。
つい、今自然と「アメコミのように」と書いちゃうところだったが、タカハシさんに何冊か借りた最新トレンドのアメコミを見ると、自己の正義を能天気に信じるようなキャラクターはあちらでも居なくなっているようです。
いわゆる正義の味方はが何のために戦うか、は結構むつかしいもので、仮面ライダーが始まるときも関係者がみな、うんうんうなって頭をひねり、最後の最後に
「人類の自由のために闘う」
となった。なんかそこに至る意味づけもけっこう深かったのだか忘れてしまったので各自調査。