4件目の違憲判決出ましたね
www3.nhk.or.jp
同性どうしの結婚が認められていないことが憲法に違反するかどうかが争われた裁判で、2審の名古屋高等裁判所は「同性カップルが法律婚制度を利用できないとする区別は、性的指向によって差別する取り扱いだ」などとして、憲法に違反するという判断を示しました。同様の裁判での2審の判決は4件目で、いずれも「憲法違反」という判断になりました。(略)
そのうえで、民法などの規定について「同性カップルが法律婚制度を利用できないと区別しているのは、個人の尊厳の要請に照らして合理的な根拠を欠き、性的指向によって差別する取り扱いだ」として、法の下の平等を定めた憲法14条1項と、個人の尊厳と両性の本質的平等を定めた憲法24条2項に違反すると判断しました。
判決の解説も残しておこう
性カップルが里子などを育てるうえでの具体的な不利益として、
▽子どもに医療行為が必要になった場合、親権がない人の同意によって子どもが医療行為を受けられるかどうかは、個別の医療機関の判断になることや、
▽子どもの進学についての同意や学校行事への参加の可否についても、学校の個別の判断に委ねられることなどを挙げました。さらに、▽子どもの実の親が死亡した場合、未成年後見人を指定する遺言が存在しなければ、子どもの養育が制度的に保障されず、生命や身体に深刻な問題が生じうるとしました。
そのうえで、こうした不利益は自治体の「パートナーシップ制度」などでは解消できないとして、「婚姻制度とは異なる制度を利用すること自体が、秘匿性の高い情報である性的指向をみずからの意思に反して開示することを求められるという、プライバシー侵害につながる危険性がある」などと問題点を指摘しました。
そして、「同性カップルが法律婚制度を利用できないと区別しているのは、個人の尊厳の要請に照らして合理的な根拠を欠き、性的指向によって差別する取り扱いだ」などとして、同性どうしの結婚を認めていない民法などの規定が、法の下の平等を定めた憲法14条1項と、個人の尊厳と両性の本質的平等を定めた憲法24条2項に違反すると判断しました。
さて、そんな中でこんな新書がある。注目すべきは、著者が「元最高裁判事」だということだ
元最高裁判事の千葉勝美が,同性婚を認めない現行法の憲法適合性を論じる.同性婚を認めない制度を合憲とするのが現在の判例である.しかし,昨今国内で係属している裁判の一部で,憲法への抵触を宣言するものが出てきている.憲法をどのように解釈すれば同性婚を実現できるのか.同性愛者の尊厳に向き合う,全国民注目の一冊.
で、新書と言えば…このムーブも覚えてほしい。いまや有名新書のレーベルの大半は「試し読み」ができる電子書籍版元と関係があり、とくにKADOKAWAブックウォーカーはページが多い。どうかすると「前書き」のほとんどが読めるのだ、と。
bookwalker.jp
ちょっと画像で抜き出し。

もうこのブログだけでも何度も書いたから省略するが
憲法24条1項「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」
とある。だが、こう書いてあるのは「想定していない」であり「禁止する」ではない、みたいな議論がある。
そっからはじまって、アメリカやドイツの例を紹介したり、そういう面もなかなか面白いけど、それを踏まえ、元最高裁判事としていよいよ満を持して、ではわが国ではどう同性婚を憲法上認められる(あるいは「認めないのは違憲」)とするのかの私見を著者は述べる。
※ここからは専門的な話も多いので、少々理解も及ばぬのだが
文理解釈!
憲法の変遷!
類推適用!!
華麗な技を次々繰り出し、なるほど、彼らがそういうワザマエ、ジツを繰り出してみれば、違憲論=サンは、もはやハイクを唱えセプク!となるかもしれない。


…だが、そこで自分はあの「第3のビール」を巡る日本の失敗を思うのだよ
m-dojo.hatenadiary.com
・日本では、「第三のビール」「発泡酒」が隆盛を極めている。
・それは麦芽の割合が低いと、日本の酒税が安くなるからだ。
・日本のメーカーは膨大な開発費と、優秀な科学者、技術者の血のにじむような努力研究で「麦芽の割合が低くても味が本来のビールに近い発泡飲料」を作り出し、実際に味わいはかなり本物のビールに近づいてきた。
・しかし、それは確かにすごい技術だが、金と時間をかけたその技術は、日本のその国内酒税事情を考慮しなければ、世界的・人類的になーんの意味もない!
・日本の酒メーカーは世界市場で外国企業に伍して戦う技術力がある(現に世界市場に出ている)…なのに、こんな日本ローカルの事情で、金と人の資材を無駄遣いしてどうするんだ?(略)
「酒税」回避のために、結局は普通のビールより一味足りない「発泡酒」開発に青春と人生を費やした優秀なる日本のアルコール技術者たちは何を思うのだろう。
この本の読後感も、それで。
司法のその解釈は、現在の立法府の状況がそうだからそうなんだろうけど、すべての議論は日本国憲法24条1項そのものを改正し「両性」を「両者」とか、「夫婦」を「2人」に変えれば済む話なんじゃね?…と。
実際のところ

ここから、一応、公の方針的には「検討」まで言ってる党(つまり公明党)を含めて計算すると…改憲のための議席「三分の二」には、立憲、維新、国民、れいわ、共産、公明、有志の会であと51議席足りない。だが、51議席って、おそらく自民党から割って引っ張ってくるのが不可能じゃないんじゃないかいな。
こうやってみると、三分の二国会発議って、それほど空想上の話じゃない。
もちろん、参院でも三分の二を占めねばいけず、それは現在は不可能(今夏以降は…?)だし、たとえば公明が自民党と離れた行動をするという前提も難しい。
あと。そもそも、第三のビール、大豆やエンドウ豆からがんばってビールっぽいもの作れました、の発泡酒でもしゅわしゅわぐびぐびとのどを潤せる。文理解釈して類推適用して、がんばって現行憲法のまま「合憲」として同性婚制度(あるいは結婚と変わらないようなパートナー制度)を作ることが「可能/不可能」のどっちか、といえば前者ではあることは間違いない。
だが、それが「う回路」であり…、「ここをこう曲がって、あの細道を通って、いったん逆方向に出て、それからUターンすれば…行けますよ!」とう回路を示されたところで「まっすぐ道を引いたら?」感は否めない。
『まあ実質状の違いはないけれど、憲法24条の文面に「両性」「夫婦」って書いてある以上、憲法によって祝福された「婚姻」と、同性婚はやっぱり別物だよね!』と言われ続けるよなあ…と、この本を読んで逆にそう思った次第。
