ブクマで話題のこれ
kensuu.com
ブクマはなんと1300突破(2020年5月29日午前9時現在)
b.hatena.ne.jp
このnote記事が一石を投じたのは
意見表明を「悪質な誹謗中傷か」/「政治的批判や正当な怒りか」のどちらかに分類しで、前者は「悪」として駆除し、後者は「善」として保護許容すれば問題が解決する…という単純な見方ではなく、
むしろ
単体では問題はないはずの、後者の声であっても、それがネットの特質上(結果的に)「膨大な数」になってしまうと、それだけで圧力というか破壊力というか殺傷力というか―――それが生まれてしまう、という問題に焦点を当てたゆえでしょう。
これ、本当に法哲学的にも厄介なんですよね。
だから、自分のブクマではこう書いた。
誹謗中傷かどうかよりも、批判の量のほうが問題じゃないかなという話|けんすうb.hatena.ne.jp文中にある「個別には正当、無問題(と本来は認識されてた)。だがそれは世界中からアクセス可能という前提がない場合の話。その前提で考えるとヤバくなる…というのは、例えば「破産者マップ」と同じ構造だと思う。
2020/05/29 02:55
「それ単体は問題と見なさないのが妥当だが、世界中から簡単に見られる場所=ネットに情報があると話が違ってくる」という現象に、名前があればいいんだけど、法律の世界とかでは既にあるのかもしれないね。
その一例としての「破産者マップ」、いまは終わった騒動だけど、問題はこちら
togetter.com
ここが端的な、その部分だ
この度の破産マップのプロジェクトでは、官報に掲載された破産者をデータの分析・可視化の対象に選び、その成果物を公開したことで、結果的に破産者や個人再生者の方々をはじめとする関係者の方々に辛い思いをさせてしましました。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
国や自治体がもつデータが連結匿名化された上で、国民や研究者がインターネットを通じ、リアルタイムに、誰もが自由にデータにアクセスでき、分析、評価し、よりよい意思決定ができるようになる日がこの国にもやってくることを期待しています。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
誰もが自由にアクセスでき、公開されている破産者の情報の表現方法を変えるだけで、これほど多くの反応があるとは思わなかったのが正直なところです。国や自治体が持っているデータ、公表しているデータの表現方法を変えれば、そのデータの持っている本質的な価値に近づけるのではと思います
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
技術的には可能ですが、誰かを悲しませたり、傷つけるようなことはしたくありません。僕がいっても説得力がないかもしれませんが、データの中に神と悪魔が宿っているように感じました。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
とはいえ、もっと遡っても…あるいは最近でもある話だが「抗議電話」「抗議ファックス」「抗議メール」が物理的に殺到した時、(その文面に脅迫や罵倒、誹謗中傷の要素が無くても)それは「圧力」か?表現の自由の侵害か?という話は80、90年代から言われてる話でした(もっとも、それだけ膨大だと、確率的にも中に脅迫的なものが混ざることは多いようだ)。幸福の科学や朝鮮総連がそれらを組織的に行っている、という話も当時よく聞かれました。
これを「法律的」「憲法的」にどう考えるかといえば…専門家ですら「今後の課題として考えなければならない」と保留するような難問なんですよ。
過去の「あいちトリエンナーレ」関連の話から再紹介しよう。
・さて、今回の目玉はこれ。記号を便宜上ふっておく
A:電話での抗議についてはどうか。今回、多数の抗議電話により、事務局や愛知県の業務はパンク状態にあったという。通常、一人一人が電話で意見を伝えること自体は、脅迫などを伴わない限り、禁止されるべきものではない。
B:しかし、今回、抗議電話をした人たちは、抗議メッセージを伝えることを超え、不特定多数の力によって、展示会を中止させようとする意図があったのではないか。まず、先に「B」だが……こりゃいわゆる「ゲスパー」論で、「…という意図が有ったのだろう」だったらねえ、たとえば上の100田さんの話でも『抗議メッセージを伝えることを超え、不特定多数の力によって、百田氏の講演会を中止させようとする意図があったのではないか』となりますしねえ。
そして「A」が今回、わざわざ記事を書いて紹介する理由である。こう、非常に重要な見解を述べている。
■抗議を拒否できる正当な理由とは
法律家たちは、個人による意見表明の自由を確保しつつ、展示主催者や行政機関の業務遂行を妨げないようにするにはどうするべきかについて、新たな理論を提示せねばならない。例えば、抗議を受け付ける方法を手紙やメールに限定したり、匿名での抗議を拒否したりしても正当と言えるのはどのような場合なのかを、理論的に整理する必要があろう。
そう、つまり、「抗議の電話、ファクス、メールがじゃんじゃか寄せられてくる」ことに関して、それが表現の自由を脅かすかどうか、どうも憲法の専門家の中でも、まだ未整備未議論の状態だ、と木村氏は認めたのだ。
ここが重要。頑張って論じてほしい。そして「憲法学」は、その結果をあなた方の上司である「法哲学」に伝えて、法哲学の側もフィードバックしてほしい。
個人的に考えても、ちょっと突破口を見出しにくい。
「単体なら問題ないが、束ねて物理的に膨大になると意味が変わる」というのは抗議や批判のみならず、「破産者マップ」のように情報収集やデータベース化も似た部分があるわな。
