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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

我々はタモリの「牧師の(怪しげな)日本語説教」芸に喝采した筈だ。これは終わるのだろうか


笑っていいとも '89 クリスマス特大号オープニング
ワターシハ アメ―リカから来て、3年目の牧師。ニホンゴ、あまり得意ではアリマセン。
アシタ会では…いや失礼、教会では(教会を「今日会」と誤解し、さらに今日と明日を混同したというギャグ)

(※(中略)、日本ではクリスマスが世俗化していることを嘆き)
そんな人は、悪人というよりも、ゴザ…あ、失礼、むしろ(敷物のゴザとムシロが、形状がそっくりなので言葉も間違えたというギャグ)罪人です。
そんなやつらは、地獄へ落っこち中国、あ失礼、落っこちチャイナ。(中国とチャイナの混同ギャグ)


笑っていいとも!'97 クリスマス特大号! (タモリ牧師~ウキウキWatching特大号!バージョン)

ようこそここにくくくっく。(※「桜田淳子の歌とひっかけている)
ワターシハ 日本に来て、3年目の牧師。
(略)
まずは福田和子のアイサツ、いや失礼、時候(※ジコウ=時効とひっかけている。福田和子という犯罪者が、時効ぎりぎりで逮捕されたという当時の時事に絡めたギャグ。)のアイサツ…

この、タモリの伝説的な至芸をいまさら紹介したのは、もちろん先日、この記事がバズったゆえである。
wezz-y.com


それへのはてなブックマーク
b.hatena.ne.jp



ちなみに、紹介したyoutubeの最初の映像では、かの「お笑いモンスター」明石家さんまが、「なにが中国、いやチャイナや、うしろで笑ってしもたわ。はずかしい」「そうでゴザ…むしろ。 …ようアンタ、まじめに考えてきましたなアレ」などと語りかけるシーンもある。
これは称賛なのか、あまりにベタであることをひそかに批判したのか、はたまた、こういう笑いがポリコレに反することをひそかに批判したのか…と、そこはわからないのだが、よく考えたら三番目の可能性は、さんま自身が「キャバクラのフィリピンから来たホステスが、あまりにシンプルな日本語=『来たか』『座れ』『飲め』といった、タメ口の命令形だった」というのを面白おかしく描写していたので、ありえないのだった。


年代を見てみると、最初の映像は1989年。平成が始まり、冷戦の崩壊、竹下内閣のリクルート問題から始まり首相が三人交代、消費税導入、宮崎勤事件、コンクリート詰め殺人事件、天安門事件ベルリンの壁崩壊…


下の映像は1997年。前年に発生したペルー大使館人質事件が突入で解決。サッカーでW杯初出場決定、英ダイアナが交通事故で死亡、アジア通貨危機


どちらも30年〜20年以上経過している。
かつてはこういうのがお笑いになる未開野蛮の時代だったが、今や人権意識は高まり、このような笑いを許容しなくなってるのだ…というなら、まぁ分かる。タモさんそもそも、お馴染み名古屋ネタDisりに始まり(「翔んで埼玉」、はこの系譜の末裔にすぎぬ)

パラリンピックの表彰式」
君が代が流れたら、みなが直立不動になる中、『つい来てみた』というかたのご降臨。『まだ〇〇には渡さぬ。』(※昭和時代の話です)」
など、いろいろポリコレというかコンプライアンス的にあれなヤバ芸がある。


でも「笑っていいとも」が終了した5年前の2014年、牧師の説教芸も含めてタモリの過去芸は結構紹介され、みな咎めなかったんじゃなかったかな?


根本的な考え方

言葉や発音の言い間違えや訛りも、またその言い間違えや、あるいは外国語が偶然まったく別の意味につながることも、ツボにはまれば笑いを誘って、面白い。
中井番組も、単純な「日本語が流暢でない」という話でなく、「釣り銭」の間違いの「ずり銭」が、やや品が無い俗語と重なることや、通常の価格提示で言われる「〜円です」が、サービスや割引の時に使われる「〜円でいいです」と偶然重なったから、ギャグ、笑えるネタとして語られた。


これはある意味でどうしようもなく「自然(じねんと呼んでほしい)」の話であって、それ自体が善とか、悪とかいう話とはちょっと違う。


たとえばこれ、おもしろない?

