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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

オセロ中島氏を含め、やっぱり「マインドコントロール」って概念は使い方難しい&現在「弁護士のくず」でこのテーマをやってる

http://getnews.jp/archives/314307

ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)の、90分間に及ぶインタビューに答えたオセロ・中島知子(41才)。この模様は3月29日、4月1日の両日にわたって放送された。

 マインドコントロールについては、「意味がわからないです。されてないですし…」と完全に否定。女占い師・Iさん(44才)については、「生活が楽しくなるように人生相談をする方」と、友人関係を強調し、Iさんをかばう発言ばかりが目についた。そんな中島を見て、多くの専門家が“今もマインドコントロール状態にある”と指摘した。

 そしてこのインタビューで、中島は特定の人に対しての不信感を露わにしている。まずは今回の騒動でいちばん尽力した両親。奪還後の自身の扱いについて、こう言って不満を口にした。

「あまりにも“家の中にいろ”と言われたのが、自分の中でちょっと我慢ができなくなったのもありまして…」

自分はオセロ中島さんがフツー?の状態だったころのお笑いとか見てないんだけど、この騒動は・・・・自分はやっぱり「マインドコントロール」って、けっきょくどうやって「この人は、マインドコントロールされた状態になってます」決められるんだろう、という視点から注目していた。

で、昨年、この本が出たときはすぐに購入して読んだのだ。
このアマゾン開設が充実しているので、長くなるけどそのまま引用しよう。

あなたのすぐそばにある危機のすべてがこの一冊でわかる!

オセロ中島、X ジャパン Tosh1……。なぜ占い師や霊能者、詐欺師にいとも簡単に騙されてしまうのか?
様々な手口で私たちを狙うカルト宗教、霊感商法など。その巧妙な手口を、被害者救済の第一人者が徹底告発! さらに、その対策をわかりやすく解説する。
   

素朴な疑問にズバリ答えます!
●恋愛中の男女もマインド・コントロールにかかっていると言えるのか?  ●コーチに心酔するスポーツ選手もマインド・コントロール? ●「性格のよい素直な子」たちがなぜひっかかる? ●「マインド・コントロール」と「洗脳」は、どう違う? ●マインド・コントロールで駆使される心理テクニックとは? ●家屋敷まで巻きあげる手口とは? ●「脱マインド・コントロール」の手法とは? ●なぜ日本は「世界的なカルトの吹きだまり」なのか?
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マインド・コントロールに関する騒動が芸能界で起きると、ワイドショーのコメンテーターから、「自己責任ではないか」とか「マインド・コントロールにも良いものと悪いものがある」といった意見が必ず出てきます。
しかしこれらの意見は、被害実態や事実を直視しない意見です。私は、いまなおこのような誤解が続いていることに驚きを禁じえません。

私は、統一教会のさまざまな事件、神世界事件、X JAPANのTosh1さんが入っていたホームオブハート事件はじめ、数々の事件を被害者側の弁護士として手がけてきました。
マインド・コントロールされた多くの人々に接し、マインド・コントロールが解けていくプロセスにも何度も立ち会ってきました。どのような手口を使い、どう罠にかけるかもすべて見てきました。本書では、そこで明らかになった「手口」を詳しくお話しました。
みなさんがこの本を注意深く読んでくださり、マインド・コントロールの被害者が一人でも少なくなることを、私は願っています。 (「まえがき」より)
内容(「BOOK」データベースより)

※この本は2017年に「決定版」に改訂された。古い本とその部分で記述が違うかは不明。





自分の興味の持ち方は、この話とも関係している。

■万引きは「病気」じゃないか、という話…からいろいろ話題は広がる。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130110/p3

このへんは法律の、一番弱いところをつかれているんだろうな・・・。とは思うんだがな。
全財産を放り出す。
詐欺商法の片棒をかつぐ。
言われた相手と結婚。
仕事を辞める・・・・・・・・・・・・。
どんな活動も、「自分の意志」で行うから責任があったり、違法行為は罰されたりする。
でも、マインドコントロールは、その根本が違うわけだからね。
おまけに、マインドコントールされてる人とされてない人の区分は、紀藤氏の本を読んでも、やっぱりあいまいであるしかないようだ。


