紙の本大好きだし、本屋も大好きだし、多分相当買うほうだし、自分でも何冊かだしてるけど、大量に点数を刷って大量に返品してなんとか成り立ってる業界で、基本的に紙の本はサステナブルと対極にあるプロダクトだと言うことはもっと多くの人が認識したほうがいいのでは?という気がしている。
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) January 4, 2023
電子の方が絶対に環境負荷低いんですよね。インクも使うし。いろいろ新しい技術はあるし再生紙とかもあるけど、それもこれも負荷を下げるだけで、根本的な問題ではない。
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) 2023年1月4日
多分紙の本をある程度サステナブルに作る場合、オフセットで大量に刷って取次を介して……みたいなモデルがもう不可能で、そうすると一冊あたりの価格は今の数倍にしないと難しいので、出版業界そのものが基本的にはサステナブルには運営できないとは思うんですよね。
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) 2023年1月4日
本の返品率は35%くらい、雑誌は40%台で、ただこれはずっと売れ続けてるベストセラー含めてなので、新刊だと50%くらいは返品されてるものも多い。
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) 2023年1月4日
ビジネスモデルとしては美しい(書店が在庫を持たなくていい、出版社は売りたいものを送れる、配送が効率化)のだけど、まあ大量生産大量廃棄だよなと
本の粗利率は低いし、電子の方が著者印税も高いことが多いはずなので、書店にはコーヒーを出してもらい、気に入ったものは電子で購入して書店でコーヒーを飲むのが三方にとって一番利益率が高くてかつサステナブルなのでは?という気がしなくもない(取次の事情は一旦脇に置くとして)
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) 2023年1月4日
環境負荷を下げるには業界全体の無駄を減らしていくしかないと思いますし、買い切りにする、返品を減らすためには書店全体で利益率を上げないと難しい、という趣旨で、コーヒーは一例です。
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) 2023年1月4日
書店で本と出会って電子で買う、という消費行動もあっていいと思っていますが、それには「場代」が必要です。
これは何と言うか、心の中の一番痛いところを突かれた指摘。米国のペーパーバックスなんかは純粋に情報買ってる感覚だから電子版でもいいやって思えるけど、日本で良い本は割と装丁や紙が手触りまで素敵なことも多いし、書店で本を選ぶときのワクワク感は手放し難い。 https://t.co/efi3xLN8BQ
— 國本依伸 (@yorinobu2) 2023年1月4日
紙の本やっぱりいいなと思うんですけど、良くも悪くもマスプロなんですよね。
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) January 4, 2023
ファッションなんかもそうですが、どこまで突き詰めても産業そのものとサステナビリティの相性が悪いものって世の中にはたくさん存在するので、そこはある程度割り切って考えるしかないとは思うのですが。 https://t.co/D2TA2weuMn
この話、コロナ禍で行動制限もあった2021年に、その「コロナ対策」と「環境負荷」の両面で書いていた。
今後「紙の本」は道徳的な悪になる?「SDGs」と「コロナ防疫」から
(略)
…いや、それが嬉しいってわけじゃないぜ。だいたいそうなったら自分は紙書籍に囲まれ「非難される側」だ。しかし、これも話を突き詰めればそうならざるを得ないだろうよ。よつばと!より 地球温暖化 (略)
厳密な計算とかしなくても、シロートでも、SDGsの観点から言えば紙の本は同じ内容ならば、電子書籍に劣る、と断定できるだろう。
山で木材伐採。その木を運び、パルプにして紙にして、それをまた輸送し、石油から作ったインクで印刷し、裁断し、製本し、それを書店に運び、それを店に人が買いに来る・・・・・・・勝てる要素がabemaチャレンジで格闘家に挑むシロウトよりないよ!!
あ、新聞とかはさらに「毎朝バイクが街を走り、配送する」が加わる・・・・・
(略)
いまや、ステーキを食べると、「牛は牧場を切り開いて育てて、げっぷでメタンガスを吐き出す環境負荷の高い生物であり、それを食べておいしいとかいうのは意識が低い」……と言われるご時勢。電子書籍版も出ているのに紙版を買うのは、ちきゅうのてきだ!! まではあと三歩ぐらいじゃないか。
とまぁ、書いたんだけど別に反響もとりたててなかったのだけれども、有名人の平河エリ氏が似た話をかいたので書き留めておく次第。
あ、最後に「呉智英はまだ出版社バブル時代に、同様の指摘をしていた」という話も連動して再紹介。
マスコミこそ偽善者ですーアンケート「「もったいない」はどこへ行った」に答へる
世の中には、偽善者なのかカマトトなのか、いいかげんな奴があるものです。
(略)
…… このアンケート依頼にも、思はず笑ってしまひました。 あまり売れてゐるとも思へない「ノーサイド」誌では、売れ残った返品誌はどうされてゐるのでせうか。
私は、返品誌は断裁処分になどせず、ぜひまう一度、書店に並べるべきだと思ひます。
だって、これだけ雑誌が多い中にあへて刊行してあるんですから、よほど自信の際 ある雑誌でせう? そんな名誌なら、まう一度書店に並べば、今度こそきっと読者は買ってくれますって。
売れない雑誌が、編集され、印刷され、店頭に並べられ、回収され、断裁され、ゴミにな る。
こんな「もったいない」ことが平然と許され、子供が半分かじったパンを捨てるくらいの のことが許されないことの方が不思議です…(後略)
雑誌の「貴方の考える『もったいない』は?」の問いに「売れ残った雑誌の断裁」と答える呉智英(サルの正義) 以上、この本より。
おまけ 平河エリ氏、はてなブックマークについて語る
ここ一年ほどのはてなブックマーク、ヤフコメよりコメントの質が悪いしモデレーションしようという気持ちが運営になさそう。
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) January 2, 2023
ずっと惰性でチェックしてきたけど流石にもう見るのをやめた……。
へえ、困ったものですね。