http://www.cnn.co.jp/tech/35023846.html
これも保存しておきたい
(CNN) 米東海岸に大きな被害をもたらした温帯低気圧「サンディ」の通過とともに、インターネットの交流サイト(SNS)などには「神」を巡るさまざまなコメントが書き込まれた。
まず目立ったのは、「神の加護」を祈るメッセージだ。ニューヨークの街やニュージャージー州の海岸の惨状が伝わるにつれ、「アラーの神よ、人々に安全を」「無事を祈ります、アーメン」と、宗教や国籍にかかわらず、世界各地から祈りの言葉が寄せられた。
(略)
一方では少数ながら、サンディを「天罰」「神の審判」とみる声も上がった。フェイスブックには「神様はすべて覚えている。あなたたちのNATOがわたしたちを爆撃した。今度はそちらの番だ。セルビアより」「他者の宗教を見下し、他国を破壊し、アフガニスタンやリビア、シリアで多数の人々を殺した罰だ」などの書き込みがあった。
これに対し、神の存在を否定する意見や、「神様のせいではない」との見方を主張する人もいて、CNNのコメント欄では激しい論争が繰り広げられた。
フェイスブックには「祈りなど役に立たない。本当に手を差し伸べたいと思うなら、支援物資を送ったりボランティアに出かけたりするべきだ」との声が寄せられた。「サンディは天罰などではない。気候変動の問題を議論しようとさえしない私たちの態度が浮き彫りになっただけ」というツイートもあった。
http://d.hatena.ne.jp/maukiti/20121103/1351870801
にあるように
まぁうちの国でも某おじいちゃんが言ってましたし、何処の国でも変わらないなぁと生暖かい気持ちになってしまいますよね。結局のところ、そうした言説の裏にあるのは仮想戦記への揶揄*1じゃありませんけども「天が不満に思っての罰」ではなく、「当人が不満に思っていることへの罰でしかない」わけで。
こっちは地震についてだったが、あっちでハリケーンについて語っていたら文字通り「嵐を呼ぶ男」に・・・フキンシンでした。
もうひとつの話題。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE89N05V20121024
[インディアナポリス 23日 ロイター] 11月6日の米大統領選と同時に行われる上院選に米インディアナ州から出馬する共和党のリチャード・モードック氏が23日、「レイプというおぞましい状況から始まった命ですら、神のお導きである」と発言して物議を醸している。
同州ニューアルバニーで開催された候補者の討論会に出席したモードック氏は、人工妊娠中絶について問われると、「長い間、中絶に関して答えを見いだせないでいたが、命は神からの贈り物であり、レイプというおぞましい状況から始まった命ですら、神のお導きであるという考えに至った」と答えた。
この発言について、対立候補である民主党のジョー・ドネリー氏は討論会後に声明を発表し、「モードック氏の発言は不快で、彼がこのようにレイプ被害者を冒とくするとは驚きだ」と批判。
モードック氏を支持する広告を前日に出していたロムニー大統領候補の陣営は「ロムニー氏はモードック氏の発言には賛成せず、彼の考えを反映するものではない」と強調した。
モードック氏は声明で「神が生命を創造するということが言いたかった。神はレイプを望んでいないし、私は決してそのようなことを意図しなかった」と釈明した。
さて、これは政治的には批判を浴び、発言者が落選するなり何なりすればカタがつくし、実際この候補者はアホなんやろが・・・「キリスト者の内部的な論理、見解」として、この見方(神学)は否定されるのか?それが少々わからない。
てか、逆の表現をすると「レイプの結果妊娠し、生まれた子供は神からの贈り物でない子供」なんだろうか・・・?
なんか逆の表現をすると、いきなりウッと詰まってしまうな・・・
こういう話題って、触れないのが一番安全な気もしてきたが・・・でも重要な部分だからあえて書き進めよう。
自分も適当に宗教書(というより宗教史の書)を読み散らかしたレベルでの話だが「全知全能、すべてを支配下においた万能で万事『計画通り』の神様」というチートで厨二な設定をすると・・・「じゃあこの世のすべての悪も不幸も、その全知全能の神さんがやってることになるじゃん。ひどい神様だよ!この悪魔!!」という、矛盾した答えに行き着きますよね??
