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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

転職サイトDODA「ごとき(失礼)」が、キング牧師とチャップリンの演説をCM利用できちゃう不思議(笑)

まあ、これをご覧あれい。
https://www.youtube.com/user/DODAchannel
経由で。もっと短いバージョンもあるけど、大は小を兼ねるで一番長い45秒編で。


ネット時代はありがたすぎて拍子抜けするもので、自分は高校時代、ようやく見つけてコピーでとっておいたこの演説の日本語訳全文が、いまは検索すれば山ほど出てくる。
チャップリン http://logmi.jp/8250
キング牧師 http://aboutusa.japan.usembassy.gov/j/jusaj-majordocs-king.html


で、両方とも、権利問題やら抗議問題などを仄聞する。
正当なのか不当なのか、チャップリンは「山高帽、口ヒゲ、ステッキ、ドタ靴」すらもチャップリンとしての権利が守られたりするし(笑)
 
……と。検索したら、からくりが見えてきたぞ!!!

http://www.chaplinjapan.com/?page=3
チャップリン著作権・肖像権・登録商標について(2013年1月追記)
週に2回は同様の質問を受けますので、こちらにてご案内しておきます。
以下の著作権につきましては、近年も東京地裁・東京高裁(平成21年10月判決)の判例でも出ていますので、守ってください。
(略)
【映像の著作権
A)1918年以降のチャップリン映画は、すべてチャップリン家の会社が著作権を所有しています。
(略)
フィルム上映権とDVD製作権…2013年現在、角川書店が日本での権利を保有しています
テレビ放映権とテレビなどでの使用権…2013年現在、代理店はフランスにあります。日本チャップリン協会までお問い合わせいただければご紹介します。
(略)
【肖像権】
チャップリンの写真、イメージは、すべてチャップリン家の会社が肖像権を所有しています。チャップリンの写真は、日本チャップリン協会に世界有数のコレクションがありますので、本国の許可のもと、お貸しできます。肖像権はフランスに代理店がありますので、当方までお問い合わせいただければご紹介します。

登録商標
チャーリー・チャップリン」という名前とチャップリンのシルエット、コスチューム、チョビ髭に山高帽などのイメージは商標登録されており、無許可で使用することはできません。チャップリンのイメージや写真、動画をしようしたCMや商品などは、制作前に許可を取ってください。物まね芸人も同様に許可が必要です。


チャップリンはひじょーーーーーーに長生きされた&、監督作品や主演作品は「彼の個性が反映された、彼の作品」と認定されているので、著作権切れというのは当分起きないでしょうな。

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080319/1205981602
「サニーサイド」は…チャップリンは,つけ髭,山高帽等の特異なスタイルで自ら主役を演じ……上記作品は,その発案から完成に至るまでの制作活動のほとんどすべてをチャップリンが行っているところ,その内容においても,チャップリン自身の演技,演出等を通じて,チャップリンの思想・感情が顕著に表れていることが認められる
(略)
旧法においても,映画著作物の全体的形成に創作的に寄与した者が映画著作物の著作者であるというべきであり…

 
にしても
「フィルム上映権とDVD製作権…2013年現在、角川書店が日本での権利を保有しています」
ってなあ。だって、日本のアニメ界とライトノベル界に君臨する独裁者が映画「独裁者」の権利を保有しているという(笑)


まあ、それはいいんだ。
もうひとつ。
キング牧師とCM、についてはこんな話が…あれ?検索すればたやすく見つかると思ったが、見つからないので記憶で申し上げる。細部は曖昧だが、こういうことがあったという概要は、ほぼ間違いない。
アメリカの通信会社が、キング牧師が「I have a Dream」演説をした光景の映像から聴衆の姿を消し、キング牧師が一人で誰もいない場所で語っている映像に改変。「だれかに伝わってこそ、コミュニケーションになる。コミュニケーション(通信)って大事ですね」的なキャンペーンをおこなったところ、遺族や団体から抗議を受けて謝罪、CMも中止するはめになった」
という一件であります。


ちょっとこれ細部が不明なので、「キング牧師の演説の”権利者”」が、sの権利に基づいて抗議したのか、権利関係はクリアしてる(あるいは権利自体が、遺族や関連団体にも元々無い)が、道義的な非難や批判を浴びせられたのかよくわからない。



