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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

RIZINは「いびつな総合格闘技」で勝負する…才賀対アーセン、RENA対美憂、クロン対所。本日地上波、スカパー放送

本日っす。

9月25日(日) 19:00〜21:54 放送

RIZIN FIGHTING WORLD GRAND−PRIX 2016〜無差別級トーナメント開幕戦〜
PRIDEミルコ復活…韓国の巨人撃退なるか▽レスリング元女王・山本美憂42歳にして格闘家デビュー▽美憂の息子vsあびる優の夫▽オレ達は格闘技を愛している

放送内容詳細

左から)山本美憂、RENA左から)山本美憂、RENA
昨年末に産声をあげた世界最強を決める格闘技の大会『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND PRIX』。今年はさらにスケールアップ!世界各国、各団体から集まった14人の選手による無差別級トーナメントを3日間開催。
まずは9月25日(日)に藤田和之VSバルト、ミルコ・クロコップVSミョン・ヒョンマン戦など6試合が行われる。果たして12月29日(木)に行われる2回戦に駒を進めるのは誰だ!?
またレスリング元女王・山本美憂VS立ち技の女王RENAや、ギャビ・ガルシア村田夏南子参戦と女のバトルにも注目!
見どころ満載の『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND−PRIX 2016〜無差別級トーナメント開幕戦〜』をフジテレビ系列で9月25日(日)午後7時から放送。お見逃しなく。


むかしPRIDEとかやってたなー。ヒョードルや桜庭って強かったけど、いま何してるの?
ぐらいな感じの人へ、今回の愉しみ方。



いま、総合格闘技の世界は協会や世界ランキング、ワールドカップがあるわけではないけど、実質的にUFCというアメリカの大会が最高峰であり、ここに集まる選手の中の、さらにトップ層がベスト選手たちです(断言)

ただ、それらの選手はもちろんそれなりにバックボーンの競技を生かした戦い方もするし、それぞれに個性があるけれども、レベルが高くなりすぎて、たとえばレスリングの選手もパンチ、キックはディフェンス含めて鋭いし、キックや空手出身の選手も十分に寝技に対応したりタックルを切ったりします。


それは、UFCと契約する前に大方の選手は各国のローカル大会(RIZINも大きくいえばそのひとつです)で王者になるレベルだったり、あるいは生え抜きでもリアリティショーと育成をかねた番組「ジ・アルティメットファイター」で実戦機会を得ているからです。
なんといっても試合数がいちばんの経験になります。


ただ、今回表題に挙げた中では所英男をのぞくアーセン山本、才賀紀左衛門、RENA、山本美憂とも、MMAは雑賀が数試合経験している以外はアーセン、RENAがRIZINで一試合、美憂が今回デビュー戦という経験の浅さです。

ではどうなるかというと、それぞれのレスリング、空手(K-1)、シュートボクシングといった「バックボーン」を前面に出して戦うことになります。
いわゆる「異種格闘技戦」のような形です。

それは初期のUFCが看板にしながら、いまのUFCでは上記のような「最高峰」になったために構造的に見られなくなっている試合であり、ここでRIZINは結果的にすみ分けていることになります。もっとも日本では、同じコンセプトの「巌流島」という大会がありますが、まあ考えにいれなくてもいいや(笑)。

では、どうなるのでしょうか。
過去の試合では、本当にどっちもほかのことを知らないようなレベルで異種格闘技戦をすると、打撃系より寝技系のほうが強い…と、一般的にはいえそうです。
一、二発のキックやパンチが当たるのは耐えて、強引にタックルなどにいくと簡単に倒れ、あとはその状態のまま、寝たままで相手を殴っていく…のが黄金のパターンです。
ただし、今ではそういう構造は知れ渡っていて、キック系選手も「相手のタックルに倒れない(いわゆる「タックルを切る」)練習」「寝た状態になったらとにかくすぐ起きる」という練習だけに集中し、その状態で戦うことも多いのです。
RENAの1試合はともかく、才賀紀左衛門は数試合の経験があります。そこでどうなるでしょうか。


所英男vsクロンの場合は、やや異なっていて、所は本来は寝技寄りですが、すでに数え切れないほどのMMAを経験し、DREAM王者にもなった完成されたコンプリートファイターです。年齢的にはすでにベテランの粋。
クロンはたしかこれでMMAは3試合めです。経験の差は歴然です。
ただし、クロン・グレイシー…あのグレイシーの一族、というよりヒクソン・グレイシーの息子というべきかもしれません。
この人は柔術のほうの実力がある。何しろ組技では青木真也に一本勝ちするレベル。アブダビコンバットでも優勝。


そしてブラジリアン柔術も、たしかに一競技ではあるものの、一番格闘技の中で「総合格闘技のときにはどう技術を応用するか」を想定して研究しているのです。それは前身というか、流派拡大時期に「バリツーズ」「NHB」という他流派との、制限の少ない状態での戦いがあったゆえですが。
そもそも前回クロンは山本アーセンにまあ圧勝でしたが、解説や実況は「アーセンはデビュー戦!それでここまでやるなんてすごい!」言うてたけど、クロンも2試合めでしてね(笑)。まあグラップリングのプロ試合は経験してたし、それも加味すればちょっとアドバンテージあるけど、まだ経験を積んで総合選手にお互いが脱皮していないい時点での柔術の優位性も示していたと思う次第です。


そして父ヒクソンは、面白いことに「クロンには経験を積ませたい。相手は慎重に見極める必要がある」と”過保護”っぷりを示しているのです。
なーんだと興ざめするかもしれませんが、逆にいうと「クロンと闘う相手は、あのヒクソンが”勝機あり”とみなしたということ!果たしてそれは正しかったのか?」という興味がおまけについてくる(笑)

所英男よりややクロンが体格的に上回っている(はず)ことや、年齢・スタミナの差なども焦点になるでしょう。
そういうアドバンテージで「圧倒的なMMAの経験差」を乗り越えられるか??


そんなところが、RIZINのみどころだと思いますです。