この場合、「マインドコントロールなんて現象はそもそも科学的根拠が無い。疑似科学であり、トンデモ概念である」という、極端な反対論を頭に思い浮かべ、その反対者との対話をしている紀藤氏を想定しながら読むと面白い。文章も語り口調なので、ぴったりはまる。

ウィキペディアの「マインド・コントロール」から、それがあることへの疑問の提示部分を引用。

マインド・コントロール理論への批判的見解 [編集]
ある種の宗教団体が信者に対してマインドコントロールをしているといういわゆる「マインドコントロール理論」は、米国の裁判においては採用されなかった。この理論の主唱者であった心理学者のマーガレット・シンガーは、米国心理学会内の有志によって、彼女の主張は科学的な裏付けが乏しく心理学者の間で一般に認められてはいないことを指摘する法定助言書が提出されたことにより、裁判で専門家として証言することを裁判官から許されなかった。このように、この理論は疑似科学と見なされるべきだとする学者もいる。
(略)
(より詳細な情報は、「外部リンク」にある「宗教社会学者によるマインドコントロール理論への批判」「『マインド・コントロール』論争と裁判−『強制的説得』と『不法行為責任』をめぐって」を参照のこと)
 
  
■信教の自由とマインドコントロール問題 [編集]
基本的人権には「信教の自由」があり、これは当人が如何なる信教を支持しようとも、それは当人の自由であるという理念が存在する。ただ、これがマインドコントロールの問題では、当人の価値観が操作され、健全な判断能力を失っているとみなされる。この場合において、信教の自由と当人の保護という問題の狭間で、議論も見られる。
統一教会の問題では、同団体がマインドコントロール手法を用いていることが指摘され、脱会説得をめぐり、当人の自由意志が「信用できない」という問題を含んでいるため、当人の主観(→客体)とっては「不当な拉致監禁や人権に対する侵害」となり、一方の当人がマインドコントロールされているとみなしている側にとっては「保護と説得による霊感商法からの離脱」となる。こういった問題は、第三者が当人がマインドコントロールされているか否かという判定を下す必要があり、難しい問題を含んでいる。


ただし、裁判での判例としてはもう出ているのだという。この本の60−63Pに、2000年9月14日、広島高裁岡山支部での統一協会が被告の「青春を返せ訴訟」の二審判決が出ている。
ウィキペディアの項目から。

不法行為が成立するかどうかの認定判断にマインドコントロールという概念は使えないとしたものの、「教義の実践の名のもとに他人の法益を侵害するものであって、違法なものというべく、故意による一体的な一連の不法行為と評価される」と述べた判決は、実質的には「マインドコントロール」を認めたのと同然と評価する向きもある

紀藤氏の解説は。

まとめるとこうです。−−マインド・コントロールがあっただけでは不法行為とは判断できない。しかし、マインドコントロールは心理状態の説明になる。そして統一協会が実際に行った布教行為や勧誘行為の実体をみれば、目的、方法、結果が社会通念上、認められる範囲を逸脱しているから、それは不法行為である。

ただし、その直後に

ところで「マインド・コントロール」という言葉は心理学用語として確立している用語ではありませんし、右の判決文から分かるように「法律用語」としても確立した用語ではありません。心理学者に「マインド・コントロールとは何か?」と訊ねると、「そんなものはない」と答える人すらいます

紀藤氏は『しかし社会的用語、社会的キーワードとしては「マインド・コントロール」は普通に使われている』とね。

マインドコントロールとそうでないものの違い

紀藤本55Pから。

マインド・コントロールと似たようなところがあるように見える事例と、私達が問題にするマインド・コントロールは、どこがどう異なるのでしょうか?両者の違いを見分けるカギは、その時代の社会通念や一般的な社会常識を前提とした「法規範」や「社会規範」です。
(略)イスラム教国の例では、生まれながらみんなアラーの神に帰依することも、日に五回の礼拝も、歴史や社会や文化に深く根ざした社会通念や社会常識そのものです。それを異なる文化圏から見て「マインドコントロール」などというのは余計なお世話・・・


