Zlata はウクライナ出身の女の子です。高校を卒業したばかりの女の子です。彼女は日本語で本を書きました。日本語は完璧です。本の挿絵はすべて彼女が描きました。とても才能のある女の子です。その本は10月1日からどこでも手に入ります。彼女は日本の大学で勉強したいそうです。 pic.twitter.com/mJyG989Igc
— セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使 (@KorsunskySergiy) September 28, 2022
たとえ戦争から逃げても、夢からは逃げない。・報道番組で複数回単独特集、オンエア後問合せ殺到!
・ウクライナ侵攻からの逃避行ドキュメンタリー、出版後の反響必至!
・親子関係、日本と海外での教育の違い、避難民がみた日本のリアル
・明日、日本にもし戦争が起きたら、16歳の少女のような決断ができるか~今、もう一度生き方を考えさせる本「みなさん、明日は戦争になります」―--。
もし、学校の先生から突然こう言われたら?
マンガの世界だけだとおもっていた戦争が起きたとき、
人見知りだった16歳の少女は、たった一つの夢にすべてをかけて祖国から脱出することを決意した。もし無人島でたった一つもっていけるものは、なんて考えていたのは何だったのか?
持っていけたのは、1冊の本とスケッチブック。
敵は兵士や爆弾だけではない。
コロナとの闘い、親子の葛藤、運命的な親友との出会い―-現実はマンガより奇なり。
これは夢が明日につながると信じた少女の等身大のサバイバル日記だ。
1章 〈たった二人の生徒〉 オタクって日本語で書ける幸せ
2章 〈明日戦争になったら?〉 想定より想定外 持っていけるものはひとつだけ
3章 〈母の決断2.24事件 〉 待ったなしの人生「潮どき」「変わりどき」
4章 〈全財産16万円持って〉 爆数よけて、列車まかせ。今は、なりゆきにまかせて逃げるのみ!
5章 〈16年間の思い出が消える〉 怖いのは銃だけじゃない「爆撃より怖い冷たい視線」
6章 <“こんにちは”で道が開く> 今、そこにある 転機
7章 〈3日目ぶりの安眠〉 ひしめき合う避難民とシェルター
8章 <待つしかないのか?> 世界で一番自分が不幸に思えるときの乗り越え方
9章 <200万人の人混みとコロナ> 今日の宿は道端?
10章 <また会う日まで> 祖国ウクライナと母と老犬にさようなら
11章 <銃撃からは逃げたけど、夢からは逃げない > 戦火がつくった友情
12章 <お金がない!> 私を救ってくれた日本の足長おねえさん
13章 <情熱とお金のはざまで> あこがれとため息の日本
14章 <必ずある、私の生きる場所> 本音をいえば、アルバイトより仕事がしたい16 歳
15章 <カップラーメンと勉強できる幸せ> 日本の当り前は世界の素敵 『ワンダーランドジャパン』
16章 〈精一杯こそ最強の武器!> 今日できることは、明日もできるとは限らない
目次を読むだけで、かんべむさしの短編「逃げる」を思い出すなど
「真佐子」
俺は言った。
「まず、この家のなかの物の90パーセントをあきらめろ」
「あきらめるって?」
真佐子は俺の顔を見た。
「破壊されても、火事で燃え尽きても、仕方がないと思ってしまえ。ここにある物の90パーセントは、世の中が平穏無事で毎日の生活に何の心配もないときにだけ、価値のあるものだ(略)」「縫いぐるみの熊、ガラス棚のこけし、壁の絵、レース編みのクッション。そんな物は、何もかもうまくいっているときに初めて意味の出てくる物だ。あきらめろ。ぎりぎり必要な物以外は全部あきらめろ」
真佐子は、また泣きだした。彼女にとっての、昨日から始まるはずだった『幸福』の象徴物が、根底からいっきょに否定されてしまったのだ。泣く気持はよく分かる。
「泣くな」
しかし、俺はどなった。根底からの崩壊は俺も同じだった。大学を出て勤めだしてからまる五年。真佐子と知りあってから二年半。
自分のために買った物、二人のために揃えた物。そして、夢と目標と計画と。ひっくるめていえば、この2DKに住んで、真佐子と二人で創っていこうとした俺の「家庭」が、その二日目に壊されてしまったのだ。