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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

12月23日、東京・池袋サンシャインビルわきの公園は”聖地”になっていた…すなわち、東條英機らA級戦犯の処刑日に。

昨日載せたかったが、記事をかけなかったので少し出し遅れながら。

まずこの日、千代田区1丁目は例年のように大群集が集まっていた。

天皇陛下80歳のお誕生日祝う一般参賀、2万8945人訪れる
http://www.sanspo.com/geino/news/20131224/sot13122405040005-n1.html
 天皇陛下の80歳の傘寿のお誕生日を祝う一般参賀が23日、皇居で行われ、宮内庁によると平成の天皇誕生日では21年の3万560人に次ぎ2番目に多い、延べ2万8945人(記帳者含む)が訪れた。陛下は皇后さま、皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻と長女の眞子さまとともに午前中に3回、宮殿・長和殿のベランダで手を振り、祝福する人々に応じられた。

皇居の主の「80歳」という年を聞き、「平成の黄昏」を不謹慎ながら感じた自分は、その様子を観察したくもあったが、午後にも参賀があると勘違いして行けず(午後は記帳のみ)、まあ自分は混雑が嫌いなので、あの列に並んで…ともしなかっただろうな。


で、その日は、もうひとつの記念日がある。もうこのブログの読者には説明の要はないだろうが……

昭和23年12月23日、真夜中の巣鴨プリズン
時計の針が午前零時を回るとともに、7人の男たちは13階段を昇り始めた。
東條英機土肥原賢二武藤章松井石根板垣征四郎広田弘毅木村兵太郎
大日本帝国万歳! 天皇陛下万歳!」
最期の声が、凍てつくコンクリートに響いた。
・・・だが、なぜ彼らはその日に処刑されなければならなかったのか?
その日は、皇太子明仁の15回目の誕生日だというのに・・・

猪瀬直樹からのメッセージ。
「これは単なる偶然ではない。皇太子明仁の誕生日に東條英機が処刑されたという歴史的事実をひとつの暗号とみて戦後史を読み解くべきではないか」


で、この日あたくし、東京都豊島区の南大塚に用事があったのでした。
JR大塚駅から降りればすぐだし道に迷わないのだが、池袋で降りてみたなりよ(そのせいで道に迷ったが)。
この碑を訪ねるためだ。

…なんと上に出てくる「巣鴨プリズン」は、今は水族館やオリエント博物館がある、素敵なおしゃれスポット、サンシャインビルのあるところだったんですよ。

これ、オカルトマニアの間では有名みたいね。

http://xn--zckuap6f2411a5kyd.net/sinrei-supotto-toukyou11s1.html

昭和53年にサンシャインシティが完成
サンシャインシティに至ってはここを建てる工事中に沢山の転落者が出た

この時にさすがに、
巣鴨プリズン内の絞首台が建てられた場所(処刑場)は、敷地外になった。

その敷地外になった場所が、東池袋中央公園の場所である。
昭和55年に完成し、同時に平和の碑が建てられてる

たしか、心霊スポットめぐりのルポ漫画「ソレミテ〜それでも霊が見てみたい」にも登場してたかな?


で、その場所についてみて驚いたには……
実を言うと「皇居が数万人の祝賀の民衆で埋まる一方、この碑は訪れる人もなくひっそりと…」というふうな文章を書こうと決め打ちしていたのだが・・・。

それほど
ひっそりしてなかったよ!
けっこうこの日にここを訪れ、花や線香を供えている人いたよ!!
自分は昼過ぎのほんの数分しか滞在しなかったが、手を合わせる人、写真を撮る人が5人ほどいたな。アレな団体の人には見えず、一般の人のように見えた。


まあ、A級戦犯だけで7人。何人かは歴史の教科書にも載る、知名度と言う点では重要な人物だ。その命日に、記念碑前にこれぐらいのものがおかれているのは普通…かな?

あ、そういえば「明治神宮のような、昭和神宮を造ろう」というチラシを配られたな。探せば出てくるかもしれない。あとで探そう。


辞世の句

おかれていたもののひとつは、戦犯の辞世の句集らしい

探してみよう
んー、ところが、検索して見つかった下のリンクは、写真と大いに違う
たぶん獄中でヒマでもあった(笑)彼らは、その期間中いくつも「辞世の句」を作ったのであろう。上の写真は、供え物をした人の好みによる選のようだ。
ちょっと解像度が低くて申し訳ないが、かろうじて写真は写真で読めるかしら?
たとえば東條は
「我ゆくもまたこの土地にかへり来ん 国に報ゆることの足らねば」
という歌が写真では読める

