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傑作保証付き! 新時代の異色作家短篇集】
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究極の謎=リドルが、貴方に、新しいミステリ=謎の扉を開く。
『謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル)』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル) (ミステリ・ワールド)
- 作者: 山口雅也
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/08/24
- メディア: 単行本
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ミステリ(謎)に必ずしも答えがあるとは限りません。
F・R・ストックトンの「女か虎か」のように、芥川龍之介の「藪の中」のように、魅力的な謎(リドル)があり、結末は読者の想像に任せる物語をリドル・ストーリーといいます。
本書はそんな脳を刺激し興奮の極致へ誘う、リドル・ストーリーばかりを集めた世界でも類を見ない短篇集です。まずは冒頭作「異版 女か虎か」をご覧ください。人間はここまで人生の分岐を生み出すことができるのか。王女サロメと彼女を巡る人々の究極の選択に目がくらみます。この一篇だけでも、ゼロ年代のベスト級の作品です。
そして究極の選択だけがリドル・ストーリーではありません。あまり詳しく書いてしまうと読まれる興をそいでしまうので割愛しますが、不条理型や被害妄想型、挑戦型や現代における究極の選択型など、本短篇集には、さまざまな形のリドル・ストーリーをご用意しました。謎に対し、答えの書かれていない本書は、アンチ本格ミステリですが、
読者に推理を促すという意味では、究極の本格ミステリであるともいえます。
もちろん推理などせずに、ただこの奇妙な味をご堪能いただいても構いません。
「女か虎か」の”異伝”って、とんでもなく高いハードルだぞ・・・立川談志に対して「あたし流に演じる『芝浜』お聞きになってください」とか、あぶさんに「自分もものほし竿で打席に立ちます」みたいなレベル。
そのハードルを、クリアしたのかどうか。心意気はすごい。
「女か、虎か?」の本伝は、こちらで読めます。
http://f59.aaacafe.ne.jp/~walkinon/ladyortiger.html
すぐ読める掌編なので、未読の方はちょっとした教養としても読んでおいたほうがいいかもです。