INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

DJ.taiki、チェ・ドゥホ…、新たな「挑戦者」が王者を狙う

ひさびさにDEEPを観戦しました。
サムライTVでのニアライブがないからしょうがない。まあ後半戦にはDREAMなり戦極を経験している選手が普通に登場してくる、豪華な大会ではあるのです。

DJ.taiki、3度目の前田吉朗挑戦へ

死神ストライカDJ.taiki北田俊亮の試合は実に見ごたえあるものとなりました。北田は組み付いて、そこからフロントチョークが大きな武器。公式戦中、この技でタップを奪った回数は日本で一、二を争う。DJは当然ムエタイ的な打撃が得意だが、ここ最近、もともとバックボーンのひとつでもあったレスリングをさらに強化し「レスリングとパウンドも強い」がひとつの売りになっていた。
まさに試合ではこの分かりやすい特徴・・・つまり両選手のいいところが交互に出てきて、「わかりやすい、説明しやすい」、言い換えればいい意味で「漫画っぽい」試合でした。
DJの打撃を潰して密着、「おんぶおばけ」的にDJにしがみついて絞めようとする北田!
しかし、その北だの組みつきを逆に利用し、典型的な「首相撲状態からのヒザ連打」に捉えるDJ!ダウン気味に崩れる北田!
しかしもう一度首相撲を狙ってヒザを放つDJが一本足になったところを狙って、北田がこの日テイクダウンの中心としていた「足払い」が見事に決まる!!
しかし、最後の最後、もつれた組み合いの中でタックルを切って上になりパウンドを降らすのはDJ。死闘の結末は、グラップラーの北田よりレスリング力が強かったDJの、その”守護神”が勝敗を決めた・・・・と。

まあ実際の試合がこんな分かりやすい「物語」だけに収斂するわけでもないだろう。ただ外から試合を見たら、こんなふうに見える、というね。しかしDJのレスリング強化は、元からそういうバックボーンもあるとはいえ、いったんスタイルをほぼ完成させた選手が、よくそんな上積みをできたと感心させられる。たぶん、「以前からやろうと思えばできた戦法だが、それを意識的にやるようになった」という部分もあるのでしょうな。

そして前田吉朗戦が決定。
この前のビビアーノ戦が試合内容も含めて完敗に終わり、そういう点では盛り上がりに欠けるのだが、吉朗が日本屈指のオールラウンドファイターであるという位置にはいささかも変化が無い。
ただ、DJと吉朗は・・・何度か書いたけどDJの「1勝1分」なのである。1勝1敗なのは、2戦目がタイトル決定戦であり、ジャッジはドローの上で特別マスト判定があったためのものなのだ。今回、前田にとっても記録をイーブンにするチャンスが6年か7年ぶりに到来した、と考えるべき機会。だがそれだけ相性が悪いともいえる。どーなることか。


チェ・ドゥホ、天才の再証明

昨年のジムとのトラブルで失踪だ、交通事故だ、減量失敗だ・・・なんていう寄り道が無かったら、今頃は「3月3日、さいたまでのオクタゴン初参戦に向けて最後の猛練習・・・」なんて報道があったかもしれないチェ・ドゥホ。
防御力を捨ててすべて攻撃力に特化したような「攻撃の一芸」を持つ、長倉立尚は誰にでも足をすくわれる危険性と、誰にでも勝てる一発を持つ選手だったが・・・彼と打ち合い、見事にKO勝利となりました。
もっとも復帰戦特有の、カンの衰えや何かしらもあったように見えるが・・・このまま行けば、メインで万能の引き出しと、相変わらず会場を意気消沈させるマイクパフォーマンスを見せた横田一則とのタイトルマッチも有りえるのでは、と思った(今回横田は試合したばかりだから、いつになるかは分からないけど)。
ただ、チェも最後のマイクパフォーマンスで「今後は世界で戦えるような選手に・・・」云々と言っていたな。
あとはジョー・シルバがいつ声をかけるか、その前にタイトルマッチが組まれるかだろう。佐伯繁氏は「王者は2回防防衛戦をしてくれれば、あとは世界に行ってもらってOK」という話をしてたんだっけ。

あとチェ、髪型がへんだった。


横田一則vs昇侍戦についても

昇侍はDEEPの「人気者」となるに値するファイトスタイルだったが、やはりその「人気者」なファイトスタイルが持つ限界みたいなものもあるのかなと思いました。横田一則は前蹴りの牽制もはさみながら、タックルでどんどんテイクダウンを奪っていく。「スピードスター」を自称する彼の、そのタックルのすばやさは見事でしたが(同大会を見ていたある人は「スピードスターはハンサムだけが名乗れるので、横田が名乗るのはおかしい」と主張していたが)。

ただ昇侍はそのタックルで奪われたテイクダウンからすべて立ち上がり、スタンド勝負にもどる。だからこそ人気者なのだが、横田のタックルを「切って防ぐ」ことはできなかった。そしてタイムアップ・・・攻防の中には昇侍のいいパンチが決まる場面もあり、見ごたえがあったといえばあったんだけど、飽きが来たといえば正直飽きがきた部分もありました。
チェ・ドゥホファンのある方は、タブレットパッドに保存した過去映像の動画を見せながら「石田光洋帯谷信弘もKOしたタックルへのカウンター膝があるので、横田も今日のようにはタックルには行けない!」と力説していましたが・・・
ともあれ、チェはおとついの試合で無傷のデビュー8連勝。
ここ4試合は連続KO勝ち・・・です。
http://fightsspiral.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%9B

これはタイトル戦あるか、です。恒例の佐伯総括で触れられるでしょうか。
http://www.deep2001.com/blog2/

横田のマイク

「聞きたくないので昇侍がKO勝ちしてほしい」とまで書いたが、横田のマイクは「つまらない」とかじゃなく「聞いていていたたまれない」のです。
それでも今回は故宮下トモヤ選手と、また横田選手の父親の逝去にも触れ、粛然とさせられるものはありました。でもお客に「帰らないで!」とひきとめるのはどうか。


サムライ放送は前後編となる。
http://www.samurai-tv.com/program/deep.html