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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「無名ロシア人が何だか分からんが勝っちゃう」幻想、久々に見られた…けど、やっぱりUFCの壁厚し。

http://d.hatena.ne.jp/lutalivre/20140608/1402201734
4R。またパンチからダブルアンダーフックに入りテイクダウンを狙うベンヘンだが倒せない。離れる。アッパーから左を打ち込んだベンヘン。効いたか背中を見せたハビロフ。ベンヘンすかさずバックに回るとチョーク!速い!完全に入ってハビロフタップ。

中盤までは互角の攻防だったが、最後に前王者に力の差を見せつけられたハビロフ。ベンヘンはUFCで初の一本勝ち。

UFCで勝利を重ねて前王者との対戦にまでこぎつけた選手を「無名」というのもアレだが、創世記のMMAから「ロシア人など旧共産圏の選手が、なんだかわからん強さを見せ付けて勝ちあがる」光景は要所要所で見られていた。MMAのセオリーも知らないか、本当に身に着けていないから、レスリングやサンボの、MMA基準から見れば「ド派手」な技で勝利し、インパクトや幻想が肥大していく…という場面もね。
ヒョードルハリトーノフウマハノフレミギウス。アルロフスキー…。
戦っていくうちに、その勢いが消えるものもあり、逆に近代MMAに対応して勝ち続けるものあり…。


そんな流れの中にハビロフもいるかと思われた。
実戦でジャーマンスープレックスを使う、ジャーマンクラブ会員でもあるわけだし。
実際、そこにジャクソンズMMA流の手堅さもインストールされ、すっごいそういうロシア幻想の贔屓目だけど、3Rまでは互角以上に戦っていた。

だがUFCでは彼にとって未知のラウンドとなった4R目…。
ベンヘンは見事なパンチの連打を打ち込み、そしてそこから流れるように極めたチョークで一本。いや、本当に「ながれるように」でそこに切れ目が無い。
いわゆる既存の組み技競技には無い未知のセオリーで「絞め技をもっとも効果的にかけるには?打撃でひるんだときに絞めればいい」というのは、まあすごいしその通りで(笑)。
逆に打撃格闘技にも「打撃でダメージを与えた後のとどめは?そりゃ、首を絞めればいい」というのは無いわけで。

そんなオールラウンド型の前王者に、善戦むなしく敗れたハビロフ。しかしまだ試合数も少なく、年齢も若い。いくらでも伸びしろがある。
この一敗から、何を学ぶかに期待したい。

しかし、第3、第4のロシアンファイターが、今後も現れるかもしれない…
いや?ロシアンではない??

Dropkick
ロシアン・ガイが北米MMAを絶賛侵攻中!「戦争に比べればMMAはマシだ」■MMA Unleashed
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar487492
 

アドラン・アマゴフ、ルスタム・ハビロフ、アルベルト・ツメノフ、ハビブ・ヌルマゴメドフ、オマリ・アクメドフ……

ここにきてUFCにもベラトールにも、なぜかロシアンファイターが大挙来襲するようになってきた。

ところが、多数のロシアンファイターがアメリカでの拠点としている、ニュージャージー州フェアフィールドの「K Dojo Warrior Tribe」ジム主宰のムラット・クシュトフは、「ロシアン」という呼び名は間違っていると語る。

「私がアメリカに来た頃にも、どこに行っても周囲の人から、『ロシアン・ガイ』と呼ばれていた。そのたびに私は、自分がロシア人ではないこと、実際にはどこの出身であるのか、何がどう違うのかを丁寧に説明した。だれもが話は聞いてくれた。でも話を聞き終わっても、やはり私は『ロシアン・ガイ』のままだった」

「いまUFCやベラトールに来襲しているファイターたちは、ほとんどが北カフカース出身だ。9割方そうじゃないかな」とクシュトフは語っている。

カフカス!!!
この言葉を聴けば、自ずから居住まいも正そうというものだ。
これについては後日かきたい。
そして、彼らはいう。

試合前の控室で、アマゴフがあまりにもリラックスした様子だったので、試合の前はいつもこうなのかと尋ねた。するとアマゴフは、「私は7年間、テント暮らしでした。その間、ロシア人が上空のヘリコプターからずっと発砲していました。それに比べれば、ケージの相手はたかが人間ですよ(笑)」と答えたのだという