小泉改革は、その是非はともかく、それまで、日本の舵取りを仕切ってきた「官僚システム」独走を、その圧倒的なリーダーシップで、みごとに封じ込めることに成功しました。いやむしろ、それができたからこそ、小泉改革は成功したと言えるのかもしれません。
たとえば、事務次官会議を公然と無視したり、郵政民営化反対の局長級職員を更迭したりと、これまで「不文律」とされてきた官僚の領域へどんどん手を突っ込んでいきました。
トップダウンによる官邸主導の政策と人事権の行使、やはり官僚にとっては、これが一番利いたのでしょう。
公僕と言うよりは、むしろトップエリートの集団としての官僚組織は、ある意味で独善的であり、であるからこそ無謬性にこだわってきたわけですが、確かにそのような「気位」が、明治の時代や敗戦以降の日本を今日まで押し立ててきた原動力のひとつとなったことは紛れもない事実でありましょう。そして、この有能な集団がなければ、日本は今日の経済発展も国際社会での地位も得られなかったであろうことは、想像に難くありません。
しかしながら、近年ではよく「国益より省益」などと言われますが、天下国家を構想しているように思われてきた官僚も、実はわが身大事の「事なかれ主義」であることが、90年代後半以降、露になった諸々の不祥事で明白になりました。官僚に限りませんが、やはり組織人として天下国家より以前に「人事」に関心が向いてしまうのは人の情けかもしれません。
ここにきて俄かに注目を浴びている「天下り禁止」と「新人材バンク」導入については、既に官僚サイドからの巻き返しが入り、早くも「骨抜き」か?などという声が聞こえてきています。
小泉流の継承者を自負する安倍総理は、はたして、小泉総理よろしく、この状況下で果断なリーダーシップを発揮することができるのでしょうか?その手腕が試されています。
しかしながら、この「天下り問題」は、単に「官僚の天下り」=「悪」という単純な問題ではなく、むしろ、有能な人材をどのように国家の運営に携わらせ、この国の舵取りを政治と共に行って行くのか?
新たな政官のあり方にもつながる問題なのです。この10年で政治は大きく変わりました。
遅まきながら、官僚の世界も大きな変化が求められていると言えるのではないでしょうか?
そこで、今回の「朝まで生テレビ!」では、「激論!官僚国家、日本のゆくえ」と題して、この天下り問題を入り口に、日本の官僚システムのありかたと、これからの日本のゆくえについて徹底討論します。
司会: 田原 総一朗
進行: 渡辺宜嗣、長野智子
パネリスト: 片山さつき(自民党・衆議院議員、党広報局長)
山際大志郎(自民党・衆議院議員、党広報本部報道局長)
馬淵澄夫(民主党・衆議院議員、党国会対策副委員長)
江田けんじ(無所属・衆議院議員)郷原信郎(桐蔭横浜大学教授、元東京地検検事)
齋藤健(前埼玉県副知事、元経産省課長)
須田慎一郎(ジャーナリスト)
寺脇研(京都造形芸術大学教授、元文化庁文化部長)
二木啓孝(ジャーナリスト)
ムルアカ(神奈川工科大学特認教授、国際政治評論家)
山田厚史(朝日新聞編集委員)
若林亜紀(ジャーナリスト、元特殊法人勤務)
実につまらなそうです。郷原氏が来てるなら緊急にテーマを変えて「どうするTBS!」にでもすればいいのに。アフリカではよくあることですよ(ムルアカ談)。
「TBSがテーマ。いいじゃねえか。俺も今夜、変えようと思ってたんだ」
と田原が言う(妄想)