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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「少女バッグ拉致未遂事件」であるコメンテーター「スイスでは子供に皆(十徳?)ナイフを持たせてる」(ミヤネ屋)

http://sankei.jp.msn.com/region/news/120906/hrs12090602250000-n1.htm

タクシーのトランクに積まれた旅行バッグに小学6年の女児(12)が監禁されていた事件で、機転によって事件を解決に導いた広島市安佐南区のタクシー運転手、星山寿幸さん(63)。5日、同市南区内で報道陣に「こんなことは初めて。女の子が無事でよかった」と緊迫した状況を説明した・・・

報道によると、タクシー運転手は高校時代ボクシングの広島王者だったこともあるとか。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/09/05/kiji/K20120905004051560.html
直接そのボクシングの技術を使ったわけではないだろうけど、そこで培った度胸や自信の記憶はやはり生かされたのだろう。偶然ではあるけど格闘技のチカラ、と信じたい話。
【追記】・・・と思いきやテレビ朝日モーニングバード」によると、加害者のほうも大学の「居合同好会」に所属してたとか…


さて、昨日は偶然休みで日本テレビの昼の番組「ミヤネ屋」を見ていたのだが、そこで女性のコメンテーター(たぶんここの「春香クリスティーンさん」)がこう発言。

「スイスではみんな、子供にナイフを持たせていますよ」(ごく大雑把な大意)
これはそれで拉致犯人を刺すだ切るだといった剣呑な話ではなく、たぶん「バッグのようなところから脱出する」という文脈だったのじゃないかと思う。また、正確に聞き取れなかったのだが、たぶんスイスというお国柄からいっても、ナイフというのはランボー切り裂きジャックが持っているアレじゃなくて

ピンズ(ピンバッヂ) 4.1885 【日本正規品】

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なんだろうと思う。
ただ、日本では「正当な理由が無いかぎり刃物を持ち歩いてはいけない」という話から、こういう十徳ナイフやカッターまでが職務質問、逮捕理由になった事例がたくさんあるのも事実。

この話題、以前まとめて書き、そこから関連記事のリンクもいろいろ貼ったので、先にそっちを読んでくれれば分かりやすいかも。

■「スイスアーミーナイフ(十徳ナイフ)を持つと銃刀法違反なのか?」と朝日新聞「窓」
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20111029/p3


まだ、なんだかんだで「正当な理由」の法律解釈的にもダークゾーンな部分があるとか。

武器とその所持、は極端にいえば銃の所持までお国柄が大きく反映され、逆に言えば国ごとに「よそはよそ、ウチはウチ」な部分もあるとは思うけど・・・ただ十徳ナイフのたぐいに関してはもっと緩やかであってもいいのではないか?が自分の持論。緩やかにしたら、それを使った傷害事件は増えるのでは?と聞かれれば増えると思う。それでもなお、だ。

とくに2011年にあれだけの地震を体験して以降、やはり(小さな)ナイフ一本が役立つこともあったのではないか。某有名漫画家は車中にやはりナイフがあったことで実際に逮捕されたけど、
車内部のナイフは転倒・転落事故のさい、シートベルトを切って脱出しなければならないときに役立つ、とも聞くが・・・

今回、コメンテーターのひと言にその話を思い出した。ワイドショーの発言はJ-CASTニュースで文字化でもされないと忘れられるので、メモも兼ねて。

米国では民主党大会が開催中だが、銃刀法の争点化は消極的だとか

いろんな解説記事を読んだが、実は銃器規制は大統領選の勝敗を極める「スイングステート」(確実に民主党が強い州、共和党が強い州ではなく、状況次第でどっちにも傾く)で支持が強く、これを前面に出すと怖いから、だという記事を読んだ。逆に言うと、銃器規制反対派はそれ以外の問題で必ずしもごりごりの共和党保守派と同一歩調をとっているわけでなく、銃規制反対の民主党支持者、も多いということみたい。


ところで、上で自分は「十徳ナイフなどの所持禁止を緩めれば、それを使った犯罪が増えるかといえば増えるだろう。それでもメリットを考えれば緩めるべきだ」という主張の組み立てをしています。
実は米国の銃規制反対派には、「乱射事件のときだけ銃問題がクローズアップされるが、銃を所持していた一般市民が、明白な現行犯の犯罪者に反撃し、撃退した例もある。それをリベラルメディアは報じない」という不満があるそうだ。
で、実際に保守系のFOXニュースなどはそういう事件が起きるたびに詳しく報じているらしい(笑)。
そういう保守系米国メディアの報道を紹介する「苺畑」ブログ
http://biglizards.net/strawberryblog
には「銃砲取り締り法」というカテゴリーがある。

http://biglizards.net/strawberryblog/archives/cat-266/
■92歳の第二次世界大戦軍人、自宅に押し入った強盗を射殺
■とおりがかりの銃携帯者、殺人を食い止める
アラバマ州、自分と娘二人を守って強盗に発砲した若い母親
■宝石店女性店長65歳、武装した五人の強盗に発砲して店を守る!
■71歳のご隠居さんインターネットカフェ強盗に発砲! 銃犯罪を語るなら銃での正当防衛も語るべき
■銃による正当防衛二件、18歳の子持ち未亡人と二人の少年
■お手柄、66歳女性自宅に侵入した強盗を射殺!
イラク帰還兵、泥棒を拳銃で威嚇し駆けつけた警官に引き渡す

あるもんだな。
だが、こういう例があるならあるで・・・あるいはあるからこそ、銃があって助かった事例と銃があって悪くなった事例を統計的に比較考量できる余地があるはずで、その結果としても「やはり善良な市民もまとめて広く銃規制をしたほうが悲劇は少ない」という結論になると思うけどね。
これは十徳ナイフの、所持規制も同様に「比較考量」できると思うのだが。


【追記】コメント欄より

苺畑カカシ 2012/09/30 14:00
一般市民が合法に銃を携帯していると犯罪が減るという統計が出ています。銃砲とり締まり法のカテゴリーを広げましたので、ぜひご覧くださいまし。
 
gryphon 2012/10/01 02:03
ああ、その家マークからリンクが飛んでいる2007年の記事
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2007/04/post_403.html
などですね。
ありがとうございます、元論文なども含め参考にしたいと思います

  ↓
同記事より

・・・1983年にニュージャージーの刑務所で重犯罪者を対象に行った世論調査によると、39%の囚人が少なくとも一回は犠牲者が銃を持っていた理由で犯罪を諦めた経験があるとし、8%は何度もそういうことがあったと答えた。34%は銃によって威嚇された、もしくは犠牲者に発砲されて怪我をしたり取り押さえられたりした経験があると答えた。69%がそういう目にあった仲間を知っていると答えた。

34%の囚人がしょっちゅうもしくは常に犠牲者が銃を持っていることを心配すると答え、56%が銃を持っていると分かっている犠牲者には手を出さないと答えた。57%が警察よりも銃を持っている犠牲者のほうが恐いと答えた。58%が店主が銃を持っている店が強盗にあるのは酸く兄だろうと答え、74%が空き巣を狙う理由として家主から撃たれるのが恐いからだと答えた。(後略)

http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2007/04/post_403.html