INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

上田馬之助は、前田日明を極めているかもしれない…という話。確認したい人は「新日本プロレスワールド」を

早すぎたシューター、上田馬之助5周忌に捧ぐ。 - ふるきちの、家はあれども帰るを得ず。 http://d.hatena.ne.jp/fullkichi1964/20161221/p1

…本日、上田馬之助5周忌。新日本ワールドに現在入っておられる方ならもちろん、入ってない方でも999円払ってぜひ見ていただきたい一戦、上田馬之助前田日明シングルマッチ!!(86年6・6)http://njpwworld.com/p/s_series_00067_1_1 当日のテレビ中継では中盤の前田キック攻撃から(続

>入ったこの試合、その前の展開を見ると印象が全然違うんである・・・まず上田の身長が前田と同じくらい(ひょっとして上田が高い?)なことに驚かされる。そしてスタンドでの腕の極め具合も投げのシャープさも、上田の仕掛け方の方がハードなんである。この年46歳、猪木より3歳上(!)(続)

>というのが信じられないほどに・・・圧巻は前田に股裂きと見せかけてのヒザ固めを仕掛けたシーン。あの前田がリング中央でヒザを極められて「しまった!」という表情を浮かべるんである・・・ほどなく上田がレッグロックに移行して「くれた」から良かったようなものの、本当のシュートマッチ(続

>なら「あわや」の場面であった・・・実は上田は69年にダニー・ホッジ相手にアームロックで動けなくさせ、恥をかかされたホッジが激怒したというエピソードを持っている。その17年後、まさに「元祖日本人シューター」の面目躍如…(略)

とのこと。
これはもちろん、「しまった」の表情も”セル”の一環なのかもしれないし、相手に身を任せるのが信頼や尊敬の証なのかもしれない。同時に前田は、「勝敗が決まっている中でいかに主導権を奪い合うかがプロレスだ」を持論としており、”主導権”をおいそれと相手に奪わせるポリシーではなかった(そうであったら人生がまるで違っているはず)。
この映像が、ネットで契約すれば誰でも検証できるというのが、2016年の風景である。
http://njpwworld.com/about


上田の「隠れシューター伝説」と、VS前田ではもっと有名だろう「イリミネーションマッチの場外心中」について

自分の過去記事から再引用

…自分は「まだら狼」時代、つまり新日のシン上田コンビのほうはよく知らない。ただ、珍しく新日全日を行き来するフリーレスラーがいるなあ、ということは知ってた。
そんな中でも、タイガーマスクからUWF世代が上田について強烈に覚えているのは、たぶんイリミネーションバウトで謎の「新日軍参加」をして、「前田日明と場外心中」をするという、役回りを演じたことだろう。
今「アングル」「鉛筆」などという言葉を知ってあらためて思えば、あれは日本プロレス史上5本の指に入る鉛筆であったよのう。だれも傷つけず、商品価値を下げず、あるものは「やったパチパチ」あるものは「何すんだ、この卑怯者!!」。…そもそも「一瞬でもリング下に落ちれば失格」ルールが唐突に採用されたところから始まっているしね。
映画や舞台は脚本家の名前が出て賞賛されるが、このストーリーを考え出した人が特定されず、賞賛されないのに一抹の不合理さを感じる。
また、その役を自然に演じた二人も見事だった。さらにいうと、その直前、「上田は実は”隠れシューター”?」なんて特集を組んで、「すべてアームロックの一本勝ちで、道場トーナメントを優勝した」「トージョー・ヤマモトの腕を折った」など、虚実を入り混ぜて期待感と幻想をあおった週プロのアシストも見事だった(笑)

そう、とにかく覚えています。
UWF対新日の5対5直前に、週プロが「隠れシューター 上田馬之助伝説」という特集を組んだのです。意外過ぎて、今でも印象に残っているのです。


そして、何度も書くけど、「突然正規軍と合流した上田馬之助の謎。その真意は、前田日明に場外心中を仕掛けることだった!」というストーリーラインは、まさに…絶対この世には存在しないし、してはならないものだけど、もし仮に「プロレス脚本賞」があったら、絶対に受賞するべき傑作だった。

あちらふるきち記事のコメント欄にて。

rascal 2016/12/21 08:17
おはようございます。
上田馬之助は、あの新日本vsUWF5対5マッチでの場外心中も物言わぬ迫力が凄かったです。
出番が少ないのに存在感は抜群。
特に引退後はファンから認められ愛されていたように思います。


gryphon 2016/12/22 02:54
5vs5は、上田馬之助が正規軍に合流する、という唐突なる展開から、「前田と自分から心中する要員」(悪役だからこそ務まる)だったわけであろうから、あれはその展開を考えたX氏の創作力にもほとほと感心すべき傑作ですな


id:fullkichi1964 2016/12/22 03:57
>rascalさん
>gryphonさん

ご両者ありがとうございます。
前田との場外心中要員に選ばれたというのも、上田のタフさが理由であったろうと。
前田のキック食らって(たとえアクシデントであろうと)失神するようじゃ話にならんわけでねえ(苦笑)。
興味深いのは、この前田とのシングルは5対5場外心中の1ヵ月半後なんですよね。
前田が「上田さんはタフかもしれんが、それ以上のものはあるまい」とタカをくくってたところに、このグラウンドでの不覚を取ったとすれば・・・やはり上田の意地を感じますね(^^;;)。

当ブログの追悼(読売新聞の追悼記事の紹介)

半身不随の上田馬之助が、ファンから言われた言葉とは?(読売新聞の追悼記事から) - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120208/p1

1996年3月、トラックに追突された。頚椎を負傷し、胸から下が完全にマヒした。感覚の残る両腕を激痛が走り、冷暖房の風が当たっても痛む。曲がったままの指のつめが伸びて手のひらに食い込んだ。あまりのつらさに、病院の階上から「車椅子ごと落としてくれ」と妻の恵美子さんに訴えたこともあった。

だが、不屈のリハビリによって車いすを自分で動かすことが出来るぐらいに回復(晩年の動きは、本当に奇跡的なものだった)。
そして、そうできるようになると、上田は講演で「交通事故の怖さを訴える」「同じような障害を持つ人を励ます」ボランティアに取り組むようになった(!)
だが、あるとき大阪でその講演をしていたところ……。

一人の老人から突然ののしられたことがある。
「悪いことばかりしたからそんな風になったんだ」。

上田馬之助、不良の喧嘩に出くわし…あるレスラーが思い出語る - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20111228/p3

ある日、公園で集団の喧嘩をボコボコと派手にくりひろげていたとき「こおらあああっ!!クソガキどもぉ!!なにやってんだああ。」と遠くから全力疾走で走ってくる
金髪の大男!!
上田馬之助!!
なぜかそこに居合わせた馬之助さんにより、クソガキどもはみんなまとめて説教され
次の日から一週間、馬之助さん監視のもと
その公園の掃除を命じられたのだ。