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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

数日遅れでのDREAM感想

ひさびさに、見るまでの情報遮断なんてことをやったり、ちょっとネット自体を丸々見られない日もあったりで、皆さんの感想なんかもぼつぼつと読ませてもらっている格好です。

それもほどほどにして、生でおどろき、感動したものを順番に。各順番がそのまま私的インパクトの順番です

1・所英男がビッグ・カムバック!!一本で復活勝利

それほど所英男に肩入れして見ていたわけではない。というのはエイブル・カラム、この前の一試合を見ただけだが、関節など「日本風」の闘い方をしている選手でなんか好感度が高かった(外国人のプロレスラーの中で90年代、全日本流に対応できた選手への好感に近い、というと分かる人もいるだろうか)。それに何より「なんか分が悪そうだから、勝つというより何とか健闘してくれればいいんだが」ぐらいで見るように意図的にしていたところがある。あんまり事前に所のことを書かなかったのもその部分。


それが、大いに攻めたり攻められたりで盛り上げた末に、はっきり一本勝ち。地上波ゴールデン放送があるときに、これが出来る所の強運よ(この試合地上波放送あったんだよね?情報遮断ゆえ伝聞のみ)。合同練習のフリをして、DJ.taikiの運勢を8割がた吸い取ったと見た(笑)。DJは当分、道に落ちているバナナの皮に注意したほうがいい。
以前、ペケーニョに所が勝利した直後、「所はこのペケーニョ戦で一生食えるべきだ」と書いたことがあったが、さすがにそれはムリだった。しかし、所はこのエイブル戦で、今後3年はさらに食えるはずだ。
そもそも所の試合ってなぜもこう面白いのかね。
それはかなりの部分で「ポジションをがっちり固めない(られない)で仕掛けていくから」「一度下の体勢になったところから、関節技の仕掛けや体を捻るなど、強引に上を取り返したり逆転する技(力ではない)があるから」なんだろうけど、もう少し技術に詳しい人が、「技術と面白さ」の関係について解説してほしいところ。



補足で、さらに三つ。
■負けたけれど、エイブルは(DEEPを含め)今後も使ってほしい。所に自分から足関を仕掛けにいくアメリカ人MMAファイターなんて、そうはいないよ。

■「前田日明再生工場」が今回も成功、前田の指導によって復活した(としてくれ)。まあ実際に動き続けるスタミナも今回の所の勝因に思えるので、有無を言わさず体力練習をやらせる前田トレーニングも奏功した、のでは。 では。

■あと、試合前に「今回のD.9では所英男に注目せよ」とメディアで言ってたのはほぼ唯一?堀江ガンツ氏(kamiproMove)。
私はそれ読みつつ「うわー、注目集めたら、かえって負けたときのダメージ大きくなるのに。ここは地味に地味に扱ったほうが・・・・」とか思っていたのでした(笑)。先見の明、おそれいりました。


2・高谷裕之前田吉朗に一発のパンチで逆転KO勝利

「仁義無き闘い」をモチーフにした、抗争アングルはシュートボクセvsBTTのあの時代も思い出し(このへんの悪乗りから、佐藤大輔に注目が集まってきたっけなあ)、凄く楽しめました。
試合前に「バチバチの殴り合い」という話になったから、暗黙の了解的に、どっちもパンチやキックだけの約束事が出来た上での単純などつきあいになるんじゃないか、と心配だったので「二人の『総合』を見せてほしい」としたが、その要望はかなってテイクダウンもそこから立ち上がる、再び寝かせる攻防もあった上で、パンチの攻防で決着したのはうれしかった。


しかし結果は残念。全局面・・・意外なことにパンチの打ち合いも含めて、前田が先手先手をとっていった感じだったが、結果から見てしまうとその高谷の”後手”もあのワンパンを呼び込むための準備だったような気がする。
ああいう一発を当てれば、それまでの先手後手もクソもない、というあれで。これまで何度もKO勝利をしてきた前田のパンチも、一発という点では後塵を拝するのだろう。
総合では前田が一枚上だったが、喧嘩では高谷裕之が上(※三崎和雄理論のアレではない)だった・・・・というのは煽り的なレトリックとしてはぜひ使いたいところだが、実際チーム黒船のマロン山田理論もあるのだろう。
今後発売される雑誌の、技術解説が楽しみな一戦でした。
あと前田は、WECに続き助演男優が板についてきたな、かっこ苦笑。
PRIDEからの流れでいえばやはり1勝3敗、うち1判定勝ち(それも微妙)、2KO負け、1一本負けは厳しい数字だ。
良くも悪くもメジャーの負けも勝ちも大きい。
もう一回、どこかで巻き返しのチャンスをつかむことができるか。



3・まさかの視聴率16.2%

http://www.kamipro.com/news/?id=1243399838

「昨日はドキドキして眠れなかったんですがあらためて数字を発表させていただきます。昨日は『二大格闘技祭り』ということでボクシングから『DREAM.9』にバトンタッチしたんですが、ボクシングが20.4パーセント。『DREAM.9』は16.2パーセントでした。当初、目標にしていた 15パーセントは越えて非常に高い数字をたたき出すことができて、本当にホッとしてます。」


「瞬間最高視聴率は19.1パーセント、所英男の試合と山本“KID”徳郁の試合中に叩き出した。「総合格闘技でいうと、大晦日を除けばこの数字はベスト3に入るんじゃないですか? 過去のイベントの平均視聴率と比べても高い数字でしたね」


久米宏ら、民放の夜のニュース番組がNHKの牙城を繰り崩し始めたとき、NHKで迎え撃った平野次郎というニュースキャスターがいたのだが、この人がNHK内部の体験談を書いたことがあった。
「視聴率が高い番組の関係者は胸を張って廊下の真ん中を歩く。低い番組は隅っこを小さくなって歩く。これは比喩ではなく、物理的に、実際にそうなっているのだ」という。あの公共放送・NHKにしてからだ。


では全日ほぼ一桁という、すげえレコードをたたき出しているTBSで、DREAM担当者は今回肩で風切って廊下を歩けるだろうか。
いや、営業さんが格闘技担当者の靴を磨いてくれるかもしれんな。
いや、DREAM担当者がボクシング担当者の靴を磨くのが先か(笑)。


4・カンセコこそ本当のプロだ、と思った。