ようやくkamiproを読み始めた。
三沢光晴急逝を受けたプロレス特集、とくに「レスラー」に絡んだ話にも触れたい点が多数あるが、一番面白かったのは、石井慧とフィル・バローニ(2人は仲良くなり、いまやフィルの家にイシイはホームステイ中)の対談である。フィルは試合での来日予定もないし、石井のデビューもまだ決まっていない、本来なら「無印」な記事なのだが、かなり巻頭に持ってきてるのは聞いた内容に手ごたえを感じてのものだろうし、実際に面白かった。もともと「筋肉三兄弟」のしゃべりにはなぜかハズレが無いのだ。
そして石井が付き合い始めた新鮮な目で、彼や彼らの愉快な言動を報告しているのもいい。
※その固有名詞の出し方がナイスだよ、ブラザー。ちなみにフィルにとってはアオキもキタオカも「つまらない寝技」扱い
・フィルから石井へのアドバイス2
「おまえは腕が太いんだから、アピールするためにノースリーブを着ろ」→石井は自分のTシャツの袖をすべてはさみで切る(笑)
※プロレスラー的な発想だねえ。見た目を気にするのはたいへんいいこと
・二人のストイック生活
フィル「俺は怠け者ですぐビール飲んだり、ジャンクフード食ったり、練習サボったりするが、イシイはストイックだから、一緒にいてすごく自分のためになる」
石井「いや、自分は柔道時代の癖で『練習やるか?』にNOと言えなかったんです。最近はNOと言えるようになったし『チキンと卵の白身だけじゃなく、たまにはビーフ食べたい』ともいえるようになった」
フィル「俺も石井が、時々練習がつらいと聞いてほっとした」
※いかにも、アメリカ人のうちにホームスティした日本人の典型だねぇ。こういうことはどこにも、ままありそうだ。
コールマン哀歌
さて、UFC100のWOWOW放送では残念ながら未放送に終わったが、マーク・コールマンがイキのいい若手ステファン・ボナーに勝利した。
バローニは例によってセコンドで大騒ぎしてたそうだ。
フィルいわく
昨日はコールマンにとって負けられない試合だったんだ。彼はあの歳だし、前回のマウリシオ・ショーグン戦に負けているから、今回負ければ契約を切られる可能性があった。でも、切られたってヤツは、サラリーマン生活を送ったことがないから仕事が無い。(略)
だから今回は練習でも「勝つぞ!」じゃなくて「ノー・モア・ナイン・トゥ・ファイブ!」(9時から5時までの仕事=サラリーマンなんてご免だぜ)って言って盛り上げたんだ。
ノー・モア・ナイン・トゥ・ファイブ。
いい言葉です。俺も言ってみたいものよ。つうかファイブで帰してください(涙)。
んで、タイトルの話だが、フィルがいうには
前のワイフは娘に「あなたの父親はダメな男だ」って教えているんで、コールマンは娘に嫌われるのがさびしくて仕方がないんだ。
と。
試合に勝った後、コールマンはロッカールームに戻ってすぐ「俺はルーザーじゃない。お父さん、勝ったぞ!」って娘に電話してたよ。コールマンは「俺は負け犬じゃない」と娘に証明したんだ。
とフィルは涙ぐみながら語ったという。
フィルはまた「ロッキー5」だよ!と言っているが、後半で特集されている「レスラー」にこそむしろ当てはまる部分も多いのではないか。
しかし、いい話ではあるが、コールマンの元奥さんがひどい女性であるかというとまた別で、フィル自身が「コールマンはPRIDE参戦時に、日本人の彼女がいた」とか暴露しているしな。
実はゴン格でも、コールマンをテーマに巻頭コラムを高島学氏が書いている。
だけどゴン格によると、彼女が経済的に困窮している今、ふたたびコールマンと彼女は同居しているそうな。
また、よりが戻るかもしれない。
よりを戻しつつ「パパは負け犬よ」といい続けてるのかもしれない。
それに望んでいなかったであろうこどもを、結果的に今はオヤジは溺愛している。
これもまた、どこにでもあり得る、夫婦と家族のひとつの光景なのかもしれない。
ごめん今テキトーにまとめた。
あと、本人が無計画だったのかもしれないけど、PRIDE常連で元GP王者であっても、貯金で暮らしていくような生活は送れないんだねぇ・・・
ちょっと思い出した漫画
こっちの場合は「ちゃんとした社会人もできる人」があえて・・・という話ではあるが(笑)
ja.wikipedia.org
2024年追記、この「男の自画像」はいま、1冊数十円で電子書籍化。大変いい作品です、一読を