http://blog.livedoor.jp/isayamahazime/archives/7256803.html
最新話の感想ありがとうございます!
今月はちょっとですね…人として間違った事をやったかもって思ってます、結果的には反省も後悔もしてないんですが
まあ、そのやっちゃったってのは、あるキャラクターの結末の話です ネーム一考目を描いてる時、自然にそういう終わり方になる気がして 何となくそう描いたんです、でもその時は絶対「正しい」終わり方に 直すだろうと思ってました、後で自分も冷静になると思うし
でも、担当のバックさんはその枠によっては、はみ出す事に躊躇しなくて ブレーキを踏まなくていい所だと判断したら「後で(僕が)後悔しないならいいんじゃない?」 って言って作者に託し・・・・(略)
その結果、ああなったわけかい(驚)。
私は幸か不幸か小説・物語の類はここらへんでちょろちょろ、思考実験的なシミュレーション小説を書くぐらいで(一番長いのが「リングス・スターウォーズ」か(笑))、こういう長編作品をえがく作者の心境は想像するしかないんだが、やはり書いていると「A案」と「B案」というのは出てくるよね。
作者とは物語において神です。「テラ神すぎワラタ」状態。
その神がAを選ぶ、Bを選ぶでその世界全体が変わる。ましてや、その世界の一登場人物の運命とか、幸不幸なんてのはもう簡単にひっくりかえる。
その中で、どれを選ぶかというのは相当なプレッシャーだろうな。実は世の名作も、作者は「あのとき、B案でいくべきだったー!!そこからこんな終わり方になっちゃったー!」「あいつは殺しとくべきだったー!」「生かしておくべきだったー1」と悔やんで悔やんで悔やみきれない・・・なんてものもあるんだろうな。
それでも日々、神々は決断する。締め切りというそれ以上の神を畏れつつ(笑)。
しかし、それでいいのだと思う。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120626/p2
で紹介したが
・・・何をしたっていいのだ。選択の結果、後悔したっていいのだ。大切なのは、自分で選び、その結果を引き受けることだ。
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漫画家は編集者が、内容を強制的に修正するパターンもあるときく。日本の漫画はある意味彼らと漫画家の共同作業であり、それが「悪」であるはずも無いけど、でも上のように「キミが後悔しないならOKだ」と下駄を預けてくれるのはやっぱり作者にとっては幸福なのだと思う。
まあそういうかっこいい言葉をつむいだ夢枕獏というフリーダムな作家は・・・
「神を超える神」となったというか、
「この物語で、こういうエピソードを考えたのですが、検討の結果没となりました。でもそのまま捨てるのは勿体無いので、『考えたんだけど没にしたストーリー』をこれから書きます」と宣言して堂々書いたことがあるな(笑)。それはジャイアント馬場vsアントニオ猪木(さらにそのメインは力道山vs前田日明)の前座として大仁田厚vs初代タイガーマスクが戦うという話だったが。
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あとな、
「やっぱりB案がよかったなと思ったら『アナザーストーリー』を後に描けばいいじゃない」とか「死んだキャラクターを惜しいと思ったら、包帯を巻いて『実は生きていた』にすればいいじゃない」とかは禁句ですから。
特に後者。
前途ある漫画家に悪の道を教えないでください、宮下あきら先生と車田正美先生(笑)