togetter.com
ケンクマ2等兵 @kenkuma4985
昨日得意先の先の方(フィンランドの方)にお会いした。30代中頃の美人。名前が「ヘンナ・アホ」さん。隣で上司が吹き掛けたが、上司は自分の脚を思いきりつねって耐えた。しかしその女性は自分の名前が日本でネタになるのを知ってて「ちなみに母はミンナ・アホです」と被せ上司は撃沈した。

そこのコメント欄より

うまみもんざ @umamimonza 2017年6月24日
あ、あとこいつ忘れてた、Wikipedia警察のひとに「個別記事を作る価値のある著名人ではない」と何度記事削除されても、なんJ民の異常な熱意で英語版より詳しいページが作られ続けたマイナーリーガー https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3

ほかにも、名前などが偶然、面白い日本語と重なってしまった…ってだけで、はてなで受けた(バズった)話題もいろいろあったはずだが思い出せん。
ここらへんで警察のネズミ捕り宜しく待ち構えて「はい、笑った人は他文化を見下し嘲笑する反ポリコレ分子です」と取り締まってもいいのだが、ちゃうねん。

f:id:gryphon:20190304115607j:plain
あずまんが大王「ちゃうねん」(大阪弁ギャグ)


それで、「トリモロス」という言葉でですね、いま、まさにですね、検索した、わけであります。

blog.livedoor.jp


政治家と滑舌、という話は、わたくしも同じ対象者をひきあいに出してネタにした。
m-dojo.hatenadiary.com
いや…ネタというより、当時(今でも)ほんとにわからなかったんだよな、あの言葉!!

【自民党 新CM(30秒Ver.)】「日本を、取り戻す。」

だが、外国でコンビニの店員を務めるのと、母国で総理大臣をやるのとどちらが難しいかは別として、「言葉が笑いになる」という点では同じだ。笑うのは外国人コンビニ店員なら許され、首相なら許されない、もおかしいし、その逆もまたしかり。

このひとなんか壮絶だぞ

金丸信 - Wikipedia
テレビ朝日の金丸番記者だった三反園訓(現・鹿児島県知事)によると、リニアモーターカーを「リビア」、パラボラアンテナを「バラバラ」と呼ぶなど、非常に独特な言い回しをすることがあり、その言葉の意味を訊ねると「君も学がないね」と返したという。三反園はそれらの言い回しを「金丸語」としている。


ようは、その笑いを、その水準にとどめることが肝要なのではないか。


多くのコラムを書いた南伸坊の…書名は確信が持てないが

シンボーの常識

シンボーの常識

だったと思う(確率は50%ちょっと)。ここで読んだ話…だったと思う。

結構有名な話なので、別のところから元ネタを紹介する。

1960年のオリンピックのローマ大会の水泳400メートルリレーで富田一雄という選手がいた。
彼が泳ぐと「カツオ!カツオ!カツオ!」と観客からの大声援・大合唱が凄い。というのは、イタリア語でcazzo(カッツオ)って“おちんちん”のことを指す。だから、「おちんちん、おちんちん。ガンバレー!!」などと大声援で盛り上がり、その合間にクスクス笑いとか大爆笑も伴っているわけだ。
富田選手も当初は自分の人気に気をよくしていたのだが、後刻自分の名前のイタリア語での意味を知り愕然&悄然。
カツオ、カツオ、カツオ | 砕け散ったプライドを拾い集めて

※富田一雄でなく、高石勝男説もある。


南伸坊は、中東でスイカのことを「ヘンダワネー」と呼ぶ、という話も紹介していました。
matome.naver.jp


ただし、そのエッセイというのは、前回のコラムに抗議を受けて謝る文章でありました。
その前回コラムというのは当時、それまでは韓国人の名称を、メディアや政府も、漢字を日本語読みにしていたのを、現地の発音に合わせるという変更を行ったこと(全斗煥大統領来日に合わせてのことなので、1984年とわかる)に関して、ある友人が、「それには賛成だ」と語った…という話。
その理由が「日本の漢字読みだと、韓国人の名前は病気の名前と混同してしまう」というもので、例として
チョウ・ネンテン

イ・カイヨウ

などを挙げていた。「そんなのと混同するわけないだろう…」と周りの皆がツッコむというオチだったのだが、さる団体のエライさんたちが集団で抗議し、南氏は次のコラムで謝った、というわけ。その時に「カツオ」や「ヘンダワネ」の例を挙げて、「ぼくはそういう面白さをかきたかったのだけど、とにかくごめんなさい」と謝った、という内容でございました。

当時から、だからこういう笑い自体が不謹慎で失礼だ、という議論はあったわけで、とかくややこしい。

dic.nicovideo.jp

その後の関連史料