今日は新聞記事紹介が多めだ。
朝日、毎日の2つの新聞書評で大きく取り上げられた

- 作者: ジュディダットン,Judy Dutton,横山啓明
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/03/01
- メディア: 単行本
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http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2012051300011.html
(略)・・・度肝を抜かれるのは、「出品」される研究の水準の高さ。小型の核融合炉を製作した生徒、ナノテクノロジーの研究で賞を取り18歳にして最先端技術企業を興した生徒、化学企業デュポン社の城下町で、飲料水に工場由来の有害化学物質が含まれることを示し、除去法を確立した生徒、自閉症のいとこのために体系だった教育プログラムをつくり普及させた生徒……。
おおよそ「こども」の研究とは思えないものが目白押しだ。そこに至るまでの試行錯誤、挫折を克服するプロセス等々がいきいきと描かれており、読み物として楽しい。
と同時に、科学の営みが、基本的に無邪気なものなのだと強く印象づけられた。悪用も可能かもしれない核融合炉に象徴されるように、生徒たちの知的好奇心と探究は、それが社会にもたらすことの「善悪」の問題とは無縁だ。興味あることに突っ込んで行って一直線に進む。これは基本的に「大人の科学」も同様・・・(略)
http://mainichi.jp/feature/news/20120513ddm015070015000c.html
(略)・・・著者の言うとおり、子どもたちの才能と真っ直(す)ぐな努力が伝わってくることである。著者のジュディ・ダットンはこう書いている。
「子供のような彼らとその能力について抱いていたわたしの考えは根本から覆され、八歳だろうが八十歳だろうが、全身全霊で打ち込めば、どのようなことも乗りきれると思い知らされたのだった。」
国際比較の学力テストなどではアメリカの科学教育のレベルは高くない。将来の凋落(ちょうらく)をオバマ大統領も憂慮しているというが、ダットンは明るい希望を見たと言う。
でもそれだけではない。優秀な科学エリートたちだけの物語ではないところに、むしろこの本の感動がある。そういう突出した子を見守る人たちがいること、社会に受け入れる鷹揚(おうよう)さがあることにも胸打たれるものがある。
スポーツだって音楽だって、天才というのは子どもから天才なのであり、そういう実例を知っている側としては、そうであっても驚かないが、こうやって具体例を聞くとやっぱり驚くな(笑)。いやいや、というよりこういう本(今、自分は書評だけだけど)を読むときは、「驚く準備はできている、さあ驚かせてくれ!!…やっぱり驚いたーーー!!!」って感じかなあ。
言葉は悪いが、そういう、オバケ屋敷の見世物みたいな興味もないではない。
しかし、こういう天才児たちをどうすればいちばん世の中のために生かせるか。
よく言う「飛び級」こそ最良の選択なのかもしれない。仮面ライダーSpiritsの中でアマゾンが最初に登場したときに護衛していた天才児童のように(※こんな例示が通じるかよ!!!)同学年の子どもと一緒にサッカーをして遊んで、友達ができるのが一番なのかもしれない。
もっとも別の漫画では、高校にとび級をしてきた小学生も、同学年の子以上にこどもっぽい高校生と一緒になって、ふつうに子どもらしい体験もできまくっていたけどね(笑)
どっちにしても、こういう子達の才能を伸ばすにはカネがかかるだろうな。この「理系の子」の中には、かなり厳しい環境の中でも才能を伸ばした子の話がけっこう載っているらしいが。
インタビューされた子どもたちは、社会的経済的に恵まれた天才秀才ばかりではない。障害のある子、変り者の子、極貧のネイティブアメリカンの子も、矯正施設にいる子どもたちも、サイエンス・フェアに出場している。高校に行かずに家庭で教育を受けている子もいる。
それがどのように、科学研究をできる環境に入れたかも知りたいところ)。もちろん彼らの発明発見で、その金は元がとれそうでもある。
まずはこういうコンクールが日本にあるか。
必要なのか、どうか。