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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

パンクラスが「新メディア戦略」発表。お金があるならどうぞ。無いならやめとけ。

http://efight.jp/news-20130327_14325?utm

パンクラスが3月27日(水)都内ホテルにて記者会見を行い、新しいメディア戦略ブランド「MMA ドキュメンタリー HYBRID」を立ち上げたことを発表した。

 この戦略ブランドは、パンクラスに参戦する選手を3つのコンテンツで表現するというもの。1つめは映画。ドキュメンタリー映画パンクラス MMA ドキュメンタリー HYBRID」…

 2つめはフリーマガジン。ボクシングフリーマガジン「PRAY」を発行する株式会社DreamPackersと提携し発行。創刊号は3万部・・・

 3つめは写真集。パンクラスオフィシャルカメラマンによる1大会1万点の試合写真から80点の写真を厳選したもの。

どれもそれ自体は悪いことではないだろう。あるよりはないほうがいいだろうただし「費用がかからないなら」。これは聞く限りでは、どれもパンクラス(酒井代表?)からお金が出て行って、この仕事をやる人におかねが入るようなお仕事のようである。まあドキュメンタリー映画を作りたい!という外部のX氏がいて、その人がパンクラスにオファーをして、パンクラスがお金を貰ってその映画つくりに協力しよう、という形じゃ無さそうだよな。フリーマガジンも写真集もしかりだ。

してみると、要は「大家さんの義太夫」なわけだ(はたちすぎて落語を喩えに出すってどうよ)。
http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/05/post_ca9f.html

ある商家のだんな、
下手な義太夫に凝っている。

それも人に聴かせたがるので、皆迷惑。

今日も、
家作の長屋の連中を集めて
自慢のノドを聞かせようと大張りきり。


http://www.geocities.co.jp/Hollywood/6684/nedoko.html

【大家】
おい、定や、今日は大勢お客さんがお見えになるんだから、あたらしい揃いの座布団を出しときなさいよ、いいかい。ぺちゃんこの擦り切れたようなのを出すんじゃないよ、ふっくらとして、脚が痛くならないのを出しておくれ。今日は長丁場なんだから...高座の前にちゃんと並べて敷いておくんだ。

え、なに? 師匠がお見えンなった? では奥へお通しして、お茶を差し上げてお待ちいただきなさい。お菓子や何かはいいかい? お菓子、届いたのかい? 料理の方は? うんうん、仕出し屋から料理も届いたし、料理人も来てる...あぁ、そっちの方は抜かりはないな...

【客(店子)】
あぁ、こりゃいいお酒だ。よく吟味してあるからものが違う。うん、いいお酒だ。実にたいしたものだ。こんないいお酒を出して、料理を出して...うん、この料理だって、たいしたもんだよ。ちゃんと料理番が入ってるんだから...

え? なに? ご馳走だけで、義太夫が無ければいいって? ...それは云いっこ無しだよ。そんなことはみな、分かってんだよ。楽あれば苦あり、ということで堪え忍ぼうとしてるんだから、云ったって仕方の無いことは云うのよそうじゃないか..


(註:談志版「寝床」はかなり変則的です。もっとスタンダードな語りもyoutubeにはたくさんあるのでそちらもどうぞ)
わたしゃ、オーナーにはいばる権利、目立つ権利があると思っています。オーナーがこれに投資したら、金銭的に倍に…とは言わないまでも、銀行預金の利子以上になって戻ってくるってものでもないんですから。オーナーはサイフを薄くするかわりに、リングにたってマイクを握るか、雑誌インタビューに登場していい気分で「わたしの格闘技論、プロレス論」を語る、そんな権利を買ったのだと。
かのピエールさんも、買収記者会見では「わたしもキックボクシングをやっている」と語りいい気分で格闘技論を語っていた。まさに「夢を買っていた」。うまいなどうも。それでピエール、次の日程は??
 
ま、そういうわけで、お金が儲かるなら…あるいはおこづかいの範囲でも出費ならかまわないし、ある意味「格闘技周辺」?が潤うことに変わりない。「パンクラスのフリーマガジンの仕事なら俺にやらせてよ!」的な人もほかにいるかもしれないがそれはまあよし。

ただ、この事業内容を聞く範囲では、「お道楽にしてはちょっとお高いのではないでしょうか…」と番頭さんの顔が青くなるような、そんな気がする。ドキュメンタリー映画製作一本で、何回クレーンカメラをレンタルできるか。北座席の人はがまんしなさい。
映画作りですよ。
黒澤ばりに「太陽にかかる雲の形が気に入らない。今日は撮影中止だ!何日でも粘るぞ!」みたいな費用もかかるんですよ(映画監督に対する偏見)。
私は映画の出来も、フリーマガジンの品質(以前まさにパンクラスは、会場内でフリーパンフレットを配っていたが、紙の質も内容も非常にすぐれていた)も、写真集の芸術性も気にならない。ただひたすら、その費用と、それをサイフ、いやちがったオーナーが笑って耐えられるか、だけが気になるのである。