「舟を編む」見てきました
本屋大賞を受賞し、
辞書作りを描く作品…、
という以上の予備知識は無しでの観賞です。つまり原作は未読のまま。
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/09/17
- メディア: 単行本
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以前、「シュトヘル」についてかいたとき
自分は、文字だけでなく「知識、歴史、思いを記録し、伝えていく」 こと自体をひとつのジャンルとして好んでいる。
仮に「文化伝達もの」とジャンルを仮称しておく。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120425/p6
シュトヘル1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: 伊藤悠
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/03/30
- メディア: コミック
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と同時に思ったのは、「いろいろな仕事があれば、いろいろな人がその所を得る」ということだ。主人公はいろんな意味で、普通の仕事は向いていないが、こと「辞書作り」に関してはその性格も個性も学んだこともすべてプラスに働く。ただ作品を見ていて、現在2013年では「滅びの歌」も感じさせられたことも事実だ。十数年前が舞台で「PHS?うわーめずらしい」「こういう言葉も今度辞書に載せたいね」「この辞書が完成するころには、電子辞書が主流なのかもしれないなあ」というようなやりとりがあるぐらいだから「ウィキペディア」という言葉は作品には出てこなかった。
辞書が駆逐されることは、もちろん当分はないだろうけど・・・それでも採算が危ぶまれる程度にはその場所が狭くなっている、ような気がする。
浅羽通明が「昭和三十年代」主義の中で書いたことのうろおぼえだけど「昭和三十年代にひとと人のつながりが今より濃密だったとしたら、それは『人手』が今以上に必要だったからだ。いざというときはやはり人がいないと、生産・仕事に差し支える。だから親戚同士の付き合いも、職場の仲間との付き合いも必然的に濃密になった」と。
辞書の用例カードに、「用例採録」した新しい言葉をひとつひとつ書いていくのに向いている人は、辞書があるからこそその場を得られる。ウィキペディア時代に、そんな場は広まるだろうか・・・
ただ、ラッダイト運動の時代から「この機械でXXの仕事が無くなる」といわれながら、トータルで仕事は数も種類も増えてきている、ような気がする。あまり心配は無いのかもしれない。
あ、そうだ。この作品の後半で、用例を町で探していた関係者が「BL?」「ボーイズ・ラブのことですよ」というやりとりをしていたのだが、2013年現在、BLを採用した辞書はあるのでしょうか(笑)。
まったくどうでもいいが、監修者役をずっと、「うーん名前出てこないけど、見覚えあるなあ。俺が俳優の顔に見覚えがあるとしたら相当な有名俳優のはずだが・・・」とか思いながら見ていた。
最後のテロップ見たら
「お奉行様」でした。
それより先に「辞書づくり」でドラマをつむいだ岡村健太郎「愛斜堂」がある!これに便乗して復刊せよ!!
要らぬ知識と屁のような理屈のワンダーランド!!!
- 作者: 岡本健太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/04/06
- メディア: コミック
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今までにない新しい辞書を作るため、愛斜堂出版辞典部の5人は今日も編集会議に余念がありません!!
2005年に1巻が発売された。(2巻は・・)「舟を編む」より何年も前に、辞書を作るという得意で面白いシチュエーションに着目して漫画を描いた岡本健太郎、さすが山賊ダイアリーの著者は前から違っていた。
何が違うかというと、
主にデッサンが違う(笑)
これは・・・だから「山賊ダイアリー」って、絵の技術はすごく上がってるんですよ、あれ(笑)。
もっとも、辞書作りの会議=言葉について議論する場、というシチュエーションを利用し、あれやこれや言葉から変な想像やへんな定義を膨らませる・・・という点では「伝染るんです。」などの吉田戦車作品や「サナギさん」などの施川ユウキ作品、相原コージ「コージ苑」のような、同じテイストのショートギャグ作品は多い。
- 作者: 相原コージ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1987/11
- メディア: 単行本
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- 作者: 施川ユウキ
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2005/07/08
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- 作者: 吉田戦車
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/04/05
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だ、もので・・・山賊ダイアリーもマンガ大賞にエントリーされたりしてる今!!この漫画のパクリ小説(どこがだ)である「舟を編む」が映画化された今!!まさにこの「愛斜堂」は復刊されていいんじゃないか、と思います。
もちろん責任はとれない(笑)。
ただリスクやコストでいうなら、こういうときこそ電子書籍か、Jコミックか・・・
まあいまや、「山賊ダイアリー」路線をうまく進んでいけば文化人っぽいポスト(ネクスト矢口高雄)の地位もあるから、逆にこれは”封印作品”かな(笑)
「山賊」3巻発売ちう。
空気銃で鳥を仕留め、山を見回り、罠を仕掛ける。獲れた鹿を捌いて食い、余った肉で燻製作り、付け合せは河原で採れたクレソン。とはいえ、時には暗い山の中で数時間も過ごすハメに……狩猟は自然の恐怖と隣り合わせでもある。近代的なマンションに住みながら、ちょっと山まで狩りに行ける、猟師・岡本の生活をあなたも味わってみませんか? おまけの1話「天然スッポン」の回も収録。
- 作者: 岡本健太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/03/22
- メディア: コミック
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