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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「日本最大の格闘技団体」の称号は、後楽園の満員連発のKrushに。その秘密は「非競技性」?

というわけでえ、DEEPをうちはDREAMなきあと(おいおい、またやるよ。たぶん。)「日本最大のMMA総合格闘技)団体」とよんでおり、横浜文化大会を開くときは時々THE OUTSIDERをそう呼んでいます(笑)。要はあまり厳密に定義してないで、気分でこの称号をつける。
んだが、そろそろ「総合」をとると・・・

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/fight/headlines/article/20130523-00000004-spnavi
 立ち技格闘技イベント「Krush」の2013年ナンバーシリーズ第4戦「Krush.29」(6月16日、東京・後楽園ホール)の立見券が、わずか発売開始1時間で完売した。

 2008年に旗揚げされたKrushは、各キックボクシング団体の有力選手が団体の垣根を越え多く参戦し、各階級の王者を決めるトーナメントを実施、また海外の強豪選手が出場し海外団体と交流するなど、魅力あるカードを提供。着実にファンを増やし、今年1月には国立代々木競技場第二体育館で初のビッグイベントを開催し、会場を超満員にする大成功を収めた。
 続く3月20日、5月12日に後楽園ホールで行われたナンバーシリーズもいずれも完売札止め。そして今大会は、大会1カ月前の5月16日に同大会を主催する株式会社グッドルーザー取扱分の指定席券が完売となり、今回の立見券も1時間で完売するなど、Krush史上最高のチケット売れ行きを見せている・・・

自分はKrushの会場行ったことないし、放送局がサムライTVではない関係であまり見ないけど、第二次UWFが最初、週刊プロレスが表紙で「前売り券が完売 いったいどうなっているのだ・・・」とその”事件”を報じたことが大ブームのきっかけとなったことはふっるーい化石ファンは覚えているだろう。
Krushも「満員札止めがつづく人気」であること自体が話題になりはじめ、その話題を見た人が「へー、人気なのか」と目を向ける循環ができてきてる・・・この話、前回の「公武堂TV」でも出たね。

さて、そういうことで「Number」の公式サイトにもこの話題が載っている。書き手は橋本宗洋氏。

■観る側”を徹底的に意識した興行で、立ち技格闘技Krush札止め続出!
http://number.bunshun.jp/articles/-/450073

ここでも冒頭は「人気になっていること自体がニュースである」として、連続満員のデータを示している。

Krushの好調ぶりに拍車がかかっている。1月14日に初のビッグマッチ、代々木第二体育館大会を開催。その後1月26日、3月20日、5月12日と3回行なわれた後楽園ホール大会は、すべて超満員札止めになった。

 6月16日の後楽園大会も、開催1カ月前の時点で指定席が完売・・・(略)「最近、特に増えているのは会場販売の数字です。試合を見たお客さんが、帰る時に次回大会のチケットを買っていかれるんですよ」

 そう語るのは、Krushの宮田充プロデューサー。会場で次のチケットを買うということは、その日の満足度が高かったことの証明・・・

さて、
だが一転して、この後は競技性と興行性、というおなじみの”格闘技白熱教室”をにぎやかにさせ続けている問題の、考察材料のひとつとなる話題だ。
すなわちこういう命題。
Krushは、『激しい試合で観客を満足させろ』『ただ勝つだけでは駄目』ということを選手に求め、勝つだけでは上にいけない。だから人気になった」
これは主催者が明白に認めているから間違いないのだろう。

「ウチに関して言えば、5位の選手より2位の選手のほうが偉いってわけじゃないんです。ファイトマネーにも反映されない。選手に目指してほしいのはあくまでチャンピオンベルトとメインイベント。ランキングを少しでも上げるために手堅く勝とうっていう試合では、お客さんも面白くないでしょう。だからやめちゃいましたね、ランキング制は

 勝ち負けは評価の一部分。敗北を喫し、タイトル戦線から遠ざかったとしても、インパクトを残せばしかるべき“場面”が与えられる…大会が終わった夜、パンフレットを眺めながら“よき敗者”にどんな展開を作るかを考える時間が一番好き…

マッチメイクには明確で残酷な“差別”がある。Krushの試合に“激闘”が多い理由を、宮田はこう説明する。
「“なんでアイツは毎月のように試合が組まれるのに、俺は4カ月に1回なんだろう”と思う選手もいるはず。その理由をちゃんと考えたら“勝てばいい”では済まなくなってくるんじゃないですかね」

うーーーん。
どこだって、こういうことはある。世界最高峰を誇り、競技性の確立でも自慢しているUFCだって、わるぐちとアピール力が加味されてチュール・ソネンはライトヘビー級に挑戦できる。「UFC解雇チャート」では「4連敗した→あなたはダン・ハーディですか?→違うなら解雇です」と皮肉られるような、「激闘ファイター優遇枠」がある。
 
に、しても。
それを完全に認め、団体のスタイルとして前面に出すと・・・「じゃあ手堅く判定を狙ったり、ポイントを稼いだ後の最終ラウンドは守りを固めて勝ち続ける選手は、タイトル戦線にはいかないのですか?激闘を見せて連敗する選手より評価されないのですか?」という疑問が出てくるが、それは「毎月のように試合が組まれる」←→「4カ月に1回」というマッチメークで評価されるのだろう。
マッチメークはプロモーターの権利であって、手堅い試合で勝ちまくる選手にオファーを出さず、派手な試合で負け続ける選手にオファーを出しても”競技性”はぎりぎりのところではセーフセフ、・・・かなあ(笑)? ここが難題なのだが・・・
 
まあそれだけが理由ではないに決まってるし、上のNumberコラムでもほかの営業努力について語られている。トークショーや握手会に呼ぶ、(たぶん無理をしてでも)公開の場で前日記者会見を開いてソネンばりの”トーク力”やファッションを選手に鍛えさせる・・・どれも他団体にも参考になるかもしれない。
さらにいえば、記事にも「負けたらタイトル戦からは遠ざかる」的になことは書かれているしね。案外、ここに手堅い判定勝ちを狙っていることをアピールする、全盛期の郷野聡寛みたいな人材がいたら、逆にkrushで目だって人気が出たりする逆説だってありえる(笑)

ただ宮田氏のような、こういう面白い…「珍しい」のではない。実は広く言われている思想だけど、それを”純化”させた哲学として公言する人はまれだ。
たとえば、この宮田充プロデューサーはこの前のDEEPのメインイベントで議論が沸騰した「北岡悟の30秒」をどう評価するか。逆に北岡悟青木真也が、上の橋本コラムで引用された宮田充Krushプロデューサーの言葉をどう捉えるか。それを想像するだけでも興味は尽きない、面白い記事でした。