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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

映画「コンプライアンス 服従の心理」を見てきました


予告編で大体のところはわかるだろうか?
ややくわしくあらすじを紹介したブログもあったので引用
http://ironboy1203.blog.fc2.com/blog-entry-182.html

事件の流れは


■ファーストフード店などのお店に警察を名乗った人物から電話がかかってくる

■その人物いわく、「お店で働いている女性店員の1人(適当な特徴をあげると大体一致する店員がいる、もしかしたら下調べなどしていたのかも)に財布を盗まれた」という被害者がいて、捜査の関係で電話をかけたのです、
という事らしい

■その人物は「なので店長などの業務上の責任のある人物がいたら、今この場で身体検査をしてほしい」と続ける
 拒否した場合は「財布を盗んだから身体検査を拒否している、責任者もその疑惑を知りつつ何もしなかった」という事になってしまうため、店長や責任者は言われるとおりに女性店員に対して身体検査をしてしまう

■後に電話はいたずら電話だったことが判明するも、身体検査の内容があまりに過激なものに及んでしまった ために、取り調べを受けた女性からの訴訟問題等に発展する

さて、こういう「人間心理操作もの」というか「マインドコントロールもの」・・・なんとジャンルわけするべきなのか、まだぴったりしたものが思いつかないけどもね。こういうジャンルは非常に好きなので、わざわざ小劇場まで行ったのだけども。


ただ、「電話で警官を名乗って、相手を思い通りに動かす」
というのが、日本では毎日5件も10件も「振り込め詐欺」「母さん助けて詐欺」として発生している。また、電話で医学的調査のふりをしてわいせつな言葉、質問を投げかけたり、その手の行動をしなさいと命じて性的に興奮する、という事件もよく発生している。
 
■ほんとに保健所からの電話でしょうか?
http://okwave.jp/qa/q7578958.html


だから目新しい話かといえばそうでもないが・・・ただ「振り込め詐欺」が話題になったときも、博識で知られるエッセイストが「こんな珍妙な、不思議な詐欺が存在しているという。にわかには信じがたいし、とても成功の望みなんかなさそうだが(声で息子か、そうじゃないか分かるだろ、との理由)」
知らない人からみたらやっぱり不思議でなぞめいているのかもしれないのだ。
映画も、だまされた人には「犯人が巧妙だったよね」としか言い様がなく(何しろ服を脱がされた女性自身も警官と電話でやりとりし、ある程度納得したり同意しているのだから)、特に背景として差別感とか反感とか、嗜虐性があったようには見えない(そう解釈し得る表現も無くもないが)。
自分はこの映画の公開前、予告編youtubeに、はてブをつけていたけど、こう書いた。

所謂ミルグラム実験アイヒマン実験)にもマインドコントロールにも通じる興味深い映画だが… ただもう一つ、この場合「電話を信じ込んだ人も被害者。責めるのは気の毒」との論法は成り立つか、つう厄介な問題あり

「マインドコントロールされてたのか、じゃあしょうがないね」
「相手が偽電話でだましていたのか、じゃあしょうがないね」
・・・・・と免罪するのも極端だ。だが「人間として当たり前の判断力、道徳心や倫理があれば、あんな偽電話の命令を拒否できて当然だ」
というのもまた極端で違う議論だと思う。
映画自体は実話を尊重したのか、劇的な盛り上がりやどんでん返し、心理戦が描かれているわけではなくやや一本調子だ(舞台もハンバーガーチェーンの店内と、その休憩室、出演者も店員など限定的)。だが、そのへんの問題・・・とくに、店の責任者である店長やそれに従った人たちの「責任」は問えるか?というジャッジペーパーを心に持ってみると興味深いとは思う。

逆に日本の「振り込め詐欺」を映画化したら、たとえば外国では「こんな事件があるなんて!」と興味をもたれるのかな・・・。