なんか、調子の悪い先発ピッチャーを見た野球ファンが「もっとピリッとせんかい!」、「めぞん一刻」を読んだ読者が主人公の男女二人に「もっとはっきりせんかい!」と言いたくなるような、「あいまいなマインド・コントロールの私」なんだが・・・人の心、を議論するとなると、結局こういうふうにするしかないのだろうな。


だが一方で「やっぱり根本的に、マインドコントロールって本当に存在するの?」「もしある宗教を信じ”させる”ことがマインドコントロールなら、その宗教をやめさせる、奪回するのもマインドコントロールじゃね?」という議論もでてくる。

そこで、何度か紹介したが、この本をやっぱり読んでもらおう。

※この本は2022年に電子書籍で復刊された。



実はここで2冊の本を紹介した著者、相互に因縁がある・・・様子だ。
「紀藤正樹 米本和広」でのグーグル検索結果kで一端がわかる。だが、あまり深入りはしたくない(笑)。

さらにいうと、カスタマーレビューでも百花繚乱だね。
ただ、上の「そもそもマインドコントロールって疑似科学じゃない?」論や「脱マインドコントロールも別の方向からの洗脳ってことじゃないか?」という論を展開する本はあまり見かけないので、そういう点で役立つと思う。実例もいろいろと・・・
ただ、統一協会が過激な犯罪(詐欺)活動をしていた時代、そのリアクションも大きく、また家庭の問題という部分があるから、個別に行動をする人も多く「ひどい奪回の仕方」をするところはひどかった、という事情も考えねばならない話。・・・だんだん洗練というか、実例を積み重ね、それを共有して脱統一教会のあり方もひところよりは穏当になっているようです。


さて、その本を紹介・・・しようと思ったら、すまんどっかいっちゃった(笑)。よくあることです。しかも大幅に時間を食い、予定の時間が迫っている・・・。今日は本の存在だけで、内容は後日(にできるかな?)

ちなみに紀藤氏の本にも
■「脱マインドコントロール」もマインドコントロールなのか?
という項目があり、答えているほか

統一協会側は「脱会ビジネス」として、ありもしない幻想で誹謗中傷を繰り返していますが、そんなビジネスが成り立つはずもありません(188P)

としている。

紀藤正樹弁護士twitter
https://twitter.com/masaki_kito
 
米本和広ブログ「火の粉を払え!」
http://yonemoto.blog63.fc2.com/
 
あとひとり、マインドコントロールは「ある」という立場に立って、存在否定論を批判している人に西田公昭という研究者がいます
https://twitter.com/nishidak0705

Kimiaki Nishida
@nishidak0705
マインドコントロールの研究者です。専門は社会心理学。特に詐欺、悪質商法、テロ集団、カルトなどで信じる心理。立正大学心理学部教員で日本脱カルト協会代表。ほかに介護、看護、恋愛やコミュニケーションなどいろいろ応用社会心理学の分析します。
Shizuoka⇔Tokyo, JAPAN

弁護士のくず」でもいまマインドコントロールを扱っている。

、巨大な教団とか自己啓発セミナーじゃなく「親身になって相談にのってくれる”街の親切おじさん(若干占い師入ってる)”」が、裕福な一家の不和につけ込み・・・を描いている、のがタイムリーです。


また、大きなタブーである「もしマインドコントロールされている人間を救うとするなら、最初は意思に反して、実力行使でつれてくるのもやむを得ないのでは?」という問題も漫画として描写されています。

作画者は、「教団」を描いた「少年の国」という本があり、呉智英も宗教漫画の傑作として折に触れ紹介しています。オウム事件の前だったか、あとだったか・・・

高校の同級生柴純一の自殺の瞬間を見て以来、浅川聡美の回りでは不思議な事が起るようになってきた。本当に柴の霊が聡美に乗り移ったのか? それとも誰かの陰謀なのか? ついにはマスコミも聡美の事を霊感少女の出現だと騒ぎ出して…。謎の男・出門によって“神の預言者”として祭り上げられた聡美は教団“エコー”のリーダー的存在となった。人間中心主義こそが人類を滅亡させると確信する“エコー”は攻撃の矛先を自然破戒企業に向けていく…。神を見た少年達の破天荒な思念と行動の結果は?

まだ在庫あるっぽいかな??・・・ああないね、中古品販売のみだ、それも高値が付いてる!