http://d.hatena.ne.jp/lutalivre/20140608/1402201734
4R。またパンチからダブルアンダーフックに入りテイクダウンを狙うベンヘンだが倒せない。離れる。アッパーから左を打ち込んだベンヘン。効いたか背中を見せたハビロフ。ベンヘンすかさずバックに回るとチョーク!速い!完全に入ってハビロフタップ。中盤までは互角の攻防だったが、最後に前王者に力の差を見せつけられたハビロフ。ベンヘンはUFCで初の一本勝ち。
UFCで勝利を重ねて前王者との対戦にまでこぎつけた選手を「無名」というのもアレだが、創世記のMMAから「ロシア人など旧共産圏の選手が、なんだかわからん強さを見せ付けて勝ちあがる」光景は要所要所で見られていた。MMAのセオリーも知らないか、本当に身に着けていないから、レスリングやサンボの、MMA基準から見れば「ド派手」な技で勝利し、インパクトや幻想が肥大していく…という場面もね。
ヒョードル。ハリトーノフ。ウマハノフ。レミギウス。アルロフスキー…。
戦っていくうちに、その勢いが消えるものもあり、逆に近代MMAに対応して勝ち続けるものあり…。
そんな流れの中にハビロフもいるかと思われた。
実戦でジャーマンスープレックスを使う、ジャーマンクラブ会員でもあるわけだし。
実際、そこにジャクソンズMMA流の手堅さもインストールされ、すっごいそういうロシア幻想の贔屓目だけど、3Rまでは互角以上に戦っていた。
だがUFCでは彼にとって未知のラウンドとなった4R目…。
ベンヘンは見事なパンチの連打を打ち込み、そしてそこから流れるように極めたチョークで一本。いや、本当に「ながれるように」でそこに切れ目が無い。
いわゆる既存の組み技競技には無い未知のセオリーで「絞め技をもっとも効果的にかけるには?打撃でひるんだときに絞めればいい」というのは、まあすごいしその通りで(笑)。
逆に打撃格闘技にも「打撃でダメージを与えた後のとどめは?そりゃ、首を絞めればいい」というのは無いわけで。
そんなオールラウンド型の前王者に、善戦むなしく敗れたハビロフ。しかしまだ試合数も少なく、年齢も若い。いくらでも伸びしろがある。
この一敗から、何を学ぶかに期待したい。
しかし、第3、第4のロシアンファイターが、今後も現れるかもしれない…
いや?ロシアンではない??
Dropkick
ロシアン・ガイが北米MMAを絶賛侵攻中!「戦争に比べればMMAはマシだ」■MMA Unleashed
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar487492
アドラン・アマゴフ、ルスタム・ハビロフ、アルベルト・ツメノフ、ハビブ・ヌルマゴメドフ、オマリ・アクメドフ……
ここにきてUFCにもベラトールにも、なぜかロシアンファイターが大挙来襲するようになってきた。
ところが、多数のロシアンファイターがアメリカでの拠点としている、ニュージャージー州フェアフィールドの「K Dojo Warrior Tribe」ジム主宰のムラット・クシュトフは、「ロシアン」という呼び名は間違っていると語る。
「私がアメリカに来た頃にも、どこに行っても周囲の人から、『ロシアン・ガイ』と呼ばれていた。そのたびに私は、自分がロシア人ではないこと、実際にはどこの出身であるのか、何がどう違うのかを丁寧に説明した。だれもが話は聞いてくれた。でも話を聞き終わっても、やはり私は『ロシアン・ガイ』のままだった」
「いまUFCやベラトールに来襲しているファイターたちは、ほとんどが北カフカース出身だ。9割方そうじゃないかな」とクシュトフは語っている。
カフカス!!!
この言葉を聴けば、自ずから居住まいも正そうというものだ。
これについては後日かきたい。
そして、彼らはいう。
試合前の控室で、アマゴフがあまりにもリラックスした様子だったので、試合の前はいつもこうなのかと尋ねた。するとアマゴフは、「私は7年間、テント暮らしでした。その間、ロシア人が上空のヘリコプターからずっと発砲していました。それに比べれば、ケージの相手はたかが人間ですよ(笑)」と答えたのだという。