でも、そんなこんながある今の状況の中で、
とりあえず「転職サイト」が「転職=権利、自由」というイメージの中で、チャップリンの「独裁者演説」、キングの「私には夢がある」演説を援用しちゃう、というのは、すっげーーーーーーなあ、とある意味ダイタンさに感心しちゃうのであります。

ついでにいうと、キング牧師の側は権利がどこかにあるのか、そこから権利を取得する形だったのかが不明だから留保するとしても、チャップリンは大本の権利団体が貸しだしにOKしたんだよね?
その結果、少なくともわたし個人は「そうか、DODAチャップリンキング牧師と同じく、人々の自由のために戦う存在なんだ」ではなく、「なんだ、このチャップリン演説もあんまり理念の崇高さとかは関係なく、ショーバイとして成り立つところには売るのね。さもあろうさもあろう。」と、逆にチャップリン側のイメージがDODAに引きずられるというか、そういう目で見てしまうようにちょっとなったことも事実ですわ(笑)。


そういえば忌野清志郎没後、セブンイレブンのイメージソングに彼の歌が使われた。
けっこうハマってたと思うのだが、あれもセブンの企業活動(事業主との契約のエグさなど)と、キヨシローのメッセージは両立しない、的な声を耳にしたっけ。
こっちはいい感じのコラボだと思うんですけどね。

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さて、そんなところで話題が一段落しましたので、書いていて思い出したり、思いついた
話や謎を追記します。

「独裁者」のラストの演説は「映画としての出来を損なった、ぶちこわしだ」という評価もある

詳しくは、町山智浩氏のこの一文を参照のこと。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040814
これを、3.11後の日本で起きたある議論をめぐって、自分が引用した記事もあります。

「ずっとウソだった」へのいきものがかりの批判をめぐって - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110414/p2

(謎)デモや集会、式典、会見の中で、著名人が演説をして、それがニュースで報じられたり、みんなが録画録音したりする。ここで語られた言葉の権利(著作権)は??

あるような気もするし、無いような気もするな。
まあ、なんとなくのイメージで言えば演説集はその後に本になったりもするのだから、権利はちゃんとあるのだろう。ただ、ニュースで流す報道の権利は、もとより別にあるはずだし、これまでネットがない時代は、大抵は全文ではないからね。
ネットメディアがあり「全文革命」がなされている今、演説をyoutubeなり文字起こしサイトで最初から最後まで乗せる権利は。またそれを、商業的、非商業的に関係なく、上の米国キング牧師CMのようにパロディ化するときは?

これはキング牧師のようなピンから「そういう問題ッヒョオッホーーー!! 解決ジダイガダメニ! 俺ハネェ! ブフッフンハアァア!! 誰がね゛え! 誰が誰に投票ジデモ゛オンナジヤ、オンナジヤ思っでえ!」のようなキリまで、問題は同じですよ(笑)??


【追記】著作権法40条というのがある由。リンク先は解説もあり。

http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/copyright/commentary/Act40.html
著作権法 第40条(政治上の演説等の利用)
 (1) 公開して行なわれた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行なう審判その他裁判に準ずる手続を含む。第42条において同じ。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
 (2)  国又は地方公共団体の機関において行なわれた公開の演説又は陳述は、前項の規定によるものを除き、報道の目的上正当と認められる場合には、新聞紙若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、若しくは有線放送することができる。
 (3)  前項の規定により放送され、又は有線放送される演説又は陳述は、受信装置を用いて公に伝達することができる。

(謎)チャップリン協会の公式見解から。実際に起きた「チャップリンの生涯」「チャップリンの挿話」にも、権利って存在するの??

