ノルウェーで「ブレイビク裁判」が始まった。
http://www.asahi.com/international/update/0416/TKY201204160578.html
ノルウェーの連続爆破・乱射事件でテロ罪などに問われたアンネシュ・ブレイビク被告(33)の公判が16日、オスロの地方裁判所で始まった。これまで2度の鑑定では精神状態の認定が食い違っており、刑事責任能力の有無が最大の焦点だ。
黒のスーツにネクタイ姿で現れたブレイビク被告は法廷に入ると、右手の拳を挙げた。「多文化主義を支持する政党の命令をうけた裁判所の(裁判)権限を認めない」と述べ、人定質問では「私は作家だ。拘置所で働いている」と発言。罪状認否では「犯行は認めるが無罪を主張する。正当防衛だ」と話した
自分はこの「狂気と狂信の間」「”精神病による不幸な事故”と犯罪の間」という点にかなり興味がある。精神鑑定の結果が違うというのも非常に大きいし。
で、関連の検索をしていると
「イスラム過激派の犯罪ではなく欧州国粋主義者の犯罪と分かったらトーンダウンした。問題だ」というニュアンスの報道があった。
http://democracynow.jp/video/20110726-3
まあ「デモクラシー・ナウ」はそういう立場のところではあるが、ただそれでさらに思い出したのは
『いやあなた方の足元で昨年起きたアリゾナ上院議員銃撃事件もこれに近い展開だったけどね。「狂信右派がリベラル民主党議員を撃った!右派メディアが原因だ」→違うっぽい→報道自体がトーンダウン』
てな感想だった。
ただ、あの事件が最終的にどこまで進展したか分からないので、この機会に探しマシた。はい、日本語の報道で、です。英語きらいです(笑)
で、「最終」の報道らしきものを見つけた。
米アリゾナ州銃乱射事件から1年、一時重体の議員も追悼行事に出席 2012/01/09 16:50
[トゥーソン(米アリゾナ州) 8日 ロイター] 米アリゾナ州トゥーソンで発生した銃乱射事件から1年を迎えた8日、アリゾナ大学のキャンパスで追悼行事が開かれ、同事件で頭部を撃たれ一時重体となった民主党のガブリエル・ギフォーズ下院議員も出席した。
ギフォーズ議員が姿を現すと、集まった数千人から拍手が沸き、同議員も手を振って応えた。議員は壇上で「忠誠の誓い」を力強い口調で述べ、なかでも「万人のための自由と正義」というフレーズを強調した。(略)
銃乱射事件は昨年1月8日、ギフォーズ議員の対話集会中に発生。9歳の女児を含む6人が死亡、13人が負傷した。その後、殺人罪などで起訴されたジャレッド・ロフナー被告は、同州の連邦地裁により精神的疾患で責任能力なしと判断され、精神病棟に収容された。(略)
こういう立場がリベラルなのか保守なのか分からないけど、自分は妄想的な精神病が原因によって起きたと認定された事件に関しては(結果的に)「殺人などを引き起こした精神障害者を罪に問うべきだ」という意識、発想はかなり低い。落石での死亡事故で、石を割って罰せよと感じないのと、ほぼ同じように感じている。
でも、そういう今現在の結果から見ると、
その可能性には言及してあったとはいえ、ポール・クルーグマンが「憎悪の空気」、とくに右派の言論の責任を事件直後に問うた
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110115/p1
のコラムなんかは「やっちゃった」とすべきかね。それとも「状況的に仕方ない」「本質的にはただしい」とすべきかね。