上記「漫棚通信」の最新エントリから。
http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-b6a3.html
■ののちゃんと震災
・・・朝日新聞『地球防衛家のヒトビト』では、防衛家のオトーサンオカーサンが被災地を訪れ、夫婦漫才をくり広げている最中ですが、いやー、しりあがり寿の「マンガにおける」腰の軽さはすばらしい・・・(略)こういう大災害(※東日本大震災)は、フィクションに昇華するまで数年かかるかもしれないという題材なわけです。しかし即時性・・・実際に被災地を訪問して「ルポルタージュふう新聞四コママンガ」を・・・
さて、朝日新聞のもうひとつの新聞マンガ、いしいひさいち『ののちゃん』。
これまで震災にノータッチだったののちゃんですが、2011年5月11日掲載の4908回で初めて震災を題材にしました。しかもむちゃ高度なフィクション化の手法で。(略)
舞台は晴天の日、海の見える公園。「紫雲出山丸沈没事故10周年慰霊祭」が開催されて・・・(略)
「あれから10年たつのに現場の風景とかぜんぜんかわらんな」
「うん……」
そして「ママー」と泣き出すロカに対して「かわらんのう」とつぶやく柴島姉。
四コママンガとしてオチてません。ある種のスケッチです。『ののちゃん』世界の10年前には大きな船の事故があったらしい・・・(略)
いしいひさいちは東日本大震災を直接描くことをしませんでした。その代わり「10年前の大きな事故」を描いたのです。10年たてば関係者はみんな元気でやってるよ。みんなあなたたちのことを忘れてないよ・・・(略)
「地球防衛家」「ののちゃん」のふたつとも、最近多忙で読むのがとびとびになっていた。地球防衛家は震災後の余震、買いだめ、デマ、原発危機などをいちいちすばらしい嗤いに昇華していたが、ルポまで始めたのか。
あの震災から2カ月、事実と地続きのエッセイ漫画はもちろん、本来フィクションの世界の漫画も含めいろいろな作品が大震災に触れるようになってきている。
あとで、一覧みたいなものも作ってみるかね。
個人的には、そのスピードに驚愕してブログで紹介した「アオバ自転車店」( http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110404/p3参照)のほかに、宮城県在住だったかな。モーニング「とりぱん」、別の意味(原発問題はいかに?)で注目を浴びていた(笑)「社長 島耕作」、ちょっと軽めにスケッチしていた「深夜食堂」などが印象に残った。
追記 「震災漫画リスト」
■「東日本大震災を直接描いた漫画リスト」
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110810/p3
というものを以前から作っており、現在も随時更新をしています。
よろしかったらご参考にしていただくほか、他に情報があれば教えてください。