もう一回、協会のサイトに飛んでみましょう。

http://www.chaplinjapan.com/?page=3
【その他】
 チャップリンの生涯や作品にまつわる、いくつかの題材の映画化・舞台化の権利について、日本・アメリカ・スペインなどの数社が保有しています。せっかく企画したのにすでに他社に押さえられているというケースも多々ありますので、具体的な企画の前にお問い合わせくだされば幸いです。
 
 
【「チャップリンと高野虎市」】
チャップリンと高野虎市のストーリーは、チャップリン家の会社の承認とアメリカ在住の高野家の許諾のもと、現在ハリウッドと日本の会社が映画化権・舞台化権を保有しています。脚本はほぼ完成し、まもなく撮影開始予定となっています。

まあ、これはたぶん…こうだと思うんだよね。本当に「チャップリンの生涯」にチャップリンの関係会社が権利を持っているわけじゃなくて、一言で事実と言っても

「XX年XX月、彼はAに対し『B』と言った」というこのエピソードは、この取材者が取材して、あるいは関係者が回想して、「○○」というノンフィクション本or回想記にまとめたものが出典となる。これが無ければ、事実は明らかにならなかった

という場合、この取材者、あるいは回想者には当然その権利が発生しているだろうし、それの権利を持っている、ということなんだろうね。
だれもが知ってて大きく報じられた周知の事実に関しては、さすがに権利は発生しまい。

(謎)「チャップリン」を、過去の時代を描いたフィクションの中に登場させるのは自由だろうか??

いや、つい最近出たからさあ。

天切り松 闇がたり 5 ライムライト

天切り松 闇がたり 5 ライムライト

内容紹介
大人気シリーズ、9年ぶりの最新刊!
ご存知、目細の安吉一家が昭和初期の東京で大活躍。チャップリン来日を巡る陰謀とは・・・?
江戸っ子の粋を体現した伝説の怪盗たちによる、痛快ピカレスクロマン。
 
五・一五事件の前日に来日した大スター、チャップリンの知られざる暗殺計画とは―粋と仁義を体現する伝説の夜盗たちが、昭和の帝都を駆け抜ける。人気シリーズ、9年ぶりの最新刊。表題作「ライムライト」ほか5編を収録。

これはチャップリンの関連会社にしかるべき何かを払ったか、払ってないか。
だんだん「生活笑百科」じみてきたが、グリフォン相談員の解釈では、もちろビタ一文払う必要ないと思う。
これがだめなら「プ○○スタ○ウ○○○」はどうなるっ。「帝○○語」はどうなるっ。
寝た子を起こしているけど。

ま、協会も「同時代のフィクションを描くとき、チャップリンを登場させるときは連絡ください」とは書いていないのだから大丈夫なんだろうね。取り越し苦労なり。

そういえば、このネタも何度か書いていたが…
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130103/p2
『昔ナンシー関が、小さな引越し業者が「ペレ、ジーコマラドーナ・・・」と世界的サッカー選手の「名前」をサッカーボールの映像と一緒に出してるCMを見て「これの権利とかはどうなってるのだろうか」と書いていたな(笑)。』

ところでキング牧師は、日本の現行法ならあと4年ちょいで著作権が消滅するのだが。

マーティン・ルーサー・キング・ジュニアMartin Luther King, Jr., 1929年1月15日 ― 1968年4月4日)」
TPPとのあれこれが決着して改正されるとそうもいかないが、もし現行法のまま2019年の正月を迎えると、キングの発言、演説、文章はすべて自由に日本では使いまくりになる。
 
ところで、「著作権が無くなる」というのはある意味、遺族や後継団体が権利を持っているときは当然抑えることができた「悪意、不謹慎、意図から離れた解釈」も自由にできるってことでもあるんだよな。
それは仕方ない。ある意味受け入れなければいけないものだ。
著作権を失うことは、原典イメージのコントロール権を失うことであり、逆に言えば著作権がある限りで、権利者はそれをコントロールできる…
という話の参考になるのが、下の話。

■新作のホームズ映画に著作権者が怒る「ホームズとワトソンを、同性愛っぽく描くな!」
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120321/p3

 「(略)……彼らが将来的作品で同性愛のテーマに触れた場合、映画化は撤回します。わたしは同性愛者に敵意を持っているわけではありませんが、シャーロック・ホームズの本の精神に忠実ではない人には敵意を抱きます」とアンドレアはコメント・・・


その時は、キング牧師の言葉を利用した、今回のDODAよりアレないろんなCMやら商品やら、みやげ物ややらが繁盛するかしないか。

だれかパロディ職人の方

DODA」のCMと、野々村”号泣”県議の演説?を組み合わせたMAD映像を作れませんか(笑)?