和田氏はさすがに古くからの映画ファンだけあって、西部劇やミュージカルなど今はやや廃れたものに愛情が深い。
映画の「相互作用」・・・どの映画のどのシーンが、次のどの映画に影響を与えたか、という考察が、小難しい資料の提示や文献あさりでなく「体験談」として語れるのはこの人ならではか。
「カサブランカ」で、最後のシーンで警察署長がゴミ箱に投げ捨てるミネラルウオーターの瓶は「ヴィシーの水」であり、ヴィシー政権(第二次大戦中の親独政権)に叛旗を翻す・・・ということを象徴している、という話は、鴨下信一TBSディレクターの書いた「毎日がドラマ感覚」でも読んだことがある。
あれもいい本だったが、今は手に入らない。