http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021101001736.html
■ローマ法王が月末に退位 6百年ぶり、高齢で重責果たせず
【ローマ共同】ローマ法王庁(バチカン)報道官は11日、ローマ法王ベネディクト16世(85)が高齢のため2月28日をもって退位すると発表した。バチカンのメディアによると、法王は11日、枢機卿会議で、重責を果たせないと感じたため引退を決めた、と述べた。法王は前法王ヨハネ・パウロ2世の後を受け、2005年4月、法王に選出された。先代法王に続き、生命や家族の重要さを説き、保守的立場を貫いた。法王庁(バチカン)報道官によると、法王の辞任は約600年ぶり。
法王は「体力的、心理的、精神的に務めが果たせなくなると辞任する権利と責任がある」と述べていた。
600年ぶりかー。
ところで、塩野七生は何人かの教皇のミニ伝記をまとめた「神の代理人」を書いているけど、その冒頭でごく数行の短い文章で、そもそも「ローマ法王(教皇)」がなぜ生まれたかを書いていたなー、と覚えている。
それを引用してみたかったのだが、サイトに載ってたので写す。
イエスは、弟子の一人であったシモンに言った。
「お前はペテロ(岩)だ。この岩の上に、わたしの教会を建てよう。地獄の門(悪魔)も、これには勝てないだろう。 おまえに、天国の鍵を与えよう。これによって、おまえが地上でつなぐものは天国でもつながれ、おまえが地上で解くものは天国でも解かれるのだ」(マタイ伝第十六章より)こうして、かつては漁夫であったペテロの首位権が決まった。全キリスト者は、イエス・キリスト、すなわち神の、地上での代理人と指名されたペテロに、服従しなければならないと決められたのである。また、おまえの上にとのイエスの言葉に従って、西暦六七年頃、ローマのヴァティカーヌス(今日のヴァティカン)にあった皇帝ネロの競技場で殉教したと伝えられるペテロの遺骸の上に、聖ペテロ教会(サン・ピエトロ大寺院)も建てられた。
それ以後、代々の法王は、第一代法王ペテロの後継者として、天国と地上と地下を支配する象徴としての三重冠と、天国の鍵を組み合わせたものを紋章とし、漁夫の指輪をはめた手で命令をくだし、同じ手で祝福を与えつづけてきた。
そして今日でも、法王が教会に入場してくる時、聖歌隊は、
「おまえはペテロ、この岩の上にわたしの教会を……」
と歌う。まるで、法王のテーマ音楽でもあるかのように。
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補足 「呼称の正義学」再確認。「法王/教皇」や「猊下/聖下」をめぐって
ウィキペディア「敬称」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%AC%E7%A7%B0
がてっとりばやいか?
そっちもいいけど、敢えて別ソースでも。
http://ck.paradwiki.org/index.php?%E5%AE%97%E6%95%99%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%A8Q%EF%BC%86A
正しくはローマ教皇のようです。カトリック中央協議会によれば「教え導く」という表現がもっとも正しく使われているためだとしています。
カトリック中央協議会
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/memo/pope.htmマスコミや関係各社などにも「教皇」と表記するように申し入れているようなのですが、混在状態は続いています。
なお、国家間の関係としては、日本の外務省には国交樹立当時の定訳の「法王庁」で申請・受理されており、政変や内乱などで国家や国名が大きく変わらないかぎり変更はされないらしいので、多分政府関係の書類では今後とも「法王庁」と表記され続けることでしょう。なお本稿ではカトリック中央協議会決定を優先し「教皇」。その政庁を公式文章にのっとり「法王庁」に統一します。
Q:教皇と法王の違いは? †
上記のように単なる日本語上の翻訳の相違です。英語ではPope(the Pope)、ラテン語ではPapaです。
ただし、「教皇」と異なり、「法王」は、日本語の普通名詞としても意味を持ちます。
大元は仏教用語で、文字通りの「仏法の王」つまり仏のことを言う語でした。その流れでラマ教(チベット仏教)の最上位者(ダライ・ラマ14世等)も「法王」です。
ローマ教皇は仏教徒でもなければ活仏でもないので、その意味では法王という仏教用語を当てはめるのが正しくないと言えばその通りです。ローマ教皇の尊称は何? †
日本語の場合、ローマ教皇の尊称は聖下です。
もともと大司教などの高位聖職者の尊称としては「猊下」があったのですが、ローマ法王が来日するさいに、天皇陛下とのご面談もあることから、より格調高い尊称として「聖下」が作られたらしいです。
英語の場合、Popeに対して用いられる敬称(尊称)は、His Holinessなどで、例えば「His Holiness Pope Benedict XVI」などと用いられます。「聖下」はこの訳語と考えていいでしょう。
教皇に次ぐ、枢機卿(Cardinal)に対してはHis Eminenceなどが用いられます。日本語ではこれは「猊下」でしょうか。
さらにその次、大司教(Archbishop)に対してはHis Graceなどが用いられ、これは公爵(Duke)などにも使われる語で、「閣下」が一応の定訳となっています。が、翻訳時に訳し分け、大司教「猊下」とすることが多いようです。
デイナ・ホワイトやセミー・シュルト、ジョージアとグルジア・・・なんてのは音声の話だが、日本語にこれまで無かった漢字の尊称を考案し、「これがうちの公式の自称だからこれを使って!」というのもなかなかいいタマである(笑)。てかあまり他の例が少ないな。
こういうときにそれを尊重するか拒否するか・・・その場合はいろんな方面からの考慮材料が有り、これらをすなわち「呼称の正義学」と呼ぶ。(俺が勝手に。それ自体が呼称の正義学ナノダ。)
無駄なことを覚える暇と情熱があったら覚えよう!!教皇の正式な肩書き
http://www.yk.rim.or.jp/~kimihira/yogo/03yogo0601.htm
ローマ教皇(Pope)は「ローマ法王」とも言われ、ローマ=カトリック教会(キリスト教の「旧教」)の最高指導者。現在では正式には
「ローマ司教・イエス=キリストの代理・使徒の頭(ペテロのこと)の後継者・全カトリック教会の首長・西ヨーロッパ総大司教・イタリア首座大司教・ローマ管区大司教かつ首都大司教・ヴァティカン市国主権者」
という肩書きになっている。
あんまり長いから、こぶがひっこんじゃったい。
あ、「旧教」(※勝手に古いとか決めるな!)もまた、呼称の正義学の一例だった・・・
その”旧教”組織の見解。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/memo/pope.htm