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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

A社「同性カップルも『家族割』適用!」 B社「誰でも対象者を選んで、割引を適用」…どっちが望ましい?


上の記事の続編です。できれば上もよんでくらさい。

上の記事を一部繰りかえしますよ。

最後のコレなんだけどさ、これって別に渋谷区の証明っているのかね?
企業の話なんだから、渋谷区の証明書があっても無くても、自己申告でカップルには認めたらいいんじゃないか、とも思う。
 
ソフトバンクグループの総帥ってさ、本心かどうかに関係なく(笑)、こういう風潮に乗ろうっていう感覚があるじゃない。もうすでに日米をまたぐ企業なんだから、鈍感ではいられないでしょうし。聞いてみるかな??…と思ったが、まず最初に調べてみたら…ほほー。

はい、その解決篇。

http://i-topic.net/softbank-lgbt-family/
ソフトバンクの家族割は同居証明だけでいい』

ネット上でたまたま見かけた記述だったのですが、あれ?ということは?と思って調べてみました。するとやはり、どうもソフトバンクLGBT市場を意識しているようですね。

LGBTレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)市場がアツい!という話は最近では国内の話題でもよく目にするようになりましたが、欧米では数年前からかなり熱い視線が注がれていました。

「意識すれば、かなり売上げに違いが出るぞ」と。
(略)

ソフトバンクにおける割引サービス「家族割」では、親族であることの証明は不要なのだそうです。


LGBTカップルは今のところ国内では結婚できませんから、親族になることはできません。なので社会生活上の様々な場面で不便なことがあるのですが、ソフトバンクの「家族割」に関してはLGBTカップルも家族と認めてもらえるようです。


一応確かめてみないと…ということで、SoftBankaudocomoそれぞれのサイトで確認してみました。その際の画像が下図です。
(画像なので略します。リンク先へどうぞ)

ただ、
LGBTカップルも家族と認めてもらえる」というまとめもへんで、カップルと言っても住所は同居していない人もいるのだろうから、これもまた不完全ではあるのだよね。
さらにいうと「内縁の家族」「同棲カップル」も認めてもらえる。


この場合、そもそも名称を「家族割」としていいのか。「家族・同居者割」と名称を改めればいいだけなのではないでしょうか?



ただ、上の話、またさらに上の話にもつながるのですけど…結局「夫婦」とは「結婚とは」…をつきつめていくと、何度も繰りかえすが

●配偶者相続権(一)●税制・社会保障における優遇(二)●病気療養時などにおける権利・利益(三)●夫婦財産制(四)●パートナーシップ解消時の法的保護(五)●不法行為や犯罪による死亡時の損害賠償請求権など(六)●刑事法上の権利・利益(七)●性同一性障害特例法の非婚要件(八)●外国人パートナーの在留資格帰化(九)●子を育てる権利(十)●その他家族法上の権利義務(十一)●住宅の確保(一)●勤務先からの手当支給,休暇取得など(二)●生命保険金の受取人指定など(三)●銀行取引など(四)●その他身近なサービス(五)

の集積ってことになり、そこに企業の「家族割」も入る。


で、男女夫婦、「結婚」したカップルのみがそれを認められるのは不正義だ、不公平だ!という議論があったとして


(A)・では、男女夫婦以外の同性カップルも「夫婦」「結婚」として、上の諸権利をそのまま夫婦と同様に適用しましょう
という解決策と
(B)・では、これらの諸権利を、それぞれ個人が選んだ自由な相手に適用できるようにしましょう

という解決策では、あきらかに(B)のほうが射程が長いんだよね(笑)より幅広い層を考慮するのがりべらーるなら、Bのほうが「より、リベラル」ということになる。



似た話は、既にここでも語られている。

渋谷区の「同性パートナーシップ証明書」条例案についてずーっと考えてるんですけど。 - http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20150228/p1

……解決策ならば、「パートナーとしてお役所に届け出を出した1対1の同性カップルを夫婦扱いしましょう」というやり方よりもさ、

「賃貸物件の貸し主は、借り主(候補)が非親族同士であることを理由に入居を拒否してはならない」
医療機関は、非親族であることを理由に面会を拒否してはならない」
……みたいな条例を作った方が、よりたくさんの人が恩恵を受けられるんじゃないの? むしろ、なぜそうしないの?

もちろん、「非親族同士は家賃が払えなくなりやすい(と主張する貸し主が少なくない)」とか、「ICUでは面会者数に制限をかける必要がある」とか、そういう事情も考慮すべきではあるんだけど。


ただ、これはつきつめていくと「市民連帯」と親和性が出てくるよね?
「結婚・夫婦」の定義や範囲の拡大より、結婚や夫婦に伴うさまざまな諸権利(義務)を、夫婦以外でも任意に選ぶことを選ぼうと。
それが現行の夫婦にならった一対一の排他的なものになるのか、たとえば一対多とか、「こっちに遺産相続権はあるが、病院面会権はあっちに」みたいなバラ売りが可能なのか、そのへんも考えるとややこしい。



さて、長く書いたので疲れた。このへんでおしまい。