読売新聞「編集手帳」、あと東京新聞「筆洗」で取り上げられ、前者は江川紹子氏がtwitterでも紹介したので広まったはず。自分はうっかり引用し忘れたが、2日遅れで。
作家の命日には人によって特別の呼び名がある。多くは筆名や代表作などにちなんだ命名で、「桜桃忌」(太宰治)や「河童忌」(芥川龍之介)、「菜の花忌」(司馬遼太郎)などがよく知られている◆なかには背筋の冷たくなる呼び名もある。〈胸底の枯野ひろがる虐殺忌〉(角川春樹)。小林多喜二の命日を「虐殺忌」といい、・・・(略)
◆母セキが多喜二を偲んだ手書きの紙片が残っている。小学校にも通えなかった母は監獄の息子に手紙を書くために必死で文字を学んだ・・・(略)〈あーまたこの二月の月かきた ほんとうにこの二月とゆ月か(2月という月が)いやな月 こいをいパいに(声をいっぱいに)なきたい…あーなみたかてる(涙が出る)めかねかくもる〉・・・(略)
引用されている「角川春樹の短歌」についても後日記事を書きたいことがある。
「筆洗」は有料読者のみネットで読める編集手帳とは違い、リンク先から無料で読める。ただまあ、編集手帳子と並べて、読者に読み比べさせるのは書き手に気の毒なところ。なまじテーマがかぶったゆえに、申し訳ない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013022002000140.html
昭和五年八月から翌年一月まで、東京の豊多摩刑務所に収監されていたプロレタリア作家の小林多喜二は、私淑していた志賀直哉に手紙を送っている▼「この太陽の明るさは! それはまるで、北海道の春か十月頃をしか思わせません」。東京の冬の日差しに驚きを隠さず、出所したら「必ず一度お訪ねしたいと思い、楽しみにして居ります」とつづって・・・