http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120927/p1
の記事と合わせて読んでみてください。
ゴン格ではロンドン五輪の不振を受けて、松原隆一郎教授と、「e−JUDO」編集長の古田博司氏の対談がある。
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2012/09/22
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まず、このe−JUDOなんだが
http://www.ejudo.info/
https://twitter.com/eJudo
で展開されている。
自分はあっ、速報があるとtwitterを何の気なしにフォローした、程度の知識しかなかったが、実はネットメディアという小回りの聞くフィールドを活用して「サッカー並みに『語る、読む』ことを楽しめる柔道」を目指すという無謀な・・・いや壮大な試みだ。うるさ型の松原教授らもすごく楽しんで読んでいるという。
ちなみに編集長は亡命チベット政府の要人SP指導教官を務めるという「法王猊下の柔道家」でもあるそうな。まあこれは余談。
いろいろと面白いことは多いのだが、まず前回の記事を受けてロンドン五輪と日本不振について、問題点を箇条書きします。
・ビデオ社会、ネット社会では情報は共有され、相手に研究される。五輪前の大会には「出るリスク」「出ないリスク」がある。世界選手権に序列をつけ、もし「五輪で勝つ」が最優先なら(そうでない、という選択肢も当然ある)そこから逆算して出場大会を選べ。合宿もしかり。
・そして鍛錬期と勝負期を分けるカタチで。フランスはそうやっている。その鍛錬期に、こっそり新しい武器=「プラスα」を隠し持つというやり方はトップレベルで競っている中ではとても重要。これで快進撃をする選手も多い。
(※「帯をギュッとね」後半に出てきた「ひとり一個の”裏技”の習得」だ・・・)
・上の主張の補足として、今回世界選手権王者は世界的にも金メダルを取れなかった。これは、選手がマークされる、研究されるリスクの証明だ。
・ちなみに、事前ランキングと五輪結果の対比という面でいうと、実は「男子底上げで健闘、女子こそ実績に結果が伴わず」なのだ。柔道ランキングをひとつの基準で見るなら自然とそうなる。男子に期待するほうがおかしかったのです。
・監督、幹部はこの序列、スケジュールつくりが重要になる。そしてその戦略、価値観はある程度公表しないと、見る側もつまらない。サッカーの「強化のためにこういう戦略だ」という語りに学べ。
・今は「俺たちが考えている、まかせろ」状態。任せるにしても、何を考えているかいいなさい。
・だから、まずは強化委員がロンドン五輪の反省と改善点を語る長文レポートを提出せよ。全柔連は公益財団法人。4年間のプロジェクトには説明責任がある!そして本来なら「柔道を語りたい」と思っている、在野の柔道経験者や柔道ファンを盛り上げる材料にもなる
いずれももっともだと思うのです。
最後に、松原氏の篠原信一氏を含む指導陣への評価を。
「自分が指導者としてどうあるべきかという視点がなく、ただ選手の頭を抑える印象があります。選手に対して厳しいことを言うのならば、自分に対して倍厳しい言葉を言う。選手の中には試合を終えたら柔道人生を終える人もいるのだから、試合前の鼓舞する言葉とはちがう、かけるべき言葉はあるはずです。そういう言語も持たず、レポートも出していないのでは柔道会は厳しい状況・・・(略)・・・上層部の人事に関しては私は単純に変わったほうがいいと思います。2回惨敗しているのだからどうしても責任はある。選手は負けたら終わりです。篠原監督は世界選手権で負けたときと同じように五輪後も『見返したい』と言っていましたが、選手だってそれは見返したいですよ」
もうひとつ、対談には興味深い内容があったが・・・これは別の記事として、後日語ります。