INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「手作り、まちぐるみ」の総合格闘技興行。そして「格闘技」だからこそ…(公武堂ファイト)

ここに2階席からの映像だが、試合がUPされている。
http://www.youtube.com/playlist?list=PL0BB06E7C9999074F
縁あって、遠い名古屋だが「公武堂ファイト」を観戦したなりよ。
方針がかわり、まもなく格闘技・プロレス興行が行われなくなるZEPPの、ZEEP名古屋にて開かれた大会。ラウンドガールが入場口で出迎えをしたりと、小規模だからこそ一人で何役もやらなきゃいかん、というところが、いかにも地方小興行らしいっちゃらしいのですが、それは良さも生み出しているのですね。

特筆すべきなのは、属人的に意外なところが普通以上になっているというか・・・小さい規模だからこそ、あることを担当する人は一人で全部やるような形になって、その人のやる気や才能があると、ポンとそこだけたやすく突出してしまうのね。
今回、初めて会場用の無料パンフをもらったのだが、それが無料なのに何ページにもわたるカラー版で、選手のキャリア解説や試合のみどころも非常に充実していたのであります。実際、この手がかりが無かったら楽しみ方はかなり減ったでしょう。
前日のDEEPディファ大会を見て、そのパンフを持ってきてた人もいたけど、はっきりこっちより詳しく豪華なものでした。
(これは予算配分の問題であり、一概にどっちがいい悪いではないが)


解説は「ファイスパ管理人 キサキ王子のここが見所」というタイトルだった(笑)。
公武堂TVではかつて、映像中継の技術担当で、梅村寛選手や長谷川社長にさんぜんネタにされた「王子」ですが、実はこういう作業が本来の持ち場なのかなと。細かい選手の名前や所属名、写真の選定など簡単じゃないことが多かったと思うがみごとでした。(※このへん、あとの追記参照のこと)
そういえば、試合を撮影しネットに映像を置くのだって、権利問題とかいろいろあるとは思うがやっているところは少ない。これも公武堂は何気に、属人的にやれる人材がいるからそういうサービスをできているのだ。


興行終了後入り口でお会いし、以上のことを述べたら
「それをブログで書いてください」
と言われたので書きました(笑)。
【追記】木部亮選手本人からtwitterで。

https://twitter.com/KB_SPLASH/status/227605010442231808
木部亮 ‏@KB_SPLASH
@gryphonjapan
観戦ありがとうございました。パンフレットの件、見所はキサキくんですが、全体の作成は僕です。そこのところをはっきりしておいてもらわないと、僕が拗ねます。よろしくお願いしますm(_ _)m

失礼いたしました。
なんなら表紙のど真ん中にご本人の写真をいれればよかったのに(笑)。

【さらに追記】

木部亮 ‏@KB_SPLASH
@gryphonjapan ありがとうございます。引用されると恥ずかしさが半端ないですね…写真のくだりですが、ポスター、パンフレットを作る時は自分が選手、もしくはその身内だった時に、貰って嬉しいものがいいなと思って作ってます。だから自分含め誰かを推しすぎるのは嫌なんですよ。
真面目に答えちゃってすみませんf^_^;)ちなみにキサキくんには「パンフレット俺の代わりにやって」って言って五回くらい断られてます。試合前だときついと思うこともあるけど、基本的に楽しい仕事です。材料さえすんなり揃えば…

試合はハッピーエンドにならず。「でも」ではなく「だから」格闘技。

DEEPフライ級王者は今後、公式王者として活躍する形になるが、トーナメントの一回戦も決勝もこうやって地方に持ってくることができた。
そして、東京の格闘家をトーナメントから実力で排除し、名古屋をはじめとする地方拠点の選手がベスト4を独占。名古屋でジムを構え、絶対的な人気を誇る木部亮選手もいた。
今回チケットを取ってくれた、グラップリングによく出る方が解説してくれたのだが「やはり4人の中で、彼が実力的には抜きん出ている」とのこと。
準決勝は弟子の加藤直之が元谷友貴(石川県のジム)と対戦、木部は崎村暁東(シュートボクサー兼総合格闘家)と対戦。
木部選手はテイクダウンから危なげなく1R圧勝、弟子の加藤は元谷に敗れるも時間一杯までねばった。ダメージの差は大きいはず。
お膳立ては完璧。
しかし・・・試合自体は短いので直接見てほしい。

圧倒的な声援を浴びる地元のヒーロー、技術的にも実績的にも下馬評では圧倒、このトーナメントの立役者、準決勝のダメージ差、弟子の奮闘・・・すべてが収斂されていくような世界を、一発でひっくり返されたのだ。


また、もうひとつ、こんな場面があった。

ここにあるように、格闘家が恋人に試合後プロポーズをしたのだが、となれば普通、勝利の雄たけびを上げたあと、だと思うでしょ??
ところが映像にあるように、今回、選手は惜しくも惜敗、だけれどもプロポーズした・・・というね(笑)
勝ったのに先に退場した篠川キャベツ選手には気の毒。
「キャベツだけに添え物」とヒドいことをいう人もいた。
いた、って俺だけれども。


ただ、どちらも、「だけど格闘技」ではなく「だから格闘技」なのだと思う。おらが村の英雄が勝てばそれは一番なのだろうけど、負けても、見に来てくれた人・・・特にマニアではない層・・・に「だから格闘技なんだよな」と思わせることはできたと思う。それは公武堂ファイト、と公武堂TVが、積み重ねてきた歴史でもある。

だから、上記の2人の敗戦選手にはやはり「おめでとう」と言わせてもらおう。一人はご結婚に、一人はこの軽量級トーナメント(というかフライ級の新設自体)を成し遂げた功績に。

そういえばこの2試合も紹介したい


後楽園やディファ有明で行われるどこの試合とくらべてもひけを取らないド迫力試合。


これはグラップリングマッチで、覆面の選手は現役の「coco一番屋」店長だという。試合は一本で決まったが、むしろ試合後マイクに注目。立て板に水の丁寧で滑舌のいいセールストークは、内容ははっきりしているが覆面だけに、まさしく「ステルスマーケット」である(笑)
俺はこの選手に対し「トッピングのチーズが高いよ!!」と野次をとばしていた(笑)