2014年2月3日の読売新聞 時事・思想 筒井清忠帝京大教授。
清沢列は、松岡洋右(国際連盟脱退の全権大使)の外交をこう批判したという。
清沢はいう。外交においては「断じて」とか「常に」という断定的言葉は禁句であり、また結果を急いで求めてはいけない。これまでの全ての公文書よりはるかに日本の立場を認めたリットン報告書に対し、松岡の採った戦術は恫喝と妨害しかない拙劣極まりないものであった。
今絶賛されている松岡外交は「背面外交」とでも言うべきものに過ぎない。背面の国民世論という傍聴席を喜ばせるだけで、肝心の国際世界という裁判席には何も届いていないのだ。
(中略。小村寿太郎が浴びた批判と比較し)
漫罵を浴びても本当の国民の利益を考えてやりぬくのは真の指導者だ。かつてわが国には確かにそういう指導者がいた。しかし今こういう「国士的矜持」を持つものがどこにいるか。彼らは「『キング・モッブ(群集王)』の前に平伏し、恐怖して、ただそのご機嫌を失わざらんことにつとめているのではないか」と。
清沢は「世論を恐るる政治家」が闊歩する現代政治の危険性をこのように激しく指弾したのであった。
政治家が「世論をまったく恐れない」としたら、そっちのほうが何倍も怖い(笑)…ということは承知した上で、それでも「背面外交」という言葉と、「キング・モッブ(群集王)」という言葉・・・これを、知る人ぞ知る流行語としたい。キングモッブの「モッブ」はモブシーンの「モブ」ですね。
その一歩は…、はてな民なのでやはり、まずは「はてなキーワード」にします。ここからコツコツと。