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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「鎧武者は、鎧を前提とした技の体系がある」ということ(逃げ上手の若君)

(略)…戦闘力の高いこの2人が首領と対戦するのですが、そこで待っていたのは

鎧甲冑が当時いかに凄まじい防具であったか

を現代人にも教えてくれる親切仕様。ここ、実は私も以前に「師」から教わっていた部分だったので、そのドンピシャぶりに驚いています。そう、当時においては鎧甲冑は圧倒的な防御力だったのですよ。刀で切りかかっても、わざわざ刀で受け止めなくても、鎧で受け止めてしまえばいい。そのために、刀を防禦に使う必要がないから、全振りで攻撃できるという圧倒的利点。

首領「おや、ボク達。全身を固めた鎧武者と戦うのは初めてかな?」

そこらの武士よりも隔絶した技量を持った剣士の2人がかりで戦ってもその圧倒的な壁にはじき返されてしまいます。ここからは解説に圧倒されてしまいます。鎧武者の剣術とは現代の常識とは違う・・・

面は兜、銅は鎧、小手は籠手というそれぞれ鎧甲冑の部位でそのまま受け止められてしまう。注意しなければならないのは脇などの鎧に覆われていない隙間の部位だけであり、それ以外は避けない前提。そのために、仮に鎧武者同士が刀で戦えば、6・7割ほどは決着がつかないと言われるのです。これあればこそ、逆に弓矢などの飛び道具が重視されたということを実証したと言えるでしょう。そう

刀同士の戦いなんてあんまり意味はないほど鎧が強いのです。

だから現代の大河ドラマや時代劇でよくあるチャンバラ劇なんて現代人らしい、同時代の戦いを無視した描写と…
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ついつい世の中は、講談調に「兜もろとも唐竹割りの一刀両断」みたいなイメージで考えるが、やはり鎧や兜は切れない。当たり前だ。
よろいはこう言っていた。「キレてないですよ。俺を斬れさしたら大したもんですよ」と。


そして、ここが重要だが、鎧を着ていれば斬られないのなら、それを前提とした技術体系が生まれる、ということだ。
よろいで防げるところに来た斬撃を、着ていない技術体系ならかわすための修練や技術体系、それへの反撃の技が磨かれる。
しかし、守れるのなら、その一撃はよろいで受けて、その上で反撃すればいい。
そのとき、技術体系が全く変わってくる、という。


それは松原隆一郎氏が、ゴン格最新号で大道塾東孝氏を追悼した記事にある、こんな経緯にも似ている。

それまでの世代が遠い間合いで闘っていた極真に置いて、ウエイトトレーニングで筋力を鍛え上げ、顔を近づけてボディとローキックを打ち合う「極真スタイル」を先取り…
…顔面打撃禁止であることに身も蓋もなく適応した戦法を編み出したのである。


それはどちらがいい悪いではないが、だいぶ変わっていることには間違い無いであろう。

ちなみに、今週の回ではその、相手役の「鎧着用を前提とした戦法」の前に主人公側の剣士はなすすべがないが、次週では「若君」本人とその相手が対戦予定な感じ。
さてどうなるでしょうかね。



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