アメリカ保守界の”反逆のカリスマ”ラッシュ・リンボーとは何か?(序説)
アメリカの保守層5000万人に号令をかける男、
リベラル派からは悪魔のごとく憎まれ、また恐れられる男・・・
それがラジオ・パーソナリティのラッシュ・リンボー(Rush Limbaugh)だ。
・・・と、かっこよく書いたけど、ラッシュ・リンボーのことよく知りません(笑)。
はてなダイアリーに登録して、町山智浩ブログを定期的にチェックするようになり、もともと興味があった、
「アメリカの一般社会における思想動向・・・
特に保守vsリベラル、または世俗vs宗教、
カウンターカルチャーvsモラルの対立」と
いうのをさらに知りたいと思うようになった。
そうすると、どうしてもあちこちで目に付くのが「ラッシュ・リンボー」という名前なんだ。
たとえば「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」の監督マイケル・ムーアはその著書の中で、数回にわたりこの人物の名前を出しているはずだ。もちろんネガティブな文脈だけどね。
しかし例えば「アホの壁 inUSA」(柏書房)で、ムーアは提唱する「マイク市民軍」(←市民軍=ミリシア。オクラホマで爆弾テロを起こしたミシガン・ミリシアのように、基本的には極右だが、反政府的傾向も併せ持つため、ムーアは皮肉とユーモアを込めてリベラル的市民軍を提案している)の入隊資格のひとつとして
敵の動静を知るため・・・・彼らの書くものがどうして多数のアメリカ人に受け入れられるのかを理解するため・・・・週に一回はラッシュ・リンボーを聞くこと
をあげているのだ!!(328P)
とりもなおさず、あのムーアが、「多数に受け入れらている保守派の代表」
として挙げている男が、このリンボーだというわけだ。
ね、少し興味が出てきたでしょ?
そういえばムーアは、ディズニーが華氏911の公開をしないことに関し
「政治的に偏った映画を配給すると一部の顧客に不快感を与えるので、わが社にとって利益にならない」(註:ディズニー言い分)
ふーん、〈ディズニー〉は政治的に偏ったコンテンツを提供しないんだ。ショーン・ハニティのラジオ番組を配信しているのは〈ディズニー〉だけどね。ぼくが毎日聞いているラッシュ・リンボー(訳注5)のラジオ番組も〈ディズニー〉傘下のWABCでやってるし。
とも言ってるな。政治的に偏っていることの代名詞でもあるわけだ。
実は小生がこの名前を知ったのは最近というわけではない。最初に知ったのは、産経の古森義久氏が週刊文春に連載していた「USA通信」。この連載も今にして思えば共和党びいきの古森氏と、民主党びいきの青木富貴子氏が交代で執筆という、なかなかクロスファイアなものだったが。
そこで古森氏は、「全米世論に影響を与える保守派の新ヒーロー」という形でいち早くリンボーに着目していた。たしか急進的女性団体を指して「フェミナチス」という言葉を作り、相当はやらせたとかいう挿話も紹介されていたな。同時に愛嬌もあるとか。
それが妙に引っかかったのはなぜか。
彼は「ラジオ番組が中心」と書いていたのだが、ラジオDJが、言論状況に影響を与えるという構図がよく分からなかったんんだよね。その後、広大なアメリカではラジオ放送がいまだに大きい影響力をもっていることを聞いて合点したのだが。
のちに彼の本の日本語訳が出た。
「アメリカのビートたけし」と副題のある、「俺が正しい!!」という扇動的なタイトルの本で、あまり評判にもならずに消えたはずだ。
だいぶ昔に読んだものなので記憶もあいまいだが「電話中絶」とかいうコラムを書いてたはず。
当然中絶に反対のリンボーが、賛成派の電話を受け付けて丁々発止やっているところに、いきなり電話が中絶機械の騒音とともにスーッと消えてく・・・という話だったかな。
要は、リンボーもムーアも、自分たちの政治的主張をエンターテインメントの文脈に乗せることが極めて巧みであり、それゆえにリンボーは数々の舌禍事件
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/06/post_5.html
にもかかわらず、いまだに人気が絶大だというわけだ。
