すべての漫画雑誌が少年ジャンプのごとく、不人気打ち切り間近の作品が巻末にいくわけでもないのだろうが、ずっとモーニングのトリがこの作品な状態では、やっぱり早過ぎたのだろうかなあ、と思わないでもない。
俺は相当に面白いのだが、これはミスター高橋本を読んで、知識を所与のものにしている特殊な読者層であるからだろう。この作品の世界観を支えるプロレス界の「衝撃の事実」の啓蒙と、ストーリーを一緒に展開
させるのは大変なのではないか。
俺はミスター高橋本が出たとき、観戦記ネットの書評募集で「文化人類学の本を読むような、『プロレス村』の異文化報告」てな評価をした。
まず、その文化を紹介するためには、実は連作短編集のほうが向いていたのではなかろうか。
実力があるのにスターにはなれずポリスマン、として陰のプライドを持つ男
逆にシュートはダメでもお客をひきつけるのは俺、というショーマン派の自負。
キャラクターチェンジに悩む若手。
ナチスギミックを演じるユダヤ系外人。
どちらが勝つかでぎりぎりの交渉・・・
こういうのはうまくアレンジすれば、サラリーマンの共感を呼びうると思うんだが。
無責任な直感だが、こういうのを描かせて上手いのは稀代の職人・細野不二彦だろうな。「ギャラリーフェイク」のような感じで面白い連続プロレス短編が読めると思うのけど、どうだろうか・・・