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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

トラヴィス流の、タックルを肘で封じる”新技術”…紙プロ「カメラマンの源さん」の予言が成就?

記事数を厳選する方式になり、その分、新作が待たれていた「格中」の記事が公開された。

格中 -Fighting Addict-: UFC168 感想と分析part2 ブラウンvsバーネット
http://kakuchu.blogspot.com/2014/01/ufc168part2vs.html

この記事が1月8日、シンガポールUFNのあとになったのはくしくも効果的であった。
というのは、短い攻防だった上のブラウンvsバーネット、
そこでのいわば”新技術”に関して記事は書かれているのだが、それは1月4日にも共鳴していたからだ。

ブラウンは足を広げて安定した土台を作り、きちんと相手の頭を確認してから右腕を振り上げ、ジョシュの耳のあたりを目がけて鋭利な肘を叩きつけた。ジョシュの頭はハパの腿で固定されて逃げ場がない。すべてのダメージが無駄なくジョシュの脳髄に染み込んで…
(略)
…レフェリーが飛び込んでその肘が耳に突き刺さるのを身を挺して防いだ。ハパが足のスタンスを元に戻すと、乗っていたジョシュの頭はずるりと力なく地面に落ち、彼は大地に突っ伏した。

……ハパは以前もこの肘でKOしたことがある。だがその時は後頭部に当たってしまい議論を呼んだ。彼はそれをきちんと修正し、しっかりと確認して側頭部を狙っていった。これでこの技は完成したものとなっただろう。同様の肘は先のウェルター級タイトルマッチでジョニー・ヘンドリクスがGSPに使用しており、その時も極めて有効な攻撃……
(略)
…レスラーは…タックルで腰に組み付いて相手を金網に押し込んで、そのまま数分経過するという展開が多々あった…だがこの肘の登場によって、その展開は一気に減っていくかもしれない。「レスラーキラー」として、この肘はこれから瞬く間に普及していくだろう。

「レスラーキラー」か。
たしかに目を見張る攻防であった。自分もこう書いたっけ。

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131231/p2
…トラヴィスが最後にKOした、タックルを金網にもたれて耐えながら、落とす肘を連打で(回すようにして側頭部に当てるからルール違反ではないらしい)きめる…という技は以前にも見せたらしい。これが彼のひとつの勝ちパターンだとしたら、ひょっとして1選手に留まらないひとつのセオリーが生まれかかっているのかもしれない。


んで……。
これを思い出す人はいないだろうから、俺だけが書いとく。
現物から正確に再現したかったが・・・
本当にUFCの開催がまだひとけたあたりで、ホイス・グレイシーが大活躍していた時代……「紙のプロレス」で写真を担当していた人は、芦原カラテの門下生であり、インタビューや座談会でなぜか「ちょっと待て〜〜い!」と話に入ってきて、持論(主に芦原空手最強論)を論じることで有名でした。
それが「カメラマンの源さん」なのです。
なぜこんなことがあり得たかと言えば、それは当時の紙プロだからとしか言いようが無い(笑)。

その源さんが力説していた、というか実演までして論じていた持論こそが「タックルは上から肘をふりおろせばいい」というものだった。


当時はまだUFC初期だから、ほぼルールは無法地帯なので、この実験もあり得た。しかしUFCはすぐコミッションの規制が入り、そこから派生した日本の総合(JMMA)はVTJの時代からPRIDEまで、(頭部や脊髄への)肘打ち禁止となり……この技が”証明”される機会は失われた。
 
 青木真也vsJZカルバンの1試合目が、それでノーコンテストになったのは有名だ。
D


ただUFCのほうでは、何度かのルール改訂があったり、ルール解釈の幅が出るようになった。特に肘は、振り下ろしは禁止だけどそれ以外はOKとか頭部はだめだがそれ以外とか多少ややこしくなった。
そしてトラビスが失敗も経験した上で、工夫を凝らして、回すようにして「側頭部」を肘の打ち下ろしでぶったたく技術を開発。
 

みんな何万年も前から腕が2本、足が2本あるのは変化がなく、それで戦う格闘技の技に「流行り廃り」があるのもへんな話だが、事実としてそういう流行はある。
今回はルールの問題もあるから、「新戦法・レスラーキラー(あるいは「グラップラーキラー」かな?)」が最近登場したことも理由はわかる。


しかし、当たる位置によっては反則と紙一重になる。
このような事例もまだ後を絶たない

http://mmaplanet.jp/archives/1824088.html
真っ直ぐ左からローを放つストラッサーだが、ドゥトラの右がヒットする。右を打ち込んで組みついたストラッサーに、ドゥトラはエルボーを後頭部に連続に入れる。キャンバスに崩れ落ちたストラッサーは試合続行不可能に。ドゥトラが反則のエルボーで失格となり、ストラッサーは担架で運ばれる反則勝ちとなった。


ただ、MMAの新戦法という話を今離れて、「路上の現実」的なことを考えれば…遠慮せずに後頭部や首の頚椎、脊髄に肘を落とすというガクブルな「タックル切り」の攻防も、ひとつの可能性としてはあるのだろう。これだって以前からずっとそうではあるが、試合の中でその戦法とルールがクローズアップされると、逆にルール無用のストリートファイトの想定でも、「試合なら反則」という技術に注目が集まるのだ。
まあ、レスラーはもちろん、ストリートファイトなら「インサイドガードからの頭突き」が解禁されるけどね!!コールマンサイキョ。


とにかく、そのように2014年の最新MMA技術から、約20年前に初期「紙のプロレス」の名物男だった「カメラマンの源さん」を思い出したという(笑)。おれだけだ(笑)。


あの人は、今も元気だろうか?

芦原英幸正伝

芦原英幸正伝