秀吉の晩年に夢枕に信長が立ったという話が秀吉の逸話で一番好きです。
— 初級日本歴士 (@Wdv1KJuMriZWjtU) 2020年11月14日
信長 藤吉郎、もう死んでもよい頃だ。こっちへ参れ。
秀吉 その儀は今しばらくお待ち下され。それがしは殿の仇を討ち奉り、ご奉公した身でございます
信長 儂の倅の有様不憫でならぬ。おのれのせいじゃ。はようこっちへ参れ
それで、秀吉は信長に引きずり出されそうになって、秀吉は悪夢から目を覚めると、奇声をあげて這いずり回っていたらしいです。そこを北政所や家臣が目撃したようです。
— 初級日本歴士 (@Wdv1KJuMriZWjtU) 2020年11月14日
秀吉は「上様、お許しを」と体を震わせていたそうです。
この話は「利家夜話」という前田家の史料に載ってるらしいです。
>これ確か『利家夜話』に入ってる話で、本当だとしたら晩年の羽柴秀吉が「こんな夢を見た」と前田利家に相談したという事だね。
— ドンじょぶお (@urakkun26) 2020年11月15日
立場的にも経歴的にも旧主織田信長にまつわるプライベートな思い出を秀吉が語れる相手は利家だけだったのだろう。
もっとも、それだけ藩祖は太閤と感嘆相照らす仲だったと強調したい前田家の思惑もあるだろうし、どこまで本当なのかはよくわからないが…
— ドンじょぶお (@urakkun26) 2020年11月15日
※このコマについてはこちらを
m-dojo.hatenadiary.com
「本能寺の変は、豊臣秀吉が明智光秀を扇動・誘導して織田信長を討たせた」という秀吉陰謀説は、この前の某テレビドラマ、某風流人マンガ、某タイムスリップマンガ……などに使われていて(こういう時タイトルかいてもいいのかなあ…といいつつリンクを張る。知りたくない人は目をそらしてください)
m-dojo.hatenadiary.com伝奇的想像力としては確かになかなか出来がいい奇説ではあります。だがそれがフィクションとしても、秀吉が信長の血を引く後継者を死や改易、あるいは一大名の地位に追い込み、自分が天下の権を握ったことは疑いの余地なく事実なわけで…。
昔より 主(あるじ)内海(討つ身)の 野間なれば むくいを待てや 羽柴筑前
http://www5f.biglobe.ne.jp/syake-assi/newpage337.html
それへの「良心の呵責」があってもおかしくはなかろう。いつの時期かは知らないが、「文禄慶長のマクベス」でありましょうか。
しかし、どうして「アーメン」と言えなかったのだろう。
おれに祈りが一番必要なときに、「アーメン」が
喉につかえてしまった。
LADY MACBETHThese deeds must not be thought
After these ways; so, it will make us mad.
マクベス夫人やったことを
そんな風に考えてはいけません。気が変になってしまうわ。
MACBETHMethought I heard a voice cry 'Sleep no more!35
Macbeth does murder sleep', the innocent sleep,
Sleep that knits up the ravell'd sleave of care,
The death of each day's life, sore labour's bath,
Balm of hurt minds, great nature's second course,
Chief nourisher in life's feast,--
マクベス「もはや眠るな、マクベスは眠りを殺した」
と叫ぶ声を聞いた気がする、無垢の眠り、
気苦労のもつれた糸をほぐして編むのが眠り、
眠りは、日々の生活のなかの死、労働の痛みを癒す入浴、
傷ついた心の軟膏(なんこう)、自然から賜ったご馳走、
人生の饗宴の主たる栄養源だ。
LADY MACBETHWhat do you mean?40
マクベス夫人何を言っているのよ。
MACBETHStill it cried 'Sleep no more!' to all the house:
'Glamis hath murder'd sleep, and therefore Cawdor
Shall sleep no more; Macbeth shall sleep no more.'
マクベスまだ叫んでいる、屋敷中に響きわたる声で、「もう眠れない、
グラミス公は眠りを殺した、だからコーダ公はもう眠れない、マクベスはもう眠れない」
イワン雷帝にも、そういうエピソードがあり、絵画になっているとか
多くの政敵を家族ごと葬り、気に入らない者はかたっぱしから処刑したと言われるイワン雷帝。彼は息子までその手で殺してしまった(諸説あり)事で晩年精神を病んだと言われていますが、これはその晩年を描いた絵です。
— 昔の芸術をつぶやくよ (@LfXAMDg4PE50i9e) July 31, 2024
不当に殺された事を責め立てる亡霊たち。しかしその姿は雷帝にしか見えず→続 pic.twitter.com/rFlInrROHU
その為右側に立つ聖職者たちは動揺していません。亡霊に対して抵抗する術をもたない雷帝はただひたすら怯え、その姿には最早王の威厳の欠片もありません。
— 昔の芸術をつぶやくよ (@LfXAMDg4PE50i9e) 2024年7月31日
この幽霊は彼の僅かな良心が見せているのかもですね。画像はミハイル・ペトロヴィッチの「イヴァン雷帝とその犠牲者の魂」(19世紀末頃)です
秀吉が、そんなに繊細な心を持っていたのかどうか……それはだれにもわかるまい、が。
元ネタが「利家夜話」だというが、その資料はたとえばネット上にあるだろうか。
それが、画像の状態とはいえあるのだから、やはり社会は進歩している。もっと進めば、テキスト的に処理されて読めるようになるかもしれないな。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/953320dl.ndl.go.jp
同時に、権力者を顕彰する意味合いが大きかったとはいえど「この人物があちこちで語っていた思い出話を、その場限りにせず記録にとどめておきたい!!何しろ戦国の世はドラマチックだったからな…」と考えた、この筆者・編者に感謝。
太田牛一だけじゃないんだな。
【記録する者たち】
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