(※写真の句とは別物が多いです)
http://ameblo.jp/midre/entry-11714455292.html
東條英機       散る花も、お落つる木の実も心なき さそうはただに嵐のみかは

             今ははや 心にかかる雲もなし 心豊かに西へぞ急ぐ
 
土肥原賢二      天駆けのぼり 逝くらん魂は 君が代千代に 護るならべし
 
板垣征四郎      今はただ 妙法蓮華経と唱えつつ つたの峰へと いさみ立つなり
              大神の御霊の前に ひれ伏して ひたすら深き 罪を乞うなり
 
木村兵太郎      うつし世は あとひと時の我ながら 生死を超えし 法のみ光り
 
松井岩根       世の人に 残さばやと思う 言の葉は 自他 平等 誠のこころ
 
武藤 章        散るもみじ 吹かるるままの行方かな

たしか広田弘毅だけは、「わたしはやめておきます」と辞世の句を読まなかったんだっけ。
http://www.geocities.jp/matudaiaisawa/kokoro/zisei.htm

そんなくだりが小林よしのりの本に出てた。

いわゆるA級戦犯―ゴー宣SPECIAL

いわゆるA級戦犯―ゴー宣SPECIAL

この碑も「主語」ないね(笑)

原爆記念碑も「この文章では責任の所在が曖昧だ」みたいな批判の話があったが、この碑も相当曖昧だぞ。まあ永久平和を祈ってるんだからいいことなんだが。田舎にはよく「世界人類は平和でありますように」とかあったが。
「死後 さばきにあう」・・・あれは違うか。「俺たちは生前にあったよと言われるもんな。

この碑に手を合わせる

さて、自分はこのA級戦犯の記念碑(まあ表面上は永久平和を願う碑だが)に手を合わせた。
これは、「政治上や社会上の善悪の評価と、その死への追悼を別ものと考えている」からだ。だから21世紀のユーラシア大陸末端に君臨した、狂気の独裁者が死んだときも

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20111219/p1
(略)…先ずは1人の人間の死であるから、政治的評価や断罪とは別の部分で追悼し、その霊の平安を祈る。彼が無神論者であったのかどうかはともかく、これもまた「みなしの自由」の一種だ。

と書いた。同じようにお台場「船の博物館」に展示されていた、この独裁者の野望の道具となり、命を日本海に散らした兵士たちにも手を合わせたものだった。

この花は、当時、日本財団の会長だった曽野綾子が添えたものだったという。

http://nippon.zaidan.info/kinenkan/moyo/0001213/moyo_item.html
一般公開が始まる2日前、私の勤める日本財団曽野綾子会長から工作船にゆりの花を供えたいとの依頼があった。花の傍には、「2001年12月22日、九州南西海域で沈んだ朝鮮民主主義共和国の若者たちに捧げる。日本財団会長 曽野綾子」との文が日本語、英語、ハングル文字で添えられている。

ただまあ、その独裁者の記念像も、
引き揚げられた工作船も、
東池袋公園の石碑も、
この(架空の)碑の文章を転載したほうがしっくりくることも事実だな(笑)

【すぎゆく人よ、わが死に涙をそそぐな/もし私が生きていれば、君は死ぬだろう――マクシミリアン・ド・ロベスピエールのための作者不明の墓碑銘】
(読売新聞「編集手帳」より転載)

批判的にでも肯定的にでも、「12月23日のA級戦犯石碑前の風景」は取り上げたほうがいい。

今回、「命日にもひっそりしているに違いない」と思ったら追悼者、見学者(野次馬)が多数いて驚いたという話は上の通りだが、「この光景、テレビとかが撮ったほうがいいんじゃね?韓国や中国のテレビ局も含めて」と思いました。
(自分は他の参拝者の写真は遠慮して撮らず)
ナレーションは「危険な軍靴の響きが」でも「自虐史観に疑問を抱く人が増え」でも、どっちでも使えるぞ。使い勝手いいぞ。場所的に取材もしやすいぞ。


どこかのテレビ局では放送したのかな?


もしないなら、来年は、皇居の一般参賀のついでにここの画像も抑えたほうがいい…と、プロアマのカメラマンに提案しておくしだい。
どこも画像を押さえてないなら、一種のスクープだ。


まあ、真夏の夜の肝試しカップルやあんちゃんたちの集団のほうが、数的には多く、にぎわうかもしれない。

追記 はてブから

id:aitanisan
社会 巣鴨プリズンのオカルトに関する話で思い出した事を一つ。実はサンシャインビルの近くに「乙女ロード」という“聖地”があって、その“聖地”のおかげで巣鴨プリズンの幽霊がほとんど出なくなったとかなんとか。

あっ、そういえば、周囲にそういう看板は多かったような気がする。