ワイドショーで、韓国の話題が多い。それも放送の中で時間を30分もとったり、トップで扱ったり。
とにかく、この種の番組はおどろくほど視聴率に左右されるもので、たぶん、局内での番組内視聴率とかがそういう結果になるのだろう。
ただ、そのおかげで、普通なら固い新聞記事ではお目にかかれない韓国政治の制度的な、あるいは政局的なディテールみたいなものが報じられて参考になる。
で、今回チェ・グク疑惑が報じられるに当たって、自分が興味を持ったのは氏個人や、文政権の思惑とかとは違ってて、法相任命に際し「聴聞会」があるという仕組みそのものでした。
調べてみたら…
「人事聴聞会」とは、公選によらない任命職の公職者を大統領が任命する前に、国会においてその候補者に対する検証を行うものである。
候補者の専門性、業務遂行能力、財産形成過程、学歴と経歴、人格や周囲の評判などを中心に質疑がなされる。
韓国では、米国上院の(注1)制度を参考に、2000年からこの人事聴聞会を開始した。1年間に大量の候補者に関するヒアリングを行う米国に比して、韓国では高位公職候補者27名のみを対象としている。
これまで実際に行われた回数が少ないこともあり、韓国の人事聴聞会は日本ではまだあまり知られていない。
https://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/legis/217/21708.pdf
やっぱり、アメリカが参考になったのか。
大統領制と議院内閣制だと、いろんな違いがあって当然ではあるが、「行政」の重要な職に就くに当たって「議会」が公開のチェックの場となり、「就任前」にさまざまな質問をして経歴や思想や能力を測ることが出来る…というのが非常に優れたしくみであろう。アメリカでは、これで事前に就任を断念する人も多い。一番ドラマチックで影響力があったのは、最終的には何とか乗り切って就任したが、最高裁判事になる際に「セクシャルハラスメント(と言う言葉もこの時に世界に広まった)疑惑」が追及されたクレランス・トマス氏のそれだな。
日本でこれをやれば、就任前にハネられた大臣もたくさんたくさんいただろうよ(笑)
その聴聞会が、与野党対立の結果開催されないんじゃないか、とも言われているが、それはそれとして、「聴聞会がある」ということに、もっと日本のメディア(というかワイドショー)も注目して、評価するべきではありませんか喃。
www3.nhk.or.jp
おっと!はてなで自動関連づけしてくれて思い出したが、5年前に似た話をかいていた。「NHK会長」にそれを適用したら、という話だった
m-dojo.hatenadiary.com