このへんは「単体でセーフの情報も、データベース化すると、NGだよ」という枠組みが、いま多少は生まれているよね。このへんも法的な理屈は、綺麗に通じるようでいてちょっと微妙な気がするんだけど。
顔認証とかもね。
m-dojo.hatenadiary.com
bunshun.jp
gigazine.net
5万RTのデマもあれば5RTの真実もあるというのは当たり前なんだけど、5RTの時には真実だったものが5万RTされたら別の薄気味悪い何かに変わってしまうみたいなことってあると思うんですよね。
— CDB (@C4Dbeginner) October 7, 2018
そして「公共考査機構」(かんべむさし)。当然、ネットの無い時代に書かれた作品だが…
このかたのあらすじ紹介が端的なので、紹介はまかせよう。
……読み返すたびに、感嘆する傑作です。
NHKとおぼしき公営放送局に
「あなたの意見わたしの意見」という
番組が新設されます。
政府の意向を反映して・・・・この番組は、番組制作陣が選んだ出演者が
生放送で私見を述べ、それに対する視聴者からの
電話入力投票を行うという、「視聴者のための」
番組です。
これが、「魔女狩り」なんですね。たとえば、
「核兵器がダメなら、一般兵器は
問題ないのか? 考えてみれば、
『核兵器反対!』だけを声高に叫んで、他の
兵器を野放しにするのは変じゃない?」
と考えている人が、問題提起の意図で
知人に 「核兵器のどこが悪いのか?」と
発言すれば、彼は「番組」に引っ張られ、
「核兵器支持者」として断罪されます。視聴者に伝えられるのは、短時間の
断片的な情報のみ・・・・・
かくして彼は、社会的に葬られます。このような「異端者」を排除し、
日本はひとつの方向へ・・・・・
kaseyan.exblog.jp
たしか、おいらの記憶では元は短編で、それが長編化されたんですね。で、短編は「日本SFベスト集成」に収録されたはず‥‥のような、気がするんだけど…検索してもわからず、すごすごと帰還。
そもそも、自分はこの本を読んだし、たいへんな傑作だと思っているのだけど、寄る年波で、どんな展開でどんなオチだったかとかの、細部を忘れちゃったのだよ。
こんなふうだったかな、というおぼろげな記憶はあるが…
少年時代の自分は、当時からここで必死に定義しているような「心理・メディア操作」「情報の独り歩き」「疑似イベント」的なものが好きだったので、そのジャンルの中の一つだとも思っています(というか、こういう作品で好きになったのだ)
どうもかんべむさしの初期〜中期作品、入手が困難なようだぞ!
ただ、残念ながら、今検索する限りでは電子書籍なども含めて、ふつうに入手はできないようです。古書のみ???
「パピルス」なるところではそれなりに氏の旧作、電子書籍にはなっているけど、少なくとも長編版の「公共考査機構」はないですな
https://www.papy.co.jp/sc/list/credit1?page=1&type=a&sort=2&word=%A4%AB%A4%F3%A4%D9%A4%E0%A4%B5%A4%B7&dev=0www.papy.co.jp
「かんべむさしの再評価運動」、のびのびにしていたけど、これは本気でやらなきゃいけないのう。
しかし、最近はやりの、著者の個人出版的な電子書籍で出しても、ふつうに売れると思うよ。
私と違って行動力やマネジメント力にあふれたSF界隈のひとは「かんべむさしの初期〜中期傑作を、電子書籍で出しましょう!1丁目1番地のkindleで」とやってくれませんか。そうすると俺が得する。
2025年の事例を記録しておこう
“性被害の発生場所や加害者情報” ネット公開に波紋広がる
2025年4月3日 15時53分
性被害が発生した場所や加害者とされる人物の住所など、個人が特定され得る情報を地図上に示したデータベースを民間の有志団体がインターネット上に公開して、波紋を広げています。専門家は、「個人データを本人に同意なく公開するのは、法律に違反する」と指摘しています。団体の代表は、取材に対して、「国の個人情報保護委員会から指導を受ければ従う」としています。
このデータベースは、民間の有志団体が報道機関などが発表した情報をみずから集めて作成したもので、先月半ばからインターネット上で公開を始めました。
現時点で、過去に、性被害が発生したとされる800か所以上の地点を地図上に表記しているほか、加害者とされる人物の住所や被害者の年齢や性別などの個人データを記載し、有料会員に登録すると、事件の詳細まで確認できるとしています。
このデータベースについては、公開当初から、「こういうサービスがあると、家族で話し合いができる」とか「犯罪抑止に役立つと思う」といった肯定的な意見がある一方、当事者が特定され得る情報が公開されているため、「法律に抵触するのではないか」と問題視する声もあがっています。
データベースを制作した団体の代表は、取材に対して、「子どもを性犯罪から守るため、国内でこれほど性犯罪が起きていることを知ってもらいたいと思い取り組んだ」とその目的を話しました。
一方で、公開後には、個人情報の適切な取り扱いを監視する国の個人情報保護委員会から公開した情報の内容などについて聞き取りがあったということで、団体の代表は「今後、委員会から、指導があれば従う」としています。
これについて、国の個人情報保護委員会は「個別の事案については回答していない」としたうえで、一般論として、「法律との関係で問題が見受けられる場合、事案を把握した上で、指導などを行う可能性はある」としています。
インターネット上の個人情報の取り扱いに詳しい板倉陽一郎弁護士は「個人データを本人に同意なく公開するのは、今の法律に違反する。家庭内で発生した犯罪の場合、被害者の住所まで特定される危険性があり、プライバシー侵害のリスクも高いと考える」と指摘しています。
www3.nhk.or.jp
