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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

小泉純一郎・細川護煕連携に関する、若干の考察

twitterでかいたことをこちらでもまとめたんで、140字の区切りや大幅な省略などがあるのはご容赦を。適宜補足もした。

gryphonjapan @gryphonjapan

【小泉・細川連携雑感】1:小泉純一郎は総裁選や郵政解散、首相主導の閣僚人事などで「政局に強い」「遠謀の戦略家」というイメージが強いが、実際に総裁になる前は総裁選でも惨敗を繰り返し、非主流の道を歩く「勝敗にこだわらず勝負する」タイプとされてきた。今回、後者への回帰の可能性も。
 

【小泉・細川連携雑感】2、3:今回、小泉が熱心に細川をくどき「絶対に勝てる」と励ました…という報道もあるが、実は田勢康弘が別名で書いたドキュメント政治小説には加藤紘一の「加藤の乱」で「俺だったら不信任に同調するな」と(結果的に)扇動した、という一説がある。実際のところ、小泉は加藤の乱の鎮圧に回り、YKKの連携は終わった。田勢の記述が事実なら、小泉がなぜ決起を促したのかさっぱりわからん(笑)。ライバル追放の深謀遠慮が、カマをかけたら加藤が本気になったか・・・ただ「やるならやっちゃえ!」的な決断が他人のも含め好きなのかも(笑)
 
【小泉・細川連携雑感】4:それでも、勝利した総裁選も郵政解散も、政治のプロほど「勝てるわけがない」と語っていたのはまた事実。街頭の熱狂、真紀子・小泉コンビの誕生、刺客選挙などの世間受けするコンテンツを用意し、それをひっくり返したのも事実。今回の細川登場だって確かにインパクトは大。
 
【小泉・細川連携雑感】5、6:サプライズといえば週刊ポストが、「小泉の意中の候補は細川」と最初に書いたスクープはみごとだった。たしかあの号、新聞の広告などは「小泉意中の候補が『いる』」とだけ書き、細川というのは読まないと分からなかった。たしか自分は「なんだー、書き飛ばしか」と同誌を読んだ自分は、かなりがっかりというか、ああこれはただの願望記事だろうとtwitterで報告した覚えがある。

https://twitter.com/gryphonjapan/satus/419417723588722688
あ、そうだ。報告。本日の週刊ポスト小泉純一郎が押す、「意中の都知事候補がいる」という記事… この人のことでしたよ。どうかな。実現するかな。ちょっと実現可能性は、あやしいな。 http://aishoren.exblog.jp/iv/detail/inde.asp?s=15442754&i=201109/14/58/e0004458_2192581.jpg

あ、文章はおとなしいが、実は内心、もっとがっかりだった。だが事実だった。ポストすげえ
 
【小泉・細川連携雑感】7;ただ日本有数の大部数雑誌とはいえ、週刊ポストだって読んでない人は読んでないし、後追い記事があったわけでもない。 どれぐらいの人が細川の名前が最初に浮上したとき、どんなサプライズ性を感じたのだろうか。これは逆にポストを読んでなかった人の反応が知りたい。
 
【小泉・細川連携雑感】8しかし、根本的な部分ですごいというか予想の斜め上を行くのは、いくら原発問題で違いがあるとはいえ、自分が実質後継に指名した安倍政権と戦うことをあっさり選択できることだ。しかも息子が自民にいて。石原慎太郎はずっと息子を「人質」にとられてたのに(笑)
 
【小泉・細川連携雑感】9、10:この根本的に日本の常識を超えた「不義理」っぷりは真似しようとしてもできない。郵政解散国民新党の代表だった綿貫民輔は、政界で孤立してた小泉の数少ない親友でよく酒も飲んだらしい。まあそこに刺客を立てないわけにはいかないが、今でもよく覚えているのが、それを決めた小泉が「いやー、政治の世界は非情だねえ」と、重々しくではなく、まるでセルフパロディ、冗談のようにあっさりと語った光景だ。自分でやってんだから(笑)。あのあっさりぶりは今回、安倍自民との関係を、もう引退して関係ないとはいえばしっと切ったことに通じる。
 
【小泉・細川連携雑感】11:そういえば、郵政解散時に小泉が語っていたのが「戦国時代と違い、負けても命がとられるわけじゃない」というあっさりぶりだった。普通はそれでも議席や首相の地位、負けの不名誉を恐れて躊躇するのだが「どうせ死なない」って意識があれば、ある意味何でもできる。
 
【小泉・細川連携雑感】12:ただ小泉氏はそれでもいいんだろうが、細川氏もそれでいいのか(笑)。・・・いいのかもしれないな。最初はそこに「引きずり込まれた」のかもしれないが、実際のところその発想は共通してるかもしれない。今は陶芸と襖絵の人、負けてもその仕事に戻ればそれで済むのも事実だ。だから合うのかもしれない。
 
【小泉・細川連携雑感】13、14:ただ小泉の総裁選の熱狂は前任・森喜朗首相の大不人気の反動で、アウトサイダー小泉が大喝采を受けた…という点がある。就任1年でなお支持率50%の安倍政権の下で、どれぐらいの熱狂を呼べるのか。さらには支持層は7、8年前は反小泉だった層だが……ただ「かつての反小泉層が、今回支持に廻るか」という部分では相当巧くいってる雰囲気はある。どうもなんだかんだと、小泉という個性は嫌われてなく「小泉という個性が、自陣営に来てくれればいいのに」って意識は旧・反小泉層にあっただろ。ほらほら?あっただろ(笑)
 
【小泉・細川連携雑感】15、16:そうだ、書き忘れてたが、小泉スタイルは「やるときは100%の賭け金を張る」スタイルだ。実はイラク戦前、ブッシュに対して一番熱心に「国連決議がないと駄目だ」と言ったのは小泉で「日本の相撲の横綱は、必ず相手の攻撃を『受けて立つ』立場だ」「天皇の命令がないと、サムライも戦争しない」と、やや無理がある説得をしていたという。(下の本より)

外交を喧嘩にした男 小泉外交2000日の真実

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だから国連決議無しでイラク戦が始まったとき「理解」に留めないかとか、表現をぼかす手段も事務方は模索した。経緯的には自然だし。だがそこで「支持」を決めたのは小泉の決断。結果的に大問題となったが。
 
【小泉・細川連携雑感】17:そんな感じの「賭けるときは全額賭ける」スタイルからすれば、今回細川と一緒に会見に臨み、応援演説も約束したのはごく自然なのかもしれない。
・・・自分の考えが及ぶのはここまで。あとはどうなるかは、わからない。(おわり)