いやいやそれは違うというのがいわゆる”旧約”聖書の「ヨブ記」らしいが・・・
http://www2.plala.or.jp/Arakawa/job23.htm
「我々は神から幸福をいただいたのだから、不幸もいただこうではないか。」(旧約聖書ヨブ記・2章10節)
ぶっちゃけ、やだよそんなの(笑)。
石原慎太郎が震災について発言したときも、これを引用したな。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110317/p1
そこでもリンクを貼ったが、サウジアラビアの王族が9.11テロを受けた米国へのお見舞いの言葉として公式に述べた言葉がこれだ。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101220/p7
全能の神は、その英知で、このような災難(※9.11テロ)が起こることを許すことにより、信仰を試されました。しかし、慈悲深い神はまた、私たちがこのような悲劇を素晴らしい業績に変えることができるように、そして人類の衰退の危機を前進の機会へと変えることができるように、信仰によってもたらされた意思と決断を下されました。
これが国から国への公式のお見舞いになるなら、災難が「テロ被害」ではなく「レイプ被害」のとき、こう言ってOKになるか? よく読みなおすと、これは失言のようにも見えるのだが・・・
ようは、一神教の神様って、よく名人が自分ひとりで碁を打って局面を「ふーむ・・・」と考えてるようなもんで、黒が勝つのも白が勝つのもあんたがやってることっしょ!と突っ込まれる存在なんと違うんだろうか。
だから江戸時代、熱心なクリスチャンから「転向」した不干斎ハビアンですらこうツッコむ。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080311/p4
この人がその「破提宇子」の中で書いている。
「デウスの賞罰については堯・舜(中国の聖なる伝説の王)という『人王』すら聖王賢君が民のために仁愛の政治を施いたのに、デウスが勝手に無数の人間を作成しながら『地獄に堕し、一日一月の間のみか、不退永劫の苦に苦しみを受けさせするを大慈大悲といえるか否か…』」
「彼は『ルシヘル』を創造しながら、その堕落を予見しえなかったデウスの無能力さについて『知らずんば三世了達の智と云へるは虚談なり。又知りながら作りたらば、慳貪(けんどん)の第一なり」と批判し、さらに人間の祖とされる「阿壇(アダン)」と「慧和(エバ)」」の失楽園の説に関して…(略)…神の戒めは「誠に笑具の第一」で…るしへるの場合と同様に、全能のデウスがアダムとイブの堕罪を予知できぬのもおかしく「知りたらば慈悲ノ上より科に落ちぬ了見を、アダン・エバに教えらるべき義」
「でうす天地の主ならば、我作り出したる国々を脇仏にとられ、天地開闢より以来、法を弘めさせ、衆生済度させ給うこと、大きなる油断なり」(デウスさん、アンタがこのへん一帯シメてるつーのがフカシじゃないんなら、何でこのへんをザコの仏陀どもに仕切らせてるんスか?マジ、信じられねーんすけど)
まあこれに関しての答えは
「神様は全知全能、なんでもお見通しでコントロールも可能だけど、あえて人間の自由意志に任せることもできるんです!」というのがいちおう正統な答え・・・でいいんですかね?
三浦綾子さんがそういってた。
■「神様が全知全能なら、なぜ人間に悪をさせるの?」という問いにキリスト教はこう答えている(三浦綾子)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101224/p7なぜ神は、人間を神にそむかぬ者につくらなかったのか。わたしたちは幾度でもこう思う。だが轟勇一著「真100の質問」には、適切な比喩で次のように書かれている。(※つづきはリンク参照)
まあ、これはこれでつじつまがあう。
その神が与えた自由を無駄に使って、黄金の牛をつくってソイヤソイヤと暴れみこしをしていれば、神は「ばっかもーん!」と罰を与える、と。
さきほどのレイプの問題でいえば、レイプ犯は神に自由意志を与えられ、その自由意志を神の愛と寛容さにそむく形で不幸にも使い、神が禁じる罪を犯してしまった。
その罪の結果、あとは物理的なあり方として妊娠という残念な結果に至ってしまった。
だから、レイプの結果妊娠された胎児は、神からの贈り物でも何でもないのである、と。
・・・・わたしたち一神教の門外漢(不幸な無明の不信心者)は「そもそも全知全能の神、という存在自体がいねーんじゃないですか?」という別の答えを導き出せるし、それで万事解決できる。
だがその前提を信じる信者で、その上でリチャード・モードックの「レイプというおぞましい状況から始まった命ですら、神のお導きである」という信仰を間違った狂信だ、と否定する人たちは・・・「神学」的には、こういう解釈でいいのですかね?
再紹介の自作SF「〜出生前診断、ある記者会見」&「夜回り先生」
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120912/p3
に書いた”SF小説”
および
このこと話すの 先生がはじめてだよ・・・
俺の母ちゃんは 生まれつき 目が見えないんだ
俺を産んだのは21歳のとき・・・・・俺は その・・・母ちゃんが 通勤の帰り道にレイプされて・・・ それで妊娠して・・・
周りからは中絶しろって 強く言われたらしいんだけど・・・実家を出て産んだんだって。
うちの母ちゃん すごい人なんだ。 こんな・・・産まなくていい俺を産んで 育ててくれてさ・・・
- 作者: 土田世紀,水谷修
- 出版社/メーカー: 小学館
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