彼の人気やその思想、軌跡というものを追っていけば、かなりアメリカ社会の深層に迫ることができるのではないか、とゆうのが俺の問題意識なのだが、なにしろアメリカ人が「ヒロシ・クメ」や「ロクスケ・エイ」、「ヨシノリ・コヴァヤシ」の情報を集めようとしてもたぶん苦労するのと同じように、ここでいろいろ調べても視点や資料が限られてくると思うんだな。
で、「はてなダイアリー」内でこのように書くことで、リンクやキーワードを駆使して、より賢く詳しい人の知恵を拝借したいと思う次第。
今わからないのは、彼はレーガン革命の「息子」(結果)なのか
「親」(原因)なのかだ。知っている人はご教示ください。
ちなみにグーグルによる「ラッシュ・リンボー」の検索結果はこれ。(日本語で356件は多いか少ないか・・・)
http://www.google.com/search?q=%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%AA%
E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC&ie=UTF-8&hl=ja&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
「小室直樹と落合信彦と広瀬隆を足して3で割った男」(←スマン)副島隆彦氏も、米国のアカデミックな思想家紹介と並行して、大衆的知識人紹介に努力している功績は疑い得ないところであって、こいういう本でリンボーを紹介している。
リンボーは位置的にはリバタリアンに近いとか。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062563347/ref%3Dnosim/yasui-22/250-5979779-
8805810
彼の公式サイトは
http://www.rushlimbaugh.com
ここを読めばいいのだろうが、英語キライ(笑)。
TV局の米国特派員がこれだから、ブログを当てにするんだよ
http://www.smn.co.jp/kanehira/
はいはい、ここでも取り上げたカネヒラさんですね。えーとレーガン神格化に異議申し立てと。
へい、目の付け所は良いとしましょう。で、その異議申し立ての中身は・・・
「冷戦の終結は、それこそ東側世界に住んでいた人々の血と汗と涙によってもたらされたのだ。この元映画俳優の大統領の果たした役割によって冷戦が終結したのではない。真の歴史の「正史」は、こうして葬られようとしているのだ。」
なんだよ、「血と汗と涙」って。具体性のかけらもないのみならず、じゃあなぜその「血と汗と涙」は、祖国の体制を立て直すことでも東が西を呑み込む形でもなく、レーニン・スターリン体制の崩壊という結果に終わったのか、その説明すらできまいに。
ボスの筑紫哲也が、それなりに潔くレーガンに対して思想的白旗を揚げた
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040608#p4
というのに、この青年将校はまだ宮城を占拠して本土決戦に挑むつもりか(笑)。
そして「ロックは牙を抜かれた」という懐かしの不平不満を口にして、持ち上げるのがマドンナつーオチかよ。
いやいや日本も牙を抜かれてない若者はおりますよ。
「俺はいつでも戦争反対!」と訴えてた窪塚くんとか(笑)
最後に金平さん自身の言葉を引用しよう。
健全な肉体には健全な反抗心が宿る。
エディ・ブラボーが高瀬の寝技を「ブラボー!」と褒める(?)
http://hinerin.blogspot.com/
・・・・ブラボーに、例の高瀬のガードについて聞いてみる。「タカセ! 俺が推察するに、彼は俺のファンなんじゃないか? 彼は自分を進化させようとしてるよね。彼は俺の試合を見て、動きを学んでると思う。そーでなければ・・・・・・・」
さて、なぜひねリン氏がエディのところを訪れたか?
彼のコンサートでも聴きにいったか?まさか。
『「エディ・ブラボーの秘密兵器」ことビースト・オズィンガを取材するために』だ。
でも、どこの雑誌の取材だろうか?