PRIDEおよび「やれんのか」統括本部長だった高田延彦は不参加だという。
個人的にはそれはいいことだと思っている。
何度も折に触れて言ってきたが、俺は高田延彦がリングでぐだぐだ言うあれ、一分下さいとかいって二分も三分も喋るようなあのおしゃべりに感心したことは一度も無かった。あと「解説じゃなくて感想だ」という解説席も、TKらの理論派を引き立たせる力もあるが、だからと言ってもなあ。
あれは現役を引退した元スターが、「それでも目立ちたいよ」と枠を作ってもらったもんだと思っている。
あれが無くなったら、個人的にはたいへんすっきりするわ。
もちろん、ハッスルにおける「高田総統」は大ヒットキャラクターであり、あちらで才能を発揮している。そっちに集中してもらえればいい。
ただ、だれかが物まねするような、DREAMといったらこの人!みたいなマスコットがあればそれはそれで重宝するだろう。(高田のオーバーアクション的決め台詞は「アントニオ猪木の代用品」として作られた面も強い)それは代わりに誰か、何かを探してもいいと思う。
前田日明の「THE OUTSIDER」
大会自体は、前田日明の仕事としてやらないよりはやったほうがいいとは思うけど、これでちょっと思い出したのはかなり初期の「グラップラー刃牙」にあった、不良を評するこの一節。
チャンピオンといえば昔は竹熊建太郎氏もパロディのねたにしたぐらい不良ものが柱の雑誌で、ここでこんな議論が出てきたのは一種のパラダイム転換だった気がする。
(もっとも、雑誌のテイストがこの後大幅に変わったわけでもないし、アスリート側ではない「不良」「侠客」の強さや凄み、魅力を、当のバキの中でもたっぷり導入。柴千春という名キャラクターも生んだ)
これは自衛隊でレンジャー経験もあり、ボクシングでは国体まで行った作者ならではの極論で、不良不良といっても、人知れず鍛錬して汗をかいている人もいようし、もしくは街の生き残りの中で上まで行った人間は基本的な運動能力は優れているだろう(高谷裕之なんて例もある)。
ただ、それと普通のジムで普通に練習をずっとしてきている選手では、平均値や確率としてはいい選手の率は後者のほうが高いと思うんだけどな。そうすると、「不良」をキャラクターとして打ち出すような色物っぽい展開や「ガチンコファイトクラブ」のような演出重視になりかねないという気はする。
ここで、チャンピオンになるような人材を前田日明が発掘したら面白いのだが、上手く行くだろうか。
そういえば昔、GRABAKAにいた佐藤って選手が「アマチュア上がりの僕たちとパンクラスの道場で育った選手が戦うとすぐ「エリートvs雑草」とかいいますけどとんでもない。アマチュアで一からやるというのがどれだけしんどい『下積み』かってことですよ。道場からプロになれるなんてそのほうがよっぽど恵まれたエリートだ」と言っていた。