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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

柳沢きみお「大市民 愛蔵版」kindleで1冊55円(1と2巻は無料。期間限定、あと8日?)

期間限定セール 終了まで 8 日
このタイトルは期間限定セールの対象です Kindle 価格:

ではあるらしい。

柳沢きみおの人生観が詰まったエッセイ的なコミック「大市民」シリーズ(2021年現在まで第9シリーズあり)の原点にあたる第1シリーズ、開幕!!

強面(こわもて)の中年・山形鐘一郎(45)は妻子ある小説家。常に「粋」な生き方を目指し、酒、グルメ、趣味にと余念がない。山形が仕事場にしている安アパートには風変わりな住人ばかりが住んでいる。そのうちの一人、佐竹直二と共にクラシックカー(英国製、トライアンフTR3A)に乗り、山梨に向かう。事業の失敗で自殺を考えていた佐竹だったが、道中、山形の生き方を聞いているうちにまた生きていこうと思い直すようになる。

<第1巻>
第1話「その男 小説家につき」
第2話「隣りの住人たち」
第3話「悩める男たち」
第4話「中年ドライブ」
第5話「入浴大好き」
第6話「冬のプールへ行く」
第7話「大市民パーティーへ行く」
第8話「大市民温泉へ行く」
第9話「カツ丼を食う」
第10話「人生の重さ」

原書:1992年7月28日初版発行 ACTION COMICS PIZAZZ(双葉社

最終巻は10巻。だが、これはあとから「無印 大市民」と名称されるべきもので、なんとこれを含め計9シリーズが描き続けられているのだ。

柳沢きみおの人生観が詰まったエッセイ的なコミック「大市民」シリーズ(2021年現在まで第9シリーズあり)の原点にあたる第1シリーズもついに終幕!!

アパートの風変わりな住人達とのコミュニケーションやトラブルを取り上げてきた「大市民」第1シリーズだが、ついに山形鐘一郎のアパートの引っ越しを持って完結す。5年にわたって取り上げたエッセイは総数124話。どれも日本人、とりわけ中年男性には納得できるものばかり。
※この続きは第2シリーズ「大市民II」でお楽しみください!

<第10巻>
第111話「居心地悪い日」
第112話「真理」
第113話「お散歩」
第114話「ビールとファッション」
第115話「一匹の魚」
第116話「今の日本について」
第117話「節目の日」
第118話「半人前」
第119話「それがどうした」
第120話「夏の日」
第121話「オリンピックについて」
第122話「もう秋」
第123話「しおどき」
第124話「最終話」 ※第2シリーズ「大市民II 愛蔵版」に続く。

原書:1997年10月11日初版発行 ACTION COMICS PIZAZZ(双葉社

1992年初版〜1997年完結か。あとから見れば、連載始めはバブル崩壊だが、その当時は「あれ?すごい景気良かったのがなんか”一時的に”止まったな。早く再起動してくれよ」的な感覚もあったのだろう。
しかし現実は、どんどん不景気になる一方で、94年、95年ぐらいに金融機関の破綻も相次いでいく…。
主人公はふわっとした描写の作家商売で、経済状態は良くも悪くも安定しているのだが、周辺の人物が、就職や景気の話を頻繁にするので、その時代の空気感も、結構伝わる。いまでは歴史漫画といってもいい。



その時に、「怒れる古いオジサン」的な立場からものもーす、的な…いかにも作者の分身・代弁者的な主人公が語る、3割ぐらいエッセイ要素の入った漫画として登場した……それなりにお金があって贅沢もするが、サウナやプールや腕立て伏せみたいな、カネのかからないことで楽しめる!!自分でつくるビンボー料理も旨い!!(いや、この漫画の表現だと「美味し!!」か)、要は何が楽しくて、どれが一番なのかを、メディアの格付けに踊らされず、自分の価値判断で見極めよ!!



まぁ、そんなふうなメッセージを込めた作品で…
その価値観に共感するもいいが、逆に「なんかずれた価値観を持つ、ヘンだが憎めない昭和的感性のオッサンの、多少はゆとりある生活」をやや笑い、やや憧れ、やや引きながら観察するような、そんなスタンスで読んでも、まぁまぁ面白かった。


あと、その食べる料理が、上で書いた様に、「ちょっと手間をかけた自炊で、値段的には結構安っぽい料理。でも美味し!」がコンセプトなので、美味しんぼが大人気の時代に、クッキングパパよりさらに安っぽく手抜き感のある料理を描く「貧乏グルメ漫画」でもあった。
さらにいえば、料理のレシピとか以前に、こういうおこだわりも語る。5巻より。

「大市民」が語る、ビールをおいしく飲む方法

これが正しいかどうかはともかく、こういうことを皮切りに、日常から天下国家についてまで、いかにも偏屈おやじが語りたがることをかたりまくる…その中に有益な情報があるか、ないかは読者しだい。



そういうことで、とびきり面白い大傑作とは言わぬが、
kindleの本棚の片隅に置くのはけっこうふさわしいと思う。


ただ、「期間限定だ、急いで買わねば!!」の一方「55円はお高い、もう少し待ち構えていれば33円ぐらいになるはず…」とも思わんでもない(笑)!! そのへんの判断は個々人で。

自分は結局買っちゃったな。
これは、自分が逆に「紙の本を持っている」ので、スペースをあけるために処分しようと思うからだ。
結構紙も焼けて古いし、ずっと紙版を持っていたいほどの愛着がある作品、というわけでもないという立ち位置さ。




ん?たとえばその後のシリーズである「THE大市民」も、1巻無料、2巻33円だな……


世田谷に引っ越した人生の達人・山形鐘一郎が、独自の視点でさまざまな問題を語り尽くす

原宿から世田谷の砧に引っ越した小説家の山形。相変わらず安アパートで冷えたビールを愛する日々を楽しんでいた。
そんなある日、隣室の銀行員・山田を得意の白菜鍋でもてなした山形は、リストラに脅え、人生に疲れている彼に「自分にこそ認められる生き方をすべきだ」と語って聞かせる。

柳沢きみおの自伝的エッセイ風コミック!愛蔵版の第一巻!

酒は強いし、女にもモテる!
人気小説家・山形鐘一郎は、あえてボロアパートで貧乏生活を送る変わり者。

そして、そのアパートの隣人たちは、みな悩める奴らばかりであった。
山形の隣部屋に住み、バブル崩壊で没落した中年男、佐竹。
2浪中の浪人生、青木。
一流大卒で仕事漬けの若きエリート銀行員、和田。

そんな悩める男たち、さえない男たちは、
貧乏生活を楽しむ山形に憧れ、一緒に楽しむようになっていく。愛蔵版の第二巻!