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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

五百旗頭真防衛大校長が退任。小泉秘話など語る(「時代の風」)

http://mainichi.jp/select/opinion/jidainokaze/news/20120318ddm002070100000c.html

時代の風:校長退任にあたって=防衛大学校長・五百旗頭真
 ◇「五族」との5年8カ月−−五百旗頭真(いおきべ・まこと)
 
 長い間お世話になった本欄での私の受け持ちもいよいよ最終回となった。時を同じくして5年8カ月に及んだ防衛大学校長の任も全うすることになる。そこで今回は、何かのテーマで論ずるのではなく、この間を思いつくまま振り返り、感想を述べることとしたい。

 私に防大校長になるよう激しく説き、任命したのは、小泉純一郎首相(当時)だった。こんな注意をしてくれる人がいた。「小泉さんはドライな人で、釣り上げた魚に餌はくれない。覚悟しておくがよい」。確かに干渉がましいことは何一つなく、ご子息の進次郎氏が衆院議員に当選した後はすべてを任せ、長年続けていた防大卒業式への出席もやめられた。しかし、三崎の旅館に私の家族と防大生10名を招き、大マグロ1匹をふるまう思い出をつくってくれたりした。また私の提案した防大改革のうち、防大内部だけでは解決しない難しい問題について、私が頼んでいないのに、元総理の絶大な影響力を行使して助けてくれたこともあった。ライオンのような見かけに反して温かい方である。
 
 小泉外交を私は高く評価していたが、靖国神社参拝とイラク戦争について批判的であった。そのことを知りつつ、小泉首相は小泉外交5年を総括する一文を彼のメルマガに寄せるよう求めてこられた。ほめてほしいのではなく、歴史的評価を見たいとのことであった。私は率直に高い評価と批判の双方を書いた。後で聞いたところでは、首相側近に批判部分を削除させようとの動きがあったのを、首相自身が「全部そのまま載せなきゃ駄目だ」と一喝されたという。不思議なかたちでトップリーダーとしての器量を持ち合わせた個性だと思う。

 防大に着任した初日は、いきなり防大幹部と衝突し、どうなることかと思った。野獣の群れに投げ込まれた一匹の子羊のような心境だった。防大の教職員は、教授、役人、制服の約300人ずつの3者構成で、それぞれ組織文化が違う。そうこぼしたら、否、制服も陸海空で組織文化が違うので、三つではなく、計五つですという。「五族」を束ねていくなど無理だ
 
 心配した分、熱心に勉強した。・・・(略) ・・・一番なじみのなかった制服組が最も協力的でさえあった。司令官を支え服する彼らの組織文化を学校長にも適用してくれる感があった。…(略)…3年前に専門教科の卒論とは別に、防衛学についての第2卒論を書くことになったが、これも制服教官の熱意によって定着しようとしている

(略)…何か改革しようと思って事務的に本省に問い合わせると、「前例がない」とか「本省が許さない」とかの返事が来る。特に重要と思う件については幹部に電話で、もしくは市ケ谷の集まりの際に聞いてみる。それで断られたことは一度もなかったように思う。「先生に来ていただいたのは、こんなことをやっていただくためです」となる。
(略)
 小泉内閣福田康夫官房長官と親しくなり、その後首相になられた時には忙しくなった。こんなに成熟した外交感覚の持ち主の首相はめずらしいと見ていた
(略)
首相をはさんで石破茂防衛相と長時間討議したのが懐かしい。
(略)
政権交代は大いなる機会であり、大いなる危険でもある。危険の方が大写しになっているのは残念であるが、その中で北沢俊美防衛相という民主党政権で最も安定した政治家に防衛省が任されたことは幸いだった。
(略)
全般的な防大改革が校長としての最後のヤマとなるはずだった。東日本大震災が勃発し、その復興構想会議議長となり、平穏な店じまいではなく、怒濤(どとう)のような終幕に突進している感がある。=毎週日曜日に掲載

全文引用したいところだがこんなところで。まあ退任する校長先生の自己評価と、送る側の評価がどれだけ一致しているかはまた別の話ですけどね(笑)。

興味深いのは小泉純一郎氏の、メルマガに関する一件である。
 

かつて佐高信さんはこう書いた。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081126/p3

…小泉(純一郎元首相)さんが首相になった後の社会には、論議を嫌う「問答無用」の雰囲気が強まっていると思う。私の言動に対する抗議や行動も年々激しくなってきている。田母神(俊雄・前航空幕僚長)論文の問題でも、田母神さんは「自衛官言論の自由がある」と言った。しかし、言論の自由とは、相手の言論も認める自由であって、自分の主張だけを並べ立てる自由ではない。首相で言えば、小渕恵三元首相は私の肩をたたきながら「批判する人も必要だから」と言うような人だった。問答無用ではなく、「問答有用」の社会に戻さなければならない。

まあ、彼の人物評論なんて、こんなもんです。
彼が首相候補に推している(驚愕!!)田中真紀子なんて、煽り耐性一番弱いわけだし(笑)


ただ、小泉純一郎が批判に対してオープンですね、すばらしいですね、で終わらせていいものかというと・・・いや、結果的にこういう心構えは為政者、トップに必要なのだけど、なんというかね・・・以下は根拠の無い印象批評です、無視してけっこうですけど・・・なんか彼の場合、「批判は自由にどうぞ、自分は気にしません」という「気にしない」が文字通り、「ぜんぜん心に響かない」というような感じじゃないかなあ、と。「どうぞ批判してください。そのまま聞き捨てるけど